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Spireのプリセットサウンドを更に良くするチョイ足しエディット術 vol.17

前回に引き続きフィルターセクションの理解を深めていきましょう。今回はフィルタータイプについて解説したいと思います。

フィルターの主なタイプは3種類

各フィルターモードを選ぶと、それぞれのモードの中にLP、BP、HP、Peakなどいくつかのフィルターが用意されています。

フィルターのタイプを選択している状態。画像中のリストに表示されているLPがローパスフィルター、BPがバンドパスフィルター、HPがハイパスフィルターとなる。

フィルタータイプには細かいバリエーションまで含めると多様な種類があるのですが、一般的に知っておくと役立つのは以下の3タイプです。

Low Pass Filter(ローパスフィルター):
入力された波形に含まれている周波数成分から高い成分をカットするフィルター。
多くのシンセサイザーに装備されており、一般的にフィルターというとローパスフィルターを指します。

High Pass Filter(ハイパスフィルター)
入力された波形に含まれている周波数成分から低い成分をカットするフィルター。

Band Pass Filter(バンドパスフィルター)
特定の周波数成分のみを抽出するフィルター。

これらのフィルターの動き方の違いはデモサウンドで聴き比べてみてください。
ノブの動きを同じにしてフィルタータイプの違いをわかりやすくするため、DAWのトラックオートメーションでcut1を動かしながら同じフレーズを演奏させています。
トラックオートメーションの動き方はcut1のノブを完全に開いた状態(=右側に回し切った状態)から徐々に左に回して閉じていき、完全に閉じた状態(=左側に回し切った状態)に到達したら、逆に完全に開くまで右に回していった状態に設定しています。

DAWのトラックに打ち込んだフレーズと、cut 1に設定したトラックオートメーションの状態。

<デモサウンドについて>

サンプル1:ローパスフィルターによる音色変化

サンプル2:ハイパスフィルターによる音色変化

サンプル3:バンドパスフィルターによる音色変化

次回は音色の時間的変化を設定する方法について解説したいと思います。


Reveal Sound SPIRE

Spire

ポリフォニック・シンセサイザー

内藤朗

キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIの様々なプロジェクトでのレコーディング、ライブなどに関わるなど、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。MIDIやDTM関連の分野では黎明期から今日に至るまで長きに渡り関わっており、多様な経歴を持つ。また、音楽制作系のライターとしても広く知られ、近著に「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ 音作り大全」(技術評論社刊)、共著「ミュージッククリエイターハンドブック 2023年改訂版」(ヤマハミュージックエンターテインメントホールディングス刊)などがある。有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会会員。