前回に引き続いて、リズムトラックの上モノのシンセパートアレンジについて解説していきましょう。
2つ目の上モノパートの作成方法について
例えば元のリズムトラックにエレキギターとローズなどのビンテージエレピなどのパートを加えれば、ソウル・ファンク系のバックトラックとして程よくまとまると思います。
しかしながら、今回はシンセサウンドを活かすという方向でアレンジを進めていますので、前回作成したパートを考慮しつつ、次のパートをどうするか考える必要があります。
次に作成するパートのアイディアとしては、大きく分けて以下のような2つの方向性が考えられます。
- 最初に作成したアルペジオとは異なる符割のアルペジオ、あるいはシーケンスフレーズなど、減衰音系音色を使用したパートを作成する
- 持続音系音色を使用し、音数を絞った音価の長いフレーズのパートを作成する
これらの方法はどちらを選んでも間違いではないのですが、前回作成したアルペジオパートを含めて、現状のトラックの状態はほとんどが減衰音のパートです。
少なからずサウンドの厚み的な面で物足りなさが否めないことと、減衰音系のパートの異なるリズムが更に増えることで、各パートのリズムの絡み方が複雑になり、かえってグルーヴ感を損ねる可能性があることを考えると、1.よりは、2.のパートを作成する方が良いでしょう。
それを踏まえて作成したパートの打ち込んだフレーズは、図のようにフレーズとしてはシンプルな単音フレーズです。

しかしながら、ここで使用したのは、Hive 2のリード系音色プリセット:HS Sprinkler – degradeですが、元のディレイエフェクトのディレイタイムの設定を曲の雰囲気に合うように調整して変えています。


ここまでの段階のアレンジがデモサウンドの状態となりますので、参考例として聴いてみてください。
前回の状態にシンセリード音色のパートを追加した状態。
次回はアレンジを始めた段階から今回のアレンジに至るまでにはどのような経緯だったのか、そして、最終的にどのようなアレンジになったのかについてお話したいと思います。