魅力的なサウンドを持ったu-heを実際の曲作りにどのように活かしていくかを紹介する新たなコーナー。
デモトラックを参考例にしたトラックメイク、今回はリズムトラックの作成ポイントについて解説しましょう。
今回のデモトラック:
プリセットのアルペジエーター機能を活用する(その1:リズムトラック作成のポイント)
デモトラックでアルペジエーターやシーケンサー機能が使用されているプリセットを使用したのはシーケンスパート×2、フィルイン的に入るシーケンスフレーズパート×2、シンセベース×1、ドラムループ×3です。
今日のアルペジエーターは単にコードの分散和音だけでなく、シーケンスフレーズ的な演奏までもできるので、シーケンサーとの差異が希薄になっていますが、パートごとにどのような点に留意して制作していったかを制作の流れに沿って解説します。
シンセベーストラックの作成
最初に作成したのはシンセベースのパートです。
ベースのプリセットのフレーズを聴きながら、その時の気分で良さそうだと思った“HS Battle Begin”を使用してベースのトラックを組み立てました。
打ち込んだのは図のようにコードのルートのノートをコードチェンジに合わせて打ち込んでいます。
この打ち込んだトラックをプレイバックしながら、このフレーズに合うドラムトラックを作成していきます。
ドラムトラックの作成
前述のベースとのコンビネーションがマッチしそうなキックのリズムパターンを探しながら、核となるドラムトラックを作成していきます。まずは核となるキック系のループをプリセット“Groove Box”で作成しました。
ドラムトラックのフレーズの打ち込みはリズムパターンのオンオフのような意味合いになりますが、フレーズの編集がしやすいように1小節ごとにオンオフを行なっています。
ループなので、リズムの停止位置までデュレーションを伸ばしても良いと思うのですが、後で部分的にフレーズを変えたくなった場合を考えると、ある程度分かれていた方が編集しやすくなるからです。
この2つのトラックを再生しつつ、ドラムトラックを補強していったのですが、最初から3トラック使用して作成すると決めていたワケではなく、足りない要素を補完していった結果です。
もちろん、2トラックで良しとなる場合もあれば、4、5トラック作成する場合もありますので、この辺は曲の雰囲気や作りたいイメージによってケースバイケースで進めていくと良いでしょう。
キック系の補強にプリセット“ETE Hive Jam”を重ねて慣らし、ハイハット系の細かいビートを刻むループを1種類(プリセット“HS Hat Artist”)を組み合わせています。

ドラムトラックを構成する各ループがどのようにまとまっていったかは、デモトラックを聴いてみてください。
3つのドラムループがどのようにレイヤーされているのか、わかりやすいように、最初の4小節はプリセット“Groove Box”のみ、次の4小節はプリセット“ETE Hive Jam”が重なった状態、その後の4小節目からプリセット“HS Hat Artist”が重なっている。
サブベーストラックを追加する
このようにドラムトラックを仕上げていくと、ベースパートに物足りなさが出てきたため、サブベース的なトラックを足すことにしました。
それがプリセット“Angry”を使用して作成したトラックです。キックのサウンドがレイヤーされているので、アクセントとなる部分のアタック感も強調することができます。
こちらのプリセットもアルペジエーターが設定されていますが、ノートのデュレーションと打ち込むタイミングを工夫して、休符を活かしたフレージングにしているのがポイントです。
このプリセットは1ループが4小節の長さのフレーズになっているので、ループ全体を鳴らしてしまうとこの曲の進行に合わない部分が出てきます。それを回避することが大きな理由です。
もう1つの理由は、既に作成したベースのトラックで細かいリズムを刻んでいるので、こちらも同じように刻んでしまうと、リズム的にまとまらなくなるのを避けるためでもあります。
サブベーストラックを追加したベーストラック全体のサウンドは、デモトラックを聴いてみてください。
メインとサブのシンセベーストラックのレイヤー状態のみのトラック。前半8小節はメインのみ、その後にサブのトラックが重なってベース全体のサウンドとなっている。
Hive 2デモ版ダウンロード
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デモ版は、定期的にノイズが入りますが、機能無制限でお使いいただけます。是非Hive 2の実力をデモ版でご確認ください。