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u-heのイカしたサウンドを曲作りに活かす vol.1

魅力的なサウンドを持ったu-heを実際の曲作りにどのように活かしていくかを紹介する新たなコーナー。

まずはデモトラックを参考例にしたトラックメイクについて数回に分けて解説していきたいと思います。

よりポジティブにシンセアレンジを進めるには?

いきなりですが、日頃曲作りを行なっている時、アレンジを進めていく中で「ここにシンセ入れよう」という際に何となくプリセットでそれらしいのを選んで使って済ませていることはありませんか?

あるいは、色々とシンセパートを入れてアレンジしたのは良いけれども、全体がまとまらなくてアレンジに煮詰まったりすることはありませんか?

本連載では、数多あるソフトシンセを実際の曲作りにどのように活かしていくかをメインテーマにシンセアレンジにまつわるアレコレを紹介していきたいと思います。

EDM系など一部のジャンルを除くと今ドキの曲の傾向としてギターサウンド中心のアレンジが多く、シンセなどのキーボードパートへのサウンド比重が少ない傾向があるようですが、シンセやキーボードが少なからず曲中のどこかに使われていることも多々見受けられます。そのような場合でも従来よりもポジティブにシンセアレンジを行なうことで、よりイカしたサウンドになることでしょう。

本連載で紹介していく予定の内容について

さて、本連載では主に曲中でどのようにシンセアレンジを行なうかということに関連して、フレーズの組合せ方、音色の重ね方、曲中におけるサウンド調整などを参考例のデモサウンドを元に解説していく予定です。

今や曲作りにおいてはメロディを考えるだけではなく、アレンジはもちろん、サウンドエディット、ミックスなどトータルで進めていくことが日常的ですので、実際の曲作りの各プロセスにおける着目ポイントにフォーカスして紹介したいと思います。

また、シンセアレンジにはu-he社のHive、Divaなど一連の製品を参考例となるデモサウンドの内容に適したものを適宜選んで使用していきます。

各製品についての詳細などはチュートリアルの「u-heはユーヘーでもウーヒーでもなく『ユーヒー』と読みますよ!」でチェックできますので、こちらも併せて読んでみてください。

Hiveのみによるトラック制作例

まずはウェーブテーブル機能を新たに装備してバージョンアップしたHive 2をフィーチャーしてトラックを作成してみました。

今回の作成例では「プリセットのアルペジエーターやシーケンサーを活かしたトラック制作」をコンセプトに制作したデモトラックを元に解説を進めたいと思います。

デモトラックでは一部分でのみ使用している音色パートもありますが、全部で13台のHive 2を使用して作成しています。

その内訳は、シーケンスパート×2、フィルイン的に入るシーケンスフレーズパート×2、シンセパッド×2、シンセベース×1、キックがレイヤーされたシンセベース×1、ドラムループ×3、効果音×2となります。

尚、今回エフェクト処理は全てHive 2内のエフェクトのみで行なっています。使用した各プリセット音色のエディットに関しては制作中に若干エディットを行なっていますが、多くの場合、フィルターのカットオフ、エフェクト設定やEG調整などで、元のプリセットからかけ離れてしまうようなエディットは行なっていませんので、音色のエディットについての解説は省略させて頂きます。

それでは次回から構成パートごとに制作上のポイントや考え方などを解説したいと思います。

Hive 2デモ版ダウンロード

Hive 2のデモ版はこちらからダウンロードできます。

デモ版は、定期的にノイズが入りますが、機能無制限でお使いいただけます。是非Hive 2の実力をデモ版でご確認ください。


内藤朗

キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIの様々なプロジェクトでのレコーディング、ライブなどに関わるなど、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。MIDIやDTM関連の分野では黎明期から今日に至るまで長きに渡り関わっており、多様な経歴を持つ。また、音楽制作系のライターとしても広く知られ、近著に「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ 音作り大全」(技術評論社刊)、共著「ミュージッククリエイターハンドブック 2023年改訂版」(ヤマハミュージックエンターテインメントホールディングス刊)などがある。有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会会員。