今回はアイディアの断片をどのように曲に仕立てていくかをそのプロセス順に追っていきつつ、各パートの音色選びなども含めて完成させるまでを解説したいと思います。
シンセパッドのフレーズをどのようにアレンジしていくか?
まずは今回の参考例はデモサウンドが元になっており、この状態からアレンジを進めていきました。
元々Hive 2のシンセパッドのプリセット“AZ Covanent”を立ち上げて図のようなフレーズを考えました。
このように最初のアイディアではシンセパッドのトップノートがメロディラインの骨格になっています。しかしながら、シンセパッドの音色であることからアタックが柔らかくフレーズが今一つハッキリしないので、シンセリードでメロディラインをハッキリと輪郭を出しました。使用したシンセは同じくHive 2のプリセット“HS Sprinkler – simple”です。
このプリセットを選んだ理由は、ディレイエフェクトによる演出が曲に合っていたためですが、実際に曲中で鳴らしてみるとディレイエフェクトが少々深すぎたため、図のようにフィードバックを浅めにして、右チャンネルのディレイタイムを変更しています。
ちなみにこのディレイ成分が加わることで、シンプルなメロディラインを活性化できることもプリセット選択の理由となっています。
増やしたい要素に応じた音色選び
次に追加したトラックはシンセパッド2のトラックです。最初の段階の2パートだけでも、イメージは表現されていますが、シンセパッドの音域が少し高いので、サウンドが全体的にスカスカな感じになっているように思われました。そこで、もう少し中低域の厚みを増やすことを目的として別のシンセパッドのパートを用意しました。選んだのはDivaのプリセット“BS Beauty Pad”です。
図のようなフレーズを打ち込んでいます。
この音色による白玉コードを加えた状態がこちらの参考音源になります。