前回に引き続きシーケンス系フレーズの入れどころのポイントを中心に解説したいと思います。
リズム系トラックアレンジのポイントとは?
シンセドラムやグリッチ系音色、パーカッションなどもシーケンスフレーズと同様の役割を持つと考えても良いでしょう。
しかしながら、これらの音色を使用したフレージングは、音高の高低変化はありますが、ピアノやバイオリンのようにハッキリと“ド”、“ミ”などのようなものではないことが大きな違いと言えます。
そのため、トラックとして加えていく場合にもリズムの符割的な部分に注意すれば、それなりに演奏空間を埋めることができますが、安易に加えるとトラック全体がせわしなく、フレーズ過多の状態になり、サウンド全体が厚ぼったくなりがちです。
リズム系のトラックを加えるためには、
- 空間を埋め過ぎず
- フレーズは目立ち過ぎず
- ドラムトラックとのコンビネーション良く
に留意して作成したのが、図のようなフレーズです。
パーカッション(シンセドラム)トラックに使用した音色について
前述のフレーズを演奏させるために使用したのは、REPRO-5です。
REPRO-5は、Reproに含まれているアナログ・エミュレーション・シンセサイザーです。
割と軽め質感のシンプルなシンセドラム音色を加えようと思っていたところ、イメージに合ったプリセットが今一つ合致したものがチョイスできなかったため、デフォルト状態から作成しました。
設定的には特に複雑な設定などはしていませんが、フィルターのカットオフとレゾナンス、フィルターとアンプEGの各ディケイタイムを中心に質感を調整しているのがポイントとなります。
また、音の動きが欲しかったので、CUBASE内蔵プラグインのオートパンを使用して周期的にパンを左右に動かしています。
このトラックは、ボリュームを過剰に大きくしてしまうと必要以上に目立ってしまい、アンサンブル的に逆効果です。「ドラムの後ろで何かウロウロしている音があるな」位に調整されているのが丁度良いバランスになるでしょう。
前回のシーケンストラックと今回のシンセドラムのトラックが加わったのが、こちらです。
ベーシックトラックにシーケンスフレーズのトラック、今回解説したシンセドラムトラックを加えた状態のデモサウンド。
これもベーシックトラックの状態と聴き比べて違いを確かめてみてください。
ちなみにREPRO-5ユーザーの方は、今回作成した音色データも公開しますので是非、設定をチェックしてみてほしいと思います。