Spireのプリセットサウンドを更に良くするチョイ足しエディット術 vol.10

Spireのプリセットサウンドを更に良くするチョイ足しエディット術 vol.10

今回はエレピ音色のチョイ足しエディット編です。

SpireのオシレータはFM変調を行うことができますので、その機能を活用してFMエレピをシミュレートしてみたいと思います。

Factory 108番の「EPiano 1」にチョイ足し

「EPiano 1」のサウンドは、比較的マイルドなサウンドで落ち着いたコードバッキングの演奏には適していますが、アタック感が弱いため他のパートのサウンドに埋もれてしまう場合もあります。


エディットを行う前の EPiano 1 の設定画面。

そこでオシレータ2でアタック感を補強する部分を作成して、元の音色とミックスすることで芯のあるハッキリとしたサウンドにすることができます。
チョイ足し手順は以下のような流れて行います。

1 : オシレータ2をFMモードに設定し、ctrl Aとctrl Bのパラメータを調整して金属的なサウンドに設定します

オシレータ2のエディット状態。ctrl Aとctrl Bの設定の組合せ方次第で豊富なサウンドバリエーションを得られる。

また、オシレータ2のレベルは気持ち控えめにしておくと幅広い用途で使える汎用性あるサウンドに仕上がる。

2 : フィルター1のカットオフ(cut1)をローパスフィルターに設定してサウンドを整えます

フィルターのエディット状態。フィルターモードは好みで調整すると良いだろう。

3 : ENV3でフィルターの時間的な動きをコントロールできるように設定します

ENV3の設定のポイントは、Decayの設定加減だ。あまり長く設定するとベルのようなサウンドになってしまうので、やや短めの減衰になるようにすると良いだろう。

チョイ足しエディットのコツは、オシレータ2のミックスレベルで金属的なアタック音のバランスを調整すること、カットオフのモード次第で同じローパスフィルターの質感が変わること、ENV3のベロシティセンスを設定し、タッチによるアタック感の変化をコントロールできるようにすること、などがポイントとなります。
また、バッキングで使用する場合、コーラスエフェクトを加えて、広がりや厚みを加えても良いでしょう。

<デモサウンドについて>

サンプル:Before(プリセットを未エディットの状態で演奏したトラック)

サンプル:After(チョイ足しエディット後のトラック)


Spire

ポリフォニック・シンセサイザー

内藤朗

キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIの様々なプロジェクトでのレコーディング、ライブなどに参加の他、バンド「島へ行くボート」で活動中。黎明期からMIDIやDTMとの関わりは長く、音楽制作系のライターとしても広く知られており、近著に「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ 音作り大全」(技術評論社刊)などがある。有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会会員。