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【連載】u-heはユーヘーでもウーヒーでもなく『ユーヒー』と読みますよ!vol.15

u-he製品をABC順に週替わりで紹介している本連載。

今回は前回のPreswerkに続いてSATINのその2として、その1で大まかに紹介した機能の詳細解説をお送りします。

SATINはテープ・マシン・エミュレータとして、サウンドにテープレコーダー独特の温かみや飽和感を与えてくれます。


Upperパネル詳細

SATINその1ではUpper、Lower、Serviceの3つのパネルと、Lowerの各モードについてサラッと紹介しました。

SATINを初めて知ったという方はその1を先にサラッと読んでみてください!

さて、機能詳細はまずUpperパネルから始めます。Upperパネル

中央に大きくVUメーターが表示されています。
上がL、下がRで、L/Rの間にLED風のピークメーターがあります。

メーターの左右にはこれまた大きくInput/Outputノブがあります。
上下にドラッグして調整、ダブルクリックで0dBに戻ります。

調整幅はInputが-20〜20dB、Outputが-12dB〜12dBです。

Upperパネルのそれ以外の機能は以下の通り。

Makeup:このスイッチをOnにした場合、Inputノブを上げるにつれて自動的にアウトプットレベルが削減されます。
Tape:Vintage/Modernからモードを選択可能。アナログライクなサチュレーションならVintage、クリアな音質を期待するならModern。
Metering:VUメーターにInputとOutputのどちらを表示するかを選択します。
RMS:VUメーターの表示方法に影響します。有効にした場合、より人間の耳での聴こえ方に近く表示します。
0VU Ref:モニタリングアベレージレベルを調整します。例えば-18dBに設定した場合、-20dBの信号はVUメーター上では-2dBで表示されます。
Soft Clip:ソフトクリップのOn/Offを切り替えます。Onにした場合、0dBを超えたシグナルをスムーズにリミットします。
Midi Activity:MIDI信号を受信した際に点灯するインジケーターです。


Serviceパネル詳細

Lowerパネルの更に下にServiceパネルがあります。

Serviceパネルクローズ

Serviceパネルが閉じている場合にはパネル内左上の三角マークのボタンをクリックして表示します。

img_uhe15-3

ServiceパネルはTape、Repro Head(s)、Analyzer、Circuitの4ブロックに分かれています。
各機能は以下の通りです。

Tape

Hiss:テープヒスのレベルを調整します。2トラックテープマシンのようなステレオヒスです。(ヒス=シューというノイズ)
Auto Mute:HissとAsperityの設定に関係なく、インプットシグナルが途絶えるとテープノイズをミュートします。
Asperity:テープマシン特有のサウンドのザラつきをコントロールします。
Crosstalk:クロストーク量を調整します。(クロストーク=左右のトラックの音声が混線するアナログテープ特有の現象)
Wow&Flutter:テープマシンの高音部及び低音部の回転ムラによって生じる揺らぎを調整します。
Bias:テープのレスポンスカーブを調整します。

Repro Head(s)

Gap Wigth:リプロヘッドと磁気テープの距離を調整します。
Bump:ローフリケンシーレスポンスの量をコントロールします。
Azimuth:アジマス調整を行います。(アジマス=ヘッドとテープの垂直角度)

Analyzer

Analyzerは周波数レスポンスを継続的に測定します。
右クリックすることで表示方法を変更することができます。

img_uhe15-4

Circuit

Rec/Repro EQ:それぞれプルダウンメニューでFlat、IEC 7.5 ips、IEC 15 ips、NAB、AES 30 ipsから選択可能で、Repro EQにのみSame as Rec(Rec EQと同じ)オプションがあります。
Headroom:ヘッドルーム・マージンを設定します。デフォルトが9dBで調整幅は0dBから18dBまで。

Serviceパネルはソースによっては効果が判りづらくマニアックな印象すら持ってしまいますが、『ありとあらゆるテープ・レコーダーを研究し、ソフトウェア上でテープ・シミュレーションをすることに情熱を注いだ』という看板に偽りなしなソフトウェアだと思います。

Hissノブを上げていった時のノイズは通常は取り除いておきたいものですが、なぜかほっこりした気持ちになりつつ今回はここまで。

SATINその3ではLowerパネルの各モードについての解説を行います。
最近はテープレコーダーを知らない人や実物を見たことがないという人もいると思いますが、そういう人にも触れていただきたいSATINは製品ページからデモバージョンのダウンロードが行えます。

興味が湧いたという人は是非ダウンロード/インストールして試してみてくださいね。

それではまた次回!

Satin

テープ・マシン・エミュレータ