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【連載】Sugar Bytes幕の内連載その35

Sugar Bytes社のエフェクトは個性的なものが多く、その中にEFFECTRIXというものがあります。

ステップシーケンスでエフェクトを掛けるタイミングを制御するというニュアンスのソフトで、シンプルな操作であるジャンルでは特に劇的に作業を減らしてくれる頼もしいエフェクトユニットです。

EFFECTRIXの詳細は以前の解説記事と、メーカーのデモビデオが判りやすいです。

今回はEFFECTRIXの各エフェクトの詳細を紹介してみたいと思います。


 

EFFECTRIXのエフェクト詳細

シーケンス左の14種類のエフェクト名称をクリックすると、最下段がそのエフェクトの詳細に変化します。

エフェクト表示内の右端にはすべてのエフェクト共通のメニューがあります。

エフェクト共通メニュー

上にエフェクトのプリセット。
名称をクリックしてプルダウンメニューから選択するか、左右の三角ボタンで順送り逆送りします。

ATTACK、MIX、RELEASEはエフェクターのミックスバランスと、効果の時間軸を調整します。

EFFECTRIXはステップシーケンスでエフェクトを制御するので、例えば正確に各小節の1拍目に1/16の長さでビットクラッシャーを掛けるというようなことができますが、ATTACKとRELEASEを調整することで、ステップシーケンスを入力後徐々にエフェクトが掛かって、エフェクトを解除後は徐々に効果が消えるというような設定ができるようになります。

リバーブなどでエフェクト解除時にバシッとエフェクトが切れるのではなく、残響を自然に残したい時などにRELEASEを少し長めに設定したりすると良いですね。

X-LOOP

X-LOOP

ループサイズとピッチに時間的な変化を与えるルーパー。

SIZE:ループ範囲のサイズを設定する。1/8から1/128Tまで。
ENVELOPE:100%に設定するとSIZEで設定した範囲をすべてループ、数値を下げるごとにループの後半を無音にして細切れのループになる。
SIZE CHANGE:12時方向から右に回すごとにループ範囲が徐々に大きく、左に回すごとにループ範囲が徐々に小さくなる
PITCH CHANGE:12時方向から右に回すごとにループのピッチが徐々に高く、左に回すごとにループのピッチが徐々に低くなる

LOOP

LOOP

一般的なルーパー

SIZE:ループ範囲のサイズを設定する。1/1から1/128Tまで。
X-FADE:ループの終わりにクロスフェードを掛けてサウンドをスムーズにする
SPEED:100%に設定してSIZEで設定した速さ、左に回すごとにループが遅くなる
DECAY:100%に設定してシーケンスの設定通りのループ、左に回して行くとループが徐々に衰退する

SCRATCHLOOP

Scratchloop

ループにスクラッチの効果を与える

SIZE:ループ範囲のサイズを設定する。1/1から1/128Tまで。
FWD SPIN:フォワード(通常再生方向)のスピードをコントロール。
FWD SLOPE:FWD SPINのスピードカーブを変更。スクラッチの様々な表現を再現する。
BWD SPIN:バックワード(逆再生方向)のスピードをコントロール。
BWD SLOPE:BWD SPINのスピードカーブを変更。スクラッチの様々な表現を再現する。

REVERSE

REVERSE

入力されたサウンドをリバースする

TIME:リバース範囲のサイズを設定する。1/1から1/128Tまで。
FADE:サウンドの終わりをスムーズにする。
DECAY:左に回して行くとサウンドが徐々に衰退する。

STRETCH

STRETCH

ループ範囲にタイムストレッチを掛ける

TIME:左に回すごとにサウンドをストレッチさせてサウンドを引き延ばす。
TEMPO-RELATIVE:ストレッチ後のサウンドをbpmに相対的にシンクさせる。
GRAINSIZE:オーディオ信号をストレッチする際のグレインサイズを変更する。
FADE:サウンドの終わりをスムーズにする。

VINYL

VINYL

もうひとつのスクラッチツール。スクラッチまたはストップの効果を与える

TIME:スクラッチまたはストップの長さを設定。
SIZE:スクラッチの幅を設定。STOP MODEが有効な場合は調整しない。
SLOPE:スクラッチのスピードカーブを変更。
STOP MODE:ストップモードを有効にする。

TONAL DELAY

TONAL DELAY

tonalize/synthesizeを使用したショートディレイ

TUNE:チューニングを指定。C0からC6まで。
FEEDBACK:ショートディレイのフィードバック量を調整。
WIDTH:ステレオイメージを調整。
HIGHPASS:ハイパスフィルター。
LEVEL:アウトプットレベルを調整。

STUTTER

STUTTER

サウンドにスタッター効果を与える

TEMPO:LEVEL/PANそれぞれのシーケンサーの1ステップの長さを設定する。
ATTACK:シーケンサーのステップ開始時のアタックタイムを設定する。
DECAY:ステップのフェードアウトタイムを設定する。

CRUSH

CRUSH

ビットクラッシャー/ディストーションエフェクト

BITCRUSH:ビットクラッシャー適用量を調整する。
SAMPLERATE:ビットクラッシャーのサンプルレートを調整する。
DISTORTION:ディストーション適用量を調整する。

FILTER

FILTER

同社のWOW2譲りの4タイプのフィルターを搭載。Vowelモードも搭載

CUTOFF:カットオフを調整。Vowelモード有効時はA, A:, AE, E, I, O, OE, UE, Uを選択。
RESO:レゾナンスを調整。
ENV PEAK:envelopeとenvelope followerそれぞれのピークを調整。
ATTACK:envelope/envelope followerのフェードインタイムを調整
RELEASE:envelope/envelope followerのリリースタイムを調整。
FILTERTYP:フィルタータイプを選択。(HP 24db,BP 24db,LP 24db,comb)
VOWEL MODE:Vowelモードの有効/無効。
ENV TYPE:envelopeとenvelope followerを選択。ソースに対するカットオフの時間軸の反応のタイプを変更する。

PHASER

PHASER

フェーザー。Sugar Bytes曰く古き良き70’sサウンド!

RATE:フェージングスピードを調整。4/1から1/128Tまで。
STAGES:フェーザーステージ数を設定。0から8まで。
DEPTH:フェージングサウンドのデプスを調整。
FEEDBACK:フェーザーのフィードバック量を調整。スイーピングの強度を調整する。
WIDTH:左右のフェージングオフセットを変更してステレオイメージを調整する。

CHORUS

CHORUS

クラシカルなでチューニングエフェクト

RATE:コーラススピードを調整。4/1から1/16まで。
DEPTH:コーラスサウンドのデプスを調整。
FEEDBACK:フランジャーサウンドを加える。
WIDTH:左右のスイーピングオフセットを変更してステレオイメージを調整する。

DELAY

DELAY

オーソドックスなテンポシンクディレイ

TIME:ディレイタイムを調整。1/1から1/128Tまで。
FEEDBACK:ディレイのフィードバック量を調整。
DIFFUSION:左右のチャンネルを調整して部屋の印象を操作する。
WIDTH:ステレオイメージの幅を調整。
DRY LEVEL:元のオーディオのレベルを調整。

REVERB

REVERB

オーソドックスなリバーブエフェクト

ROOM:ルームサイズを調整。
DECAY:リバーブサイズの長さを調整。
WIDTH:ステレオイメージの幅を調整。
HIGHPASS:ハイパスフィルター。
DRY LEVEL:元のオーディオのレベルを調整。

一般的なエフェクトと同様に、EFFECTRIX内でも例えばフィルター、フェーザー、コーラスなどはディストーションと組み合わせると効果がより強くなるなど、エフェクト同士の相乗効果が発生します。

EFFECTRIXに興味が湧いた方は製品ページからデモバージョンをダウンロード/インストールしていろいろ試してみてくださいね。

次回もこれまでのSugar Bytes紹介記事の補足解説を行なう予定です。
それでは今回はここまで!

Effectrix

究極のエフェクトシーケンサー