前回の記事から少し間があいてしまいました。
前回の終わりにこれまでこの連載で解説してきた内容の補完記事を書く予定だとお伝えしましたが、人里離れた山奥で隔離生活を行なっているうちにSugar Bytes社から新作ソフトウェア・シンセサイザーがリリースされたので、今回からそちらの解説連載を開始します。
今日現在(2016年6月13日)日本国内では発売前の見切り発車ですが、近日中に取り扱い開始予定ですので発売日、価格等についてはもう少々お待ちください。
Sugar Bytesの新作、その名はFactory
まずはメーカーのトレイラーをご覧下さい。
最後までソフトウェアのGUIが絵でしか登場しないという大胆なトレイラーですが、Factoryのサウンドを1分半に見事に集約していると思います。
Sugar Bytes待望の新作Factory(ファクトリー)は、これまでのポップなイメージのGUIから一変して、シックな雰囲気が漂っています。
Facrotyは比較的シンプルなメニューながら得られるサウンドの幅は広く、中でも動きのあるサウンドは面白いように思い通りに作れます。
画面上半分にオシレータ、ミキサー、フィルター、モジュレーションマトリクスが表示され、下半分はタブで表示を切り替えて使用します。
MODULATORS
SEQUENCER
ARPICULATION
EFFECTS
SETTINGS
具体的な機能解説は次回以降行なうとして、今回は全部飛ばしていきなり目を惹く機能を解説したいと思います。
MODULATION MATRIXってなんぞ?
Factoryを起動して始めに目がいってしまうのがモジュレーション・マトリクスなのではないかと思います。
何やら賑やかですね。
これは、左の縦一列がソース、下の一列がデスティネーションになっていて、それぞれの交差するポイントでモジュレーションの深さを設定すると、その設定に応じて丸っこいアイコンが表示されます。
丸っこいアイコンはモジュレーション・デプスと言われるもので、上下にドラッグして設定しますが、正の値を設定した場合には青く、負の値を設定した場合には赤く、値が小さいほど暗く小さく、値が大きいほど明るく大きくなります。
ソースやデスティネーションという言葉に馴染みのない方のために噛み砕いてお伝えすると、左のメニューで下の項目を操作するために、それぞれの交差するポイントにモジュレーション・デプスという丸っこいのを設定する』というニュアンスです。
例えば、シーケンサー1でフィルターのカットオフを、エンベロープ1でパンをコントロールしようと思ったら、それぞれの交差するポイントにモジュレーション・デプスを設定します。
デスティネーションの名称部分にあるXボタンをクリックして有効にすると、そのモジュレーションは効果のみミュートされます。
正の値、負の値というのは、おおまかに正の値ならソースの設定のまま、負の値ならその反転と捉えて良いと思います。
ソース/デスティネーション共に名称をクリックすると、内容を変更することができます。
ソースの上2段のみオレンジで表示されているメニューがありますが、この2つには他6個のソースの内容に加えてオシレーター等のオーディオソースを選択することができます。
モジュレーション・マトリクス左下にはソース/デスティネーションそれぞれ個別のランダマイズボタンがあります。
Sugar Bytesファンの方にはお馴染みのサイコロコロコロですね。
このランダマイズは、ソース/デスティネーションで設定するメニューのランダマイズです。
モジュレーション・マトリクスのランダマイズはもう一ヵ所、モジュレーション・デプス全体のランダマイズを行なうものがあります。
これもサイコロですが、こちらはクリックではなく上下にドラッグして適用量を決めます。
サイコロの目が1から6に向かってクルクルと回って行きつつ、モジュレーション・デプスがランダム設定で増えて行きます。
モジュレーション・マトリクスはLFOやエンベロープ、ステップシーケンスなどと組み合わせることで動きのあるサウンドをとても簡単に作れますが、更にモジュレーション・デプス全体または一部をモジュレーションする機能があります。
モジュレーション・マトリクス右のランダマイズのサイコロから下の機能を組み合わせて使用します。
まずはプルダウンメニューでモジュレーションの仕方を決めます。
Tweak:ノブを操作してモジュレーション・デプス全体の掛かり具合を微調整します。
Mutate:Tweakと同じようにノブを操作してモジュレーション・デプス全体の掛かり具合を微調整しますが、調整時の値がランダムに設定されます。
Target:モジュレーション・デプス全体の中の任意のひとつのみをモジュレーションします。
次にモジュレーション・デプスをモジュレーションするソースを決めます。
言葉がややこしくなってきましたが、モジュレーション・マトリクスで設定したモジュレーション・デプスをアフタータッチやLFOなど、任意の機能でコントロールするという機能ですね。
ノブは12時方向で変化なし。
右方向に回して正の値、左方向に回して負の値です。
最後にモジュレーション・デプスのランダマイズアイコンの上にある左向き三角アイコンでモジュレーション・マトリクス内の設定を初期化します。
Factoryは国内販売はまだ開始前ですが、Sugar Bytesウェブサイトでデモバージョンはダウンロード可能です。
興味を持ってくれた人は是非試してみてください。
次回からも引き続きFactory解説紹介記事をお送りします。
それでは今回はここまで!
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