u-he製品をアルファベット順に解説している本連載。
今回は前回のHiveその6に続いてZebra2その6の順番ですが、先月末に新たにRepro-1の国内での取り扱いを開始したので、アルファベット順のルールに従ってRepro-1のその1をお送りします。
Repro-1は実機シミュレート系のソフトシンセでは王道と言わんばかりのProphet-5をモノフォニック化したPro-Oneのシミュレートを行っているもので、見た目も極力近い仕上げですね。
Youtubeに公開されている動画を見ると、Repro-1を製作するに当たっての熱意がグイグイ伝わってきます。
GUI概要
Repro-1は大きく上部のコントロール・バー、中央のメイン・パネル、下部のKEYS / EFFECTSパネルに分かれています。
詳細に触れる前に一通り見てみましょう。
中央のメイン・パネルはコントロール・バーの左のボタンをクリックして表示を切り替えます。
SYNTHパネル
実機にはないオプションが加えられている部分が若干ある以外は『そのもの』ですね。
TWEAKSパネル
基盤でてきました!
ここではSYNTHパネルと同じくノブやスイッチの操作ができるほか、ジャンパーの操作やフィルターのモード変更などを行います。
SEQUENCERパネル
32ステップの2パターンまたは最大64ステップとして使用できるステップシーケンサーです。
ClockソースにKeyがあるお陰で64ステップという膨大なステップ数も有効に使えます。
PRESETSパネル
u-heらしいプリセットパネルですね。
Directoryで改装分けされたプリセットが表示され、選択したプリセットのインフォメーションが右に表示されます。
下部のKEYS / EFFECTSパネルは左側のタブで表示を切り替えます。
KEYSパネルにはキーボードの他に自由に割り当て可能なモジュレータがあります。
EFFECTSパネルにはポップでノスタルジックな雰囲気漂うエフェクトが用意されています。コンパクトエフェクターのような見た目なのがこだわりを感じますね!
コントロール・バー詳細
Repro-1のコントロール・バーはシンプルな構成になっています。
メイン・パネルの切り替えが左下にあります。
そのSYNTHタブのすぐ上、u-heのロゴをクリックすると他のu-heプラグインと同じくサブメニューが表示されます。
u-he社ウェブサイトへのアクセス、マニュアル(英語)の参照、サポート・フォーラムの表示とツイッター、フェイスブック、Youtubeチャンネルへのアクセスなどがあります。
コントロール・バー中央にはデータ・ディスプレイ。
現在のプリセット名称が表示され、名称部分をクリックすると現在のディレクトリ内のプリセットがプルダウン表示されます。
左右の三角ボタンで現在のディレクトリ内のプリセットを順送り逆送りできます。
更に左のインジケータはMIDIアクティビティで、MIDI信号を受信している場合に反応します。
データ・ディスプレイ右にはUndo、Redo、Saveのアイコンが並んでいます。
Undo:直前の操作を取り消し
Redo:直前のUndoを取り消し
Saveをクリックするとこれも他のu-heプラグインでお馴染みのポップアップが開きます。
プリセットに以下の情報を書き込んで保存することができます。
preset name:プリセット名称
preset description:プリセット詳細メモ
author name:プリセット製作者
preset usage:MW(モジュレーションホイール)がカットオフに割り当たっている、VL(ベロシティ)がダイナミクス(音量)をコントロールするといった情報を記載します
Saveの右にはHQとzzz。
HQ:ハイクオリティ・モードを有効にします。サウンド・クオリティが上がる分CPUの使用率も上がるので、注意が必要です。
zzz:Sleepy optionを有効にします。このモードが有効になっている場合、ノートを何も入力されていない時のCPU待機消費を下げます。
zzzの右にはMaster TuneとOut Put。
それぞれRepro-1のグローバルなメニューで、Master Tuneは上下1オクターブ、Out Putは12時方向で100で、0から200の数値で調整します。
コントロール・バー一番右にはコンフィギュレーション・ボタン。
これも他の多くのu-he製プラグインと同じく、クリックするとまずMIDIのラーニングモードに入ります。
この状態でコントロール・バー左下の切り替えページをクリックすると、TWEAKS、SEQUENCERページに切り替えてラーニングを続けることもできます。
割り当て方は極一般的な、GUI上で割り当てを行いたいノブやスイッチ(赤枠で囲われている部分)をクリック選択し、接続しているMIDIコントローラの割り当てたい場所のノブやスライダなどを操作してMIDI信号を送る方法です。
MIDIの割り当てはMIDI Tableで行うこともできます。
MIDI TableとPreferencesも多くのu-he製プラグインと共通の内容が多いです。
Addボタンで項目を追加して割り当てたい項目と操作するMIDI CCを選択するという方式ですね。
Preferencesボタンをクリックして設定画面を表示します。
Mouse Wheel Raster:使用しているマウスのホイールがRaster動作する場合、onにしておくことで最適化されます
Switch behaviour:スイッチをクリックする際の動作を、以下の3種類から選択します
drag:スイッチを上下にドラッグして操作します
toggle:クリックしてスイッチを切り替えます
iterate:クリックしてスイッチを切り替えます。値はクリックするたびに巡回します
Default Size:Repro-1のGUIサイズを70%から200%の間で変更できます
Gamma:GUIの明るさを5段階で調整できます
Text Antialiasing:テキストのアンチエイリアスを切り替える。通常はonのままですが、offにすることでテキストの読みやすさが改善する場合があります。
Base Latency:デフォルトでレイテンシーが16サンプルに設定されています。ご使用のDAWやオーディオI/Fのレイテンシーが16の倍数以外を用いる場合offに設定します。それ以外の場合でoffに設定した場合、オーディオに歪みが生じる場合があります
HQ Default:起動時にHQモードを有効にするよう設定します
MIDI Control Slew:ピッチベンド、モジュレーションホイール、アフタータッチやエクスプレッションなどのパフォーマンスコントロールのスムージングを調整します
Sleepy default:起動時にSleepyオプションを有効にするよう設定します
u-he製品はグローバルな操作に関する部分は共通点が多いので、ひとつ操作を覚えておくと他のプラグインも馴染みやすくてよいです。
切りの良いところで今回はひとまずここまで。
Repro-1その2ではSYNTHページから順番に詳細を紹介します。
Repro-1は製品ページからデモバージョンのダウンロード/インストールをして普段ご使用のDAW上で実際にお試しいただけます。
Pro-Oneサウンドを求めている人も、手持ちのサウンドをもう少し増やしたいという人も、是非一度試してみてください。
それではまた次回!