Hiveはまさにその名を表すかのようなGUIで、中央にいかにもHive!なセクションがあります。
ここはArpeggiator/SequencerとEffectsの表示を切り替えて使用します。
今回はArpeggiator/Sequencerについて紹介したいと思います。
Arpeggiator
まずArp/SeqとEffectsの切り替えは中央セクション内上部のラベルをクリックして行います。
Effectsラベル内右の電源ボタンをクリックすることで、Arp/Seqページが表示されている状態でもエフェクトをバイパスできます。
Arp/Seqページ内はザックリ上下に分かれていて、上がClockとArpeggiator。
下がSequencerです。
順番に詳細を見ていきましょう。
まずはClockから。
Clock
ここではArp/Seqのスピードに関する設定を行います。
Multiply以外は割とオーソドックスなメニューですね。
TimeBase:Arp/Seqの1ステップ分の基本の長さを1/4、1/8、1/16、1/32から選択します
Sync:ホストへのシンクのOn/Offを切り替えます。
Multiply:50%〜200%の範囲で調整し、TimeBaseが1/16の場合50%で1/8、200%で1/32というようにクロックが変化します。
Swing:スイング/シャッフルのかかり具合を調整します。
続いてArrpeggiator。
Arpeggiator
HiveのArp/Seqは、それぞれ独立してOn/Off可能で、どちらか一方のみ使用することも、それぞれの機能を同時に使用することもできます。
On/Off:アルペジエイターのOn/Offを切り替えます。
Octaves:アルペジエイターが使用するオクターブの範囲を設定します。最大4オクターブまで設定できます。
Frame:ClockのTimeBaseに対してアルペジエイターのスピードを変更することができます。
値は1x、2x、4x、8x、16から選択可能で、1xの時TimeBaseのテンポ、2xでTimeBaseの1/2のテンポ、4xなら1/4、8xなら1/8という具合に遅くなり、シーケンサーと同時に使用してコードを入力した場合、8xに設定していたならシーケンスが8ステップ進むごとにアルペジエイターが次のノートに進むということになります。
Direction:以下の6種類からアルペジエイターがコード入力したノートを発音する順番を選択します。
Played:実際にノートを入力した順番で発音します
Up:入力したコードの低いノートから高いノートの順番で発音し、最も高いノートの次は最も低いノートに戻って繰り返します。
Down:Upの逆で高いノートから低いノートに向かって発音します。
up+dn 1:入力したコードの最も低いノートから高いノートに向かって発音し、最も高いノートの次は最も低いノートに向かって戻ります。
例)CEGと入力した場合
C E G E C E G E…
up+dn 2:up+dn 1と同じですが、最も高いノートと最も低いノートは折り返す際にもう一度発音します。
例)CEGと入力した場合
C E G G E C C E G G E…
Order:オクターブを1以外に設定している場合、次のオクターブに移動する際のアクションを以下の4種類から設定します。
serial:Directionの設定の動作が終わると次のオクターブに移動します。最も上のオクターブの次は初めのオクターブに戻って動作を繰り返します。
例)オクターブを3、Directionをupに設定している場合にC1E1G1と入力した場合
C1 E1 G1 C2 E2 G2 C3 E2 G2 C3 E3 G3 C1 E1 G1 C2 E2 G2 C3 E2 G2 C3 E3 G3…
round:serialと同じ動作で最も高いオクターブの動作後、オクターブを順番に戻ります。(オクターブで3または4が選択されている時のみ)
例)オクターブを3、Directionをupに設定している場合にC1E1G1と入力した場合
C1 E1 G1 C2 E2 G2 C2 E2 G2 C3 E3 G3 C2 E2 G2 C1 E1 G1 C2 E2 G2…
leap:入力したコードの連続するノートをオクターブを切り替えながら発音します
例)オクターブが3、Directionがupに設定されている時C1 E1 G1と入力した場合
C1 E2 G3 C1 E2 G3…
repeat:入力したコードをDirectionで設定している順番で、ノートごとにオクターブをジャンプして次に進みます。
例)オクターブが3、Directionがup+dn 1に設定されている時C1 E1 G1と入力した場合
C1 C2 C3 E1 E2 E3 G1 G2 G3 E1 E2 E3 C1 C2 C3
Restart:アルペジエイターがDirectionの設定に従って発音する際、Restartで指定した回数ノートが発音したら初めに戻ってアルペジオを繰り返す。
none(リスタートなし)、4から10、12、14、16、24、32から選択できます。
Hiveのアルペジエイターはよくある平凡なアルペジエイターかと思いきや、入力するコードの構成音の数と、Orderの設定やRestartの設定の組み合わせで、ありふれたコードからでも複雑なフレーズが飛び出したりするので、是非試してみてもらいたい機能のひとつです。
Hiveの製品ページからデモバージョンのダウンロード/インストールが可能なので、Hiveをお持ちでない方も是非!
Sequencer
いかにもHive!な下半分はSequencerです。
Hiveのシーケンサーはステップシーケンサとしても、ステップモジュレータとしても使用できます。
順番に機能を見てみましょう。
モードセレクターでステップシーケンスの動作を選択します。
Off:ステップシーケンサを使用しません
Modulator:ステップシーケンサをモジュレータとして使用します。ノートを入力するとステップシーケンサはトリガーされますが、ノートは演奏したままの状態でステップシーケンスの影響を受けません
Play:ノート入力でステップシーケンサをトリガーします
Record:ノートを入力してステップシーケンサのトランスポーズとベロシティを設定します
Recordを有効にしてノートを入力する場合、特定のノートがルートに設定されているのではなく初めに入力したノートが0に設定されるので、特に難しいことを考えることなく単音のフレーズを順番に弾いていくと、そのフレーズが記録されることになります。
ただし、タイや休符は後からベット設定する必要があります。
Stepsの数字をクリックして、ステップシーケンサのステップ数を設定します。
2〜16ステップから選択可能です。
Modulation MatrixでSeqGateを使用する場合、Attackで各ステップの効果のフェードイン、Decayで効果のフェードアウトを設定します。
Gateは各ステップの長さを調整します。
ステップシーケンサは8ステップずつ2段に分かれて表示されます。
各ステップの一番上はGate。クリックするごとにオン、タイ、休符を切り替えます。オンは明るいドット、タイはアーチ状のマーク、休符は暗いドットで表します。
タイは次のステップへのタイではなく、Gateノブでステップの長さを短くしている場合にタイを有効にしたステップのGateを100%にします。
特にGateノブを割と低めに設定した場合、アクセントのように使用できます。
各ステップはTrans、Vel、CCを個別に設定します。
Transはステップのチューニングで、+-24セミトーンの範囲で指定します。
VelとCCは0から100の値を上下にドラッグして設定します。
Velはベロシティ、CCはメニュー(上の画像でoffと表示されているところ)で機能を選択します。
CCはBreath Control、Expression、ModWheel、PitchWheel、Pressureから選択可能です。
CCの機能選択メニュー上のRotate左右の方向ボタンでステップシーケンス全体を左右にオフセットできます。ステップシーケンス全体のスタート位置を変更するというニュアンスですね。
ステップシーケンサを使用する場合、ベロシティの設定はシーケンス側のベロシティ設定を有効にするため、ノート入力時のベロシティは無視されます。
ステップシーケンス下のDynamic Velocityをクリックして有効にすると、ノートのベロシティを反映するようになります。その場合はノート入力時のベロシティを100として相対的にvelの設定が適用されます。
最下段にはプリセットプルダウンメニューが用意されているので、気に入ったフレーズが作成できたら保存しておくことも、初めから用意されているプリセットのパターンを現在の音色プリセットに読み込んで使用することもできます。
ステップシーケンスではアルペジエイターよりも積極的にグルーブを作成できるので、Transを0のままゲートを操作すればアルペジエイターのリズムだけを変えることができるほか、Transでステップのピッチを変更してフレーズを作成したものとアルペジエイターを同時に使用すると、予測不能なフレーズを生み出すこともできます。
Hiveその7ではエフェクトについての解説を行う予定です。
それではまた次回!