Sugar Bytes製品を順番に紹介していくこの連載も今回で9回目。
ここ数回はエフェクト製品が続いているので、今回はインストゥルメントのラインナップから紹介してみたいと思います。
Sugar Bytes製品はそれぞれ特徴的な見た目のものが多く、遊び心溢れるポップな見た目が印象的です。
今回紹介するのは、そんなSugar Bytes製品の中で、逆に異質な見た目と言いますか、むしろ『普通』な見た目のシンセサイザーUNIQUE。
どんな感じにユニークなのか、早速解説を開始します!
まずは表面的な機能解説。表面的!?
UNIQUEを起動してみるとこのような画面になっています。
木製パネルの雰囲気からして往年のオーソドックスなソフトウェアシンセサイザーと言わんばかりですね。
少しシンセサイザーを触ったことのある人であれば、パッと見てすぐに機能を把握できるのではないかと思われるシンプルっぷりです。
各セクションはこのような感じで。
至ってシンプルですね。
まずUNIQUEはPolyとUnisonからモードを選択します。
Polyはオーソドックスな8ボイスポリ、Unisonは8ボイスを重ねて出力します。
各機能の詳細を見て行きます。
アルペジエイター
オシレータ1と2それぞれを個別にオン/オフ可能で、アルペジオのスタイルはアップ、ダウン、アップ&ダウン、ダウン&アップ、ランダムの5種類。
DOUBLEを有効にするとノートを倍にするので、UNISONとDOUBLEを同時に有効にしているとサウンドが太くなってもう大変。
他に特筆しておきたいのはSPREADで、このノブで複数出力しているサウンドのピッチをオフセットします。デチューンのような効果でサウンドに揺らぎを与えます。
オシレータ 1/2
選択可能なウェーブフォームはSAWTOOTH、TRIPLE SAW、PLUSE、TRIPLE FM、NOISEの5種類。
SAWTOOTH以外のフォームを選択した場合、オクターブ選択、デチューン、ADSRの共通パラメータの他に各フォームに特化したノブが出現します。
ミキサー
オシレータ 1/2のレベル、パンの調整のほかに各オシレータ毎にオートパンを設定できます。
オートパンはRATEで設定したスピードで左右にパンを降り続ける機能ですね。
フィルター
HIGHPASS 2POLE、BANDPASS 2POLE、BANDPASS 4POLE、LOWPASS 4POLE、COMB FILTERの5種類から選択可能で、更にVOWELモードを有効にすることで各フィルターをボウェルフィルターとして使用することもできます。
ソース(フィルターを操作する項目を何にするか)はENVELOPE、LFO、4STEP、PITCHBEND、MODWHEELから選択できます。
- ENVELOPE FILTER内のADSRの設定に従って動作します
- LFO FILTERに組み込まれたLFOに沿って動作します
- 4STEP カットオフを4つに分けて4STEP内のテンポとDIRECTION(アルペジエイターのスタイルのようなもの)に沿って動作します。VOWELモードを有効にしている場合、各ステップ毎にボウェルを設定できます
- PITCHBEND ピッチベンド信号でフィルターを動作させます
- MODWHEEL モジュレーションホイール信号でフィルターを動作させます
エフェクト 1/2
DELAY、REVERB、PHASER、LOFI、FILTERの5種類が使用可能です。
MASTER
マスターボリューム、サブオシレータ、ビブラートの調整をします。
VIBRATOノブでビブラートの適用量、RATEノブでビブラートの速度、FADEノブでビブラートのフェードインタイムを設定します。
ビブラートがフェードインしてくる設定が簡単に行なえるのは場合によってはかなり重宝しますね。
SUB OSCノブはサウンドにサイン波を付加します。
OCTでサブオシレータのオクターブを調整します。範囲は-1 OCTから+1 OCT。
鍵盤画像をクリックすることでもちろんサウンドの試聴が可能で、更に左でピッチベンドのレンジとモジュレーションホイールの設定を行なえます。
PITCH LFOがあるのが特徴ですね。
PITCH LFOを有効にすると、モジュレーションホイールを上げて行くにつれてON/OFFボタン下で設定したスピードでピッチを変化させます。
ピッチの変化量はSETTINGS画面内のPITCH LFO AMOUNTで設定します。
SETTINGSは画面右上、UNIQUEのロゴをクリックすることで表示します。
特徴的なところでフィルターとPITCH LFOをピンポイントで
表面的な機能をザザっと紹介してきました。
UNIQUEがどんなサウンドのシンセサイザーなのか?というのは製品ページのデモビデオやデモサウンドを視聴してもらうのが良いと思うので、ここではフィルターのソースやPITCH LFOなど、文章では伝わり辛そうな部分の解説動画を作成してみました。
ご覧下さい。
いかがでしょうか。
シンプルなインターフェイスでサウンドを操ってる感が気持ち良いシンセサイザーUNIQUE。
それでいて存在感のあるサウンドが特徴ですが、もちろんこれだけではないのです。
次回は引き続きUNIQUEの強力なモジュレーション機能についてご紹介します。
それではまた次回、お楽しみに!