さて、やってまいりましたSugar Bytes幕の内連載その20。
今回はCyclop集中解説その5です。
Cyclopはセンタースクリーンパネルの設定と各種ノブの組み合わせでサウンドメイクを行ないます。
前回までにウォブル・セッティング、モジュレーション・アサイン、FX シーケンサーとその関連ノブについて解説を行なってきましたが、センタースクリーンはどれかひとつのパネルというよりは組み合わせで使用することが多いです。
今回はそんな組み合わせの話しから初めてみたいと思います。
その前に、Cyclopについて興味のある方はCyclop連載開始時の記事から読んでみてください。
【連載】Sugar Bytes幕の内連載その16
Sugar Bytes社最新シンセObscurium…の前に、CYCLOP!あーえーてーCYCLOP!!
モジュレーションを割り当ててノブをグリグリする。そのノブをグリグリさせる件。
これまでの数回でウォブル・ノブやFXノブに設定を割り当ててサウンドを大胆に変化させる手順を説明しましたが、そのノブの動きを設定するメニューもセンタースクリーンにあります。
メイン・ノブ・レコーダーというメニューで、DAWソフトを使われている方には説明の余地もないほどに、明らかにオートメーションですね。
スクリーン下のアイコンでWOBBLE、AMOUNT、SOUND、FXを選択して個別にオートメーションを描くことができます。
それぞれのアイコンの機能は以下の通りです。
LENGTH:シーケンスの記録/再生時のスピードを決めます
MODE:キーを入力し続けた時にシーケンスをループするかを決めます
TOOLS:ペンのアイコンは144ステップ、クシのアイコンで16ステップで描画できます
Xボタン:記録したオートメーションを削除します
この他、描画スペースとWOBBLEからFXの選択アイコンの間にあるバーを左右にドラッグしてシーケンスの範囲を変更することもできます。
また、各ノブのレコードボタンを有効にしてレコーディングした場合もここに記録されるので、ノブでザックリレコーディングしてあとから微調整という使い方もできます。
以前の記事で書いた通り、デフォルト状態ではノブを操作しても何も起らないので、WOBBLE、SOUNDのそれぞれはモジュレーション・アサインのスクリーンを表示して、モジュレーションを割り当ててからグリグリしてください。
AMOUNTだけはWOBBLEのA/B切り替え、FXは別途専用のスクリーンがあるので、モジュレーションの割り当ては必要ないですね。
地味と見せかけてスタンダード・モジュレーターが熱い
モジュレーションアサインの画面の機能選択にはWOBBLE、SOUNDの他にENV、LFO、STEP SEQというのがあります。
ENVとLFOとSTEP SEQはスタンダード・モジュレーターの中にあります。
ENVは一般的なADSRに加えてH(HOLD)があります。
HOLDはATTACKの最大値からDECAYに移るまで最大値を維持する時間を設定します。
ADSRが何かが良く判らないという方はこちらの記事をご参照ください。
シンセヒーローへの道 Vol.3
エンベロープで感情を表現する
3つのボタンは以下の設定を行ないます。
VEL:ENVの設定にベロシティ値を反映します(ベロシティ最大でENVの設定、ベロシティが遅い場合はENVの適用量が少なくなります)
SINGLE:ノートをレガート入力している間、ENVの設定を引き継ぎます
MULTI:ノートをレガート入力している場合にも新しいノートでENVをリトリガーします(ノートを入力するたびにENVがスタートし直します)
LFOはRATEでLFOのスピードを設定、WAVEでLFOの波形を選択します。
2つのボタンの役割は以下の通りです。
ENV > AMP:ENVの設定でLFOの適用量を変更します
ENV > RATE:ENVの設定でLFOの速さを変更します
STEP SEQUENCERは16ステップ、16段階調整のステップシーケンサーです。
CLOCKのチェックでステップシーケンサーの走らせ方を変更できます。
Gater:FX Gater のクロックに同期します(GATERの設定ではなくクロック)
MIDI:ノートを受信するたびに次のステップに進みます
LFO:LFOの情報でステップを進め(戻し)ます
ENV:エンベロープの情報でステップを進め(戻し)ます
CLOCK:ステップシーケンサーに独自のクロックを設定します(1/8から1/128)
ステップシーケンサーのCLOCKは選択する項目によって結果が劇的に変わって面白いです。
特にMIDIはノートを入力する度にステップが進むので、ランダムのような効果でありながら、実は完全にコントロール下にあるというような不思議な効果を作り出すことも可能です。
これらの機能の組み合わせで、シンプルなサウンドからCyclopでしかありえないサウンドまで、自由自在に作り出して行くわけですね。
Cyclopでどんなサウンドが出せるのかについては、メーカー作成のチュートリアル動画に勝るものはないので合わせてご参照ください。
次回はその他の細かい部分とCyclop編総括の予定です。
それではまた次回。
お楽しみに!!