(2015/12/04)
これまで数回に渡ってSugar Bytesの以前の集大成とも言えるウォブルサウンド生成マシーン、Cyclopの解説を行なってきました。
今回は今まで紹介していない少し細かい部分のお話しをして、Cyclop編終了とします。
その前に、Cyclopについて興味のある方はCyclop連載開始時の記事から読んでみてください。
【連載】Sugar Bytes幕の内連載その16
Sugar Bytes社最新シンセObscurium…の前に、CYCLOP!あーえーてーCYCLOP!!
FX SEQUENCERとGATERのクロックはそれぞれ独立している
FXページを見るとFX SEQUENCERの上にGATERという部分があります。
32ステップのゲーターで、各ステップのゲートをクリックして開いたり閉じたりします。
ゲーターと聞いてピンとこない人は以下の記事内の動画で解説しているので見てみてください。
【連載】強烈ディストーションシンセRAW!!vol.8
あるジャンルにはなくてはならない機能、GATER解説
CyclopのゲーターはFX SEQUENCERとは独立したクロック設定が可能で、選択した値が1ステップの長さということになります。
例えば1/16に設定してステップをひとつおきにオンにした場合、8分のフレーズになるわけですね。
CyclopのGATER自体はシンプルなものなので改めて説明は不要だと思いますが、ここで合わせて覚えておきたいのが、前回解説したスタンダード・モジュレーター内のSTEP SEQUENCER。
STEP SEQUENCERを何の信号で動作させるか?というチェックでCLOCKというのがありましたが、あれはまさにこのGATERのクロックのことで、2箇所にあるクロックのうち、上のCLOCK設定に反応するのです。
FX SEQUENCERのクロックではないのでご注意を。
マスター・エンベロープ / マスター・エフェクト・セクション
ウォブル・ノブ下にマスター・エンベロープというセクションがあります。
Cyclopは一般的なシンセサイザーの操作感とはずいぶん印象が違うと言うかエンベロープの操作は強烈ですが、全体のエンベロープをひとまとめにしている部分があります。
それがこのマスター・エンベロープで、ATTACK、DECAY/RELEASE、GLIDE、VELOCITYのON/OFFがあります。
DECAYとRELEASEはひとつのノブで行う少し変わった方式で、中央右に回して行くとノートオフ後のリリースの長さを調整、左に回して行くとノートを入力し続けた場合のフェードアウトの長さを設定します。左に振り切るとブツっとブツ切りです。
GLIDEノブの下のスイッチは左に設定すると常にグライドが掛かり、右に設定するとノートをレガート入力した場合にのみグライドが掛かります。
FXノブの下にはマスター・エフェクト・セクション。
SUB OSC:
サブオシレーター。上下1オクターブの切り替えが可能で、エフェクトやフィルターを通らないベースを加える。
BASS:
ベースブースター。225Hz以下の帯域をブーストする。
STEREO:
サウンドに左右の広がりを与える。マニュアルによれば『位相の問題を避けるためディレイは使わず、サウンドを250Hzから4000Hzの間で8つに分割して左右のスピーカーに振分けています。 250Hz以下の低音域はセンターのままなので、重厚な低音成分を損なうことがありません。』とあります。何やらすごいですね。
DISTORTION:
AMP、DRIVE、DIST、DIODE、CLIP、SINE、1BIT、CRUSH、DIGITIZEの9種類のディストーションから選択可能。
マスターエフェクトとは言っても一般的なイメージとはずいぶん違って、サウンド全体に作用する最終段階の効果集と言ったところでしょうか。
といったところで、これまで6回に渡って紹介してきたCyclop編は今回で終了。
Cyclopは個性的なオシレーターやエフェクトがサウンドの要ですが、何と言ってもウォブル、ウォブル・アマウント、FX、サウンドの4つのノブがCyclopのCyclopらしさを引き出します。
ですので、MIDIコントローラの使用をなんとしても推奨したいシンセサイザーです。
動きを出さなくても魅力的なサウンドのCyclopですが、特にウォブル・ノブとFXノブは是非活用して欲しいと思いますので、コントローラを使用しない場合にもDAWホストのオートメーションなどを活用してCyclopらしさを引き出してください。
それではSugar Bytes幕の内連載Cyclop編はこの辺で終了します。
また次回。
お楽しみに!!