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Keiji TANABE meets Rob Papen “SynFeX”(前編)

SynFeX

はじめに

10数年前にダンスミュージックがより過激なシンセサウンドを使用してく中、自分でも何か新しいシンセはないかと探し当てたのがPredetorとBlueで、どれもプリセットの音色のほかにはない新鮮さがあったのを覚えてます。その後Robさんが日本に来た時のセミナーにも参加して彼のシンセに対する熱量の高さを知ってよりファンになりました。

現在のDAWでの制作はサンプラーで打ち込んでドラムパート作ったりするよりオーディオファイルを直接アレンジメントウィンドウに貼り付けるという方法がEDMやヒップホップのようなダンスミュージックでは主流だったりします。もちろんライザーサウンドやFXサウンドもその範疇ではないでしょうか?ただそういった曲のカラーを決める特徴的なサウンドは自身の楽曲にそのままフィットする事は少ないですよね?今回レビューするRob Papen「SynFeX」はインスピレーションのまま完璧にフィットするFXサウンドを作りあげる事が可能のプラグインシンセなのです!

SynFeXの中心的なパラメーターは大きく分けると「MOVEMENT」「SOURCE」「FILTER」「MOD」の4つです!もちろんリバーブやディレイ、LFOも大事ですが前述の4つを押さえればSynFeXは攻略したも同然です!それではそれぞれを解説していきたいと思います。

MOVEMENT

SynFeXの心臓部とも言えるMOVEMENTはライザーサウンドやFXのすべての動きをコントロールするパラメーターです一見してわかる下から上へ上がったり下がったりをここでデザインします!MOVEMENTの中央上部には動きのプリセットもあるのでそこを選ぶだけでもOKです。中央の丸?点?を引っ張って自在に動きを作り出す事も可能です。

MOVEMENT右上「SNAP TO」をプルダウンするとグリッドが選択できMOVEMENTの動きをテンポに同期する事ができます。そしてMOVEMENTの下部には何を?MOVEMENTで動かすかを決めるパラメーターが並びます。左下にはテンポシンクも可能なスピード(FXサウンドの長さ)を決める「SPEED」がその右側にフィルターやピッチや音量、パンをMOVEMENTでどれぐらいの量を変化させるかというパラメーターが並びます。一番右にはMOVEMENTの形を変化させる「UP SHAPE」「DOWN SHAPE」があります。

SOURCE

ソース、その名の通りSynFeXから出力される元のサウンドの種類を変えるセクションで「Noise」「Tuned Noise」「Synced Noise」「Wave」「Sample」が選べます。そして「Sample」は内臓のものだけではなくユーザーサンプルも使う事ができるのでよりオリジナリティの高いFXサウンドが簡単に作れます!

FILTER

フィルター特性の違うハイパス/ローパス/バンドパスからフォルマントフィルター、リングモジュレーション、コムフィルターと多彩なフィルターオプションがありその他パラメーターにはシンセサイザーでは同じみのカットオフフリケンシーやレゾナンス等が並びます。このフィルターを何で変化させるか?というKEY、VEL、MOD WHL、LFOが並びます。

MOD

最後に「何」で「何のパラメーター」を動かすかを設定確認できる「MOD」です。直接SOUCEとDESTINATIONを入力して設定する事もできますが、一番簡単な方法は動かしたいパラメーター例えばフィルターのカットオフフリケンシーをLFOで動かしたい時にはカットオフのパラメーターにカーソルを持っていき右クリックでプルダウンメニューを出して「Modulated by Free LFO」をアサインすれば勝手に「MOD」パラメーターに設定されます。アサインできる「MOD」の数は最大4つで4つ使い切ると選択できません!

前編まとめ

さらっとご紹介しましたが基本SynFeXはこれだけです!(ちょっと乱暴?)4つの重要なパラメーターができたらあとはリバーブやディレイでよりド派手なFX/ライザーサウンドに仕上げていきましょう! 次回後編は実際の楽曲の一部にSynFeXをフィットさせて入れ込む手順を解説して行きます!!


田辺恵二

作編曲家

1991年
Charaのデビューアルバム [Sweet]にシンセプログラマーとして参加

1993年
古内東子のデビューアルバム、及川光博やゴスペラーズのアルバム、ツアーに音楽監督、作編曲家として参加

以降、SMAP、浜崎あゆみ、柴咲コウ、岡本真夜、AKB48、SKE48に楽曲提供

2002年、2006年に日本レコード大賞金賞受賞(編曲)。2021年【映画ゾッキ】サウンドトラック(プログラミング、録音)。2022年には中国ネット映画【狂虎危城 Mutant Tiger】劇伴(作編曲、ミックス)

現在は作家活動の他、ネットTV、MCやラジオパーソナリティ等、他分野にも精力的に活動中