(2014/08/05)
これまでのクリップランチャーパネルやアレンジメントタイムラインを使用して作曲やライブパフォーマンスを行う際の設定やテクニックをご紹介してきました。
ここ数回はEQについて触れてみましたので、EQといえばミックス。ミックスといえばミキサーということで、今回はBITWIG STUDIO 1.0のミキサー画面について紹介したいと思います。
ミキサーの表示方法
呼び出し方については他のパネルと一緒に本連載第一回、【連載】BITWIG STUDIOで良い感じに音楽を作ろう!【1】でショートカットの解説を行っているのでご参照いただくとしてですね、連載一回目でご紹介している通り、BITWIG STUDIOはミキサーの表示方法というか、表示場所を2パターン選択できます。
例えばメインディスプレイにアレンジャータイムラインパネルとクリップランチャーパネルを表示した状態で、左下に並んだ表示メニューでサブディスプレイをミキサーに選択(画像青枠)すると、上下分割した画面下半分がミキサーになります。
仮にサブディスプレイ(下半分)にミキサーを表示していない場合にも、メインディスプレイ左には各チャンネルが表示されているので、同じような操作は可能ですが、ミキサーパネルを表示した方が一度に参照できる情報が増えるので、何かと都合が良いことが多いです。
もうひとつは、メインディスプレイをミキサーにして、サブディスプレイで各種詳細を設定する方法です。
この表示方法の利点は各チャンネルのボリュームバランスやパン、エフェクトのセンド量などを調整しながら各チャンネルにインサートしたインストゥルメントやエフェクトの設定、ノートの編集などを総合的に操作できるところで、個人的にはこちらの方がずいぶん使用頻度の高い表示設定だったりします。
ミキサー内でのコンテナデバイス拡張表示
ミキサー繋がりで、ミキサー内での表示方法についてもうひとつ。
ミキサーというのはその名の通り、ミックスをする場所ですね。
ミックスに関わる作業は多岐に渡るので、ここでは仮に『音量バランスを調整する場所』としてみます。
すると、各チャンネル毎の音量をミキサー内のフェーダーで調整することになります。
この時、チャンネル毎の音量バランス以前に、チャンネル内での音量バランスが取れている必要がありますね。
言葉だとややこしいですが、BITWIG STUDIOにはプリインストールされているインストゥルメントの中に、サンプラーデバイスやひとつの入れ物の中に複数のインストゥルメントを挿入して同時に扱えるContainer(コンテナ)デバイスがあります。
すると、本来はミキサーの各フェーダーでボリューム調整を行いますが、それ以前にひとつのチャンネルの中に既にいくつかのインストゥルメントがいるという、いよいよややこしいことになります。
例えばこのコンテナデバイス。
※コンテナデバイスについての詳細は【製品紹介】ここが良いですよBitwig Studio 1.0【6】をご参照ください。
Instrument LayerのVibes Creature ARPというプリセットをロードしましたが、パッと見てサンプラーのFread Ass Vibraphone、Wooden Bells(Polysynth)、FM-4、Polysynthの4つのインストゥルメントが使用されているのが見えます。
この4つのインストゥルメントを同時に鳴らしてVibes Creature ARPというプリセットを作成しているのですが、各インストゥルメント毎のボリュームやパン、ソロやミュート、それから各インストゥルメント毎のエフェクトのインサートや設定が行えます。
これはサブディスプレイでデバイスパネルが表示されている状態であれば常に設定可能ですが、オートメーションを設定しながらミックスしている場合や、ノートの編集を行いながらミックスしている場合などで、デバイスパネルを表示していない場合は1度表示して設定することになります。
特に面倒というほどの手間ではないですが、ミックス中は何かをいじるとバランスが崩れて他の部分も調整するということの多い作業なので、インストゥルメントレイヤーの内部バランスと他のチャンネルのバランスも同時に設定したいというような場合もあります。
ここでミキサー内の表示方法についてですが、各チャンネルのヘッダー(チャンネル名称が表示されている部分)をみると、中には下向きの三角マーク(画像赤丸)が表示されているものがあります。
このマークはコンテナデバイスなどの、ひとつのチャンネル内に複数のインストゥルメントがいる場合などに表示されるボタンで、クリックすると拡張します。
画像はInstrument LayerのVibes Creature ARPのチャンネルの三角ボタンをクリックして拡張してみたところです。
サブトラックのような扱いなのでクリップ部分は何も表示されませんが、それ以外のエフェクトのインサートやセンド量の調整、ボリューム/パン/ソロ/ミュートなども個別で設定できます。
これならサブディスプレイでオートメーションやノートの編集を行いながらミックスしている時にも画面切り替えしないで済むので楽ですね。
ディスプレイの表示は作業効率に直結する部分なので、いろいろ試して良い感じに音楽制作を楽しんでください!
それではまた次回!!