(2014/07/29)
前回、連載17回目の中で、BITWIG STUDIOのミキサーにはEQがついていないので、目的や好みに応じてインサートして使用するという内容をお伝えしました。
その中でBITWIG STUDIOに標準搭載されている3種類のEQを紹介しましたが、最後にでてきたEQ-DJの『アイソレーターやキルスイッチのように使用することができる』とはどういうことか?というお問い合わせを受けたので、今回はその辺りをご紹介したいと思います。
ミックスという言葉の捉え方の違い?
例えば作曲家がミックスと言えば主にトラック同士のバランス調整の意味の場合が多いでしょうし、DJがミックスと言えば曲と曲を繋ぐというニュアンスが多いと思います。
それぞれの場合でEQの役割や使用方法も変わってきますが、アイソレーターやキルスイッチはどちらかというとDJに好まれる傾向にあるかも知れません。
※EQって何!?という方は【連載目次ミックス編】Mixcraft 6でミックスにチャレンジ!に判りやすい説明があるのでご参照ください!
EQが何かをざっくり言うと、ボリュームフェーダーが各トラックごとの音量バランスを調整するのに対して、EQは各トラックの周波数(バンド)毎の音量バランスを調整するということになると思います。
BITWIG STUDIOのEQ-2とEQ-5は、それぞれ2バンドと5バンドのパラメトリック・イコライザーですが、パラメトリック・イコライザーは周波数帯域の幅を調整して音量を変化させますが、バンド毎の周波数帯域同士がお互いに作用するため、仮にEQですべてのバンドのゲインを最小値に設定した場合にも、基本的にはトラックの音量はゼロになりません。
これに対して、EQ-DJはHigh、Mid、Lowの3バンドのEQなのですが、SPLIT FREQで設定した値で3バンドに切り分け、各バンドはお互いに干渉しない独立したイコライジングが可能になります。
EQ-DJでできること
実際にどのような効果があるのか、どのように使用するのかを見ていきます。
EQ-DJのインターフェイス(見た目)はとてもシンプルで、操作項目はLow、Mid、Highのノブとミュートスイッチ、2つのSPLIT FREQのみです。
SPLIT FREQの左側の数値でLowとMidを切り分け、SPLIT FREQの右側の値でMidとHighの数値を切り分けています。
各帯域を設定したらノブで音量を調整します。
一般的なパラメトリック・イコライザーとは異なり、EQ-DJは各帯域が完全に分離しているため、3つのノブを最小値にすると、完全に音がミュートされます。
各バンドをノブで調整する動作をアイソレーター、Mボタンでミュートする動作をキル・スイッチというように覚えてみてください。
実際にEQ-DJを試した動画を作成しました。
ご参照ください。
DJプレイ中にボリュームフェーダーとは別にLowを後からブレンドしたりする場合などにはもちろん、ボーカルにLowとHighをミュート(キル)でラジオボイスをサクッと作ったり、面白い使用法がたくさん考えられます。
いろんなアイディアを試して良い感じに音楽制作を楽しんでください!
それではまた次回!!
- 前回記事:
大変だっ!EQがないっ!
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