(2014/06/03)
前回クリップの長さの変更とループについてサラッとお伝えしましたが、その中で最後にデュプリケートについて触れました。
デュプリケート(duplicate/複製する)とは選択ノートや選択区間をコピーして直後にペーストするというコマンドなので、コピーとペーストを同時に行う分作業スピードはかなり速いです。
ただし、『直後にペーストする』という性質上注意しなければならない事もありますので、今回はその辺りのお話しをしてみます。
先にデュプリケートとは選択ノートや選択区間をコピーして直後にペーストするというコマンドと書きましたが、具体的にどういうことかというと、例えばこういうフレーズがあったとします。
このフレーズを2回またはそれ以上繰り返したいとして、cmd(winの場合はctrl)+Aで全選択後、cmd(winの場合はctrl)+Dでデュプリケートしたとします。
するとこのようになってしまいます。
パッと見『何が??』っていう話しですね。
元のファイルは2小節のループですが、フレーズの最後のノートは2小節目の4拍目の8分裏で終わっています。
この状態でノートのみ全選択してデュプリケートを行った場合、最後のノートの直後にペーストされるため、綺麗にループできない状態で繰り返すことになってしまうんですね。
このような状態にしないために、今回のようなケースではフレーズを考慮して2小節目の終わりまでの空間も含めてドラッグで選択後、デュプリケートを行います。
するとこのように綺麗にデュプリケートされるのです。
デュプリケート元のフレーズが小節の終わりまでノートが含まれている場合などではcmd(winの場合はctrl)+Aで全選択後デュプリケート、
そうでない場合にはドラッグで空白も含めて選択し、デュプリケートを行うと良いですね。
ノート単位でもクリップ単位でもOK!
デュプリケートの便利なところはノートやオーディオ素材に対してだけではなく、クリップそのものに対しても行うことができるところだと思います。
前回クリップの端を掴んでドラッグすることでループさせる方法を案内しましたが、その中で繰り返したフレーズを変更してバリエーションを作成する場合などではコピーする必要があるとお伝えしました。
するとクリップをコピーしてペーストすることになりますが、そのような時にはデュプリケートで一撃です。
アレンジャータイムライン上にあるクリップをクリックして選択した状態でcmd(winの場合はctrl)+Dでデュプリケートを実行します。
すると初めのクリップの直後にコピーされたクリップが登場します。
※ノートの時と同じように、クリップの長さが小節に合っていない場合綺麗にループされないのでご注意ください。
アレンジャータイムラインでデュプリケートを行った場合、バリエーションの作成後に複数のクリップをまとめておきたい場合があるかも知れません。
そのような場合はまとめておきたいクリップをまとめて選択し、cmd(winの場合はctrl)+Jでひとつのクリップに合体しましょう。
この操作をコンソリデート(consolidate/統合する)といいます。
コンソリデートを行っておくと、更にバリエーションを作成する場合やデュプリケート/ループさせる場合などなど便利なので是非覚えておいていただきたい機能のひとつです。
クリップランチャーでも良く使うんですよ。デュプリケート。
BITWIG STUDIOといえばアレンジャータイムラインとクリップランチャーの2つのシーケンサーを行き来できるのが強みですが、クリップランチャーでは特にフレーズのバリエーションを試す機会が多いです。
そして、もちろんアレンジャータイムラインのクリップだけでなく、クリップランチャーのクリップにもデュプリケートが使えます。
画像では3トラック目のシーン1にひとつクリップがあります。このクリップをコピーしてフレーズのバリエーションを作成したいとします。
この場合、クリップのコピー手順はいくつか考えられますが、すぐ隣りのシーンにコピーする場合の最良の手段はデュプリケートです。
対象のクリップを選択した状態でcmd(winの場合はctrl)+D。以上です!
すぐ横のシーン以外にコピーしたい場合はクリップを選択後従来通りのコピー&ペーストか、またはaltを押しながらドラッグするのが吉ですよ!
そんなこんなで細かい説明が続く本連載ですが、細かいことこそ手に馴染ませて良い感じに音楽制作を楽しんでください!
それではまた次回!!