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【連載】u-heはユーヘーでもウーヒーでもなく『ユーヒー』と読みますよ!vol.33

u-he製品をアルファベット順に解説している本連載。

今回は前回のBazilleのその5に続いてDivaの6回目です。

Diva解説はその1でプリセットの選択や編集方法、その2その3で5種類のオシレータ、その4で5種類のフィルターユニット、その5でエンベロープやLFO、Tuningやアンプの解説を行ってきました。

今回はMAINページの残りの機能から、まずGUI右下のEFFECTについての解説から開始します。

2系統5種類のステレオエフェクト

DivaのエフェクトはEFFECT 1/2の2系統のステレオエフェクトで、1から2に直列に接続されています。

DivaのEffect

EFFECT 1の効果が掛かった信号がEFFECT 2に受け渡されるので、同じエフェクトの組み合わせでも順番によって効果に違いが出ます。

選択できるエフェクトはEFFECT 1/2ともにChorus、Phaser、Plate、Delay、Rotaryの5種類です。

上の画像でそれぞれのエフェクト名称が表示されている部分でエフェクトを選択し、左のボタンでエフェクトをOn/Offします。

各エフェクトの詳細は以下の通り。

Chorus
Chorus

Type:Classic、Dramatic、Ensembleの3種類からタイプを選択します。Ensembleは特に豊かなサウンドを持ち、クラシックなストリングマシーンのサウンドを再現します
Rate:モジュレーションのスピードを調整します
Depth:モジュレーションの量を調整します
Wet:エフェクトのDry/Wetバランスを調整します

Phaser
Phaser

Type:Stoned、Flangedの2種類からタイプを選択します。Flangedを選択した場合、よりレゾナントでブライトなサウンドになります
Rate/Beats:モジュレーションのスピードを調整します。Syncが有効の場合数値を1.0に設定して1/4ノート、16.0に設定した場合は4小節周期になります
Depth:モジュレーションの量を調整します
LFO Phase:LFO波形の位相を変更します
Wet:エフェクトのDry/Wetバランスを調整します
Sync:LFOのスピードをホストに同期するかを選択します
Feedback:レゾナンスの適用量を調整します
Stereo:左右の音の拡がりを調整します

Plate
Plate

Dry:原音のボリュームを調整します
Wet:エフェクト音のボリュームを調整します
PreDelay:エフェクトが掛かり始めるまでの時間を調整します
Diffusion:反響が拡散する値を設定します。金属的な共鳴音をコントロールします
Damp:反響音が低周波より高周波が早く減衰する現象をエミュレートします
Decay:リバーブが消えるまでの時間を調整する
Size:バスルームから巨大な教会まで、リバーブのルームサイズを調整します

Delay
Delay

Dry:原音のボリュームを調整します
Center Vol:Centerディレイのボリュームを調整します
Side Vol:Left/Rightディレイのボリュームを調整します
HP:ハイパスフィルター
Left:Leftディレイのディレイタイムを設定します
Center:Centerディレイのディレイタイムを設定します
Right:Rightディレイのディレイタイムを設定します
Wow:テープディレイの回転ムラをエミュレートします
Feedback:ディレイのフィードバック量を調整します。100に設定した場合、ディレイは延々と繰り返します
LP:ローパスフィルター

Rotary
Rotary

Mode:Normal、SyncBass、NoBassの3種類からモードを選択します。Normalはhornとbassが独立して動作し、SyncBassはbassにhornが同期、NoBassはベースを使用しません
Mix:Dry/Wetバランスを調整します
Out:アウトプットレベルを減衰またはブーストします
Stereo:ステレオの拡がりをコントロールします
Balnce:hornとbassスピーカーの相対的なバランスをコントロールします
RiseTime:選択したコントローラに可変ラグを追加します
Conrtroller:RiseTime左のプルダウンメニューで可変ラグをコントロールする項目を選択します
Slow:Slowスピードを調整します。調整幅は10秒〜0.2秒
Fast:Fastスピードを調整します。調整幅は10秒〜0.2秒
Drive:ディストーションの適用量を調整します

Voiceメニュー

GUI中央下、TUNINGの下にはVOICEパートがあります。

VOICE
voiceメニュー

Mode:以下の5種類のモードから選択します

  • poly:ポリフォニック。発音数はVoicesで設定します
  • Mono:モノフォニック。各ノートはエンベロープをトリガーします
  • Legato:モノフォニック。レガート入力し続ける間リトリガーしません
  • Duo:デュオフォニック(スプリットボイス)。レガート入力時の発音を条件によって2つのオシレータに振り分けます

Poly2:ポリフォニック。新しいノートが入力されると直前のノートのリリースエンベロープがキャンセルされます

Note Priolity:MonoまたはLegatoが選択され、レガート入力した場合のノートの優先度を選択します

  • last:最後に入力したノートが優先されます
  • lowest:レガート入力時の最も低いノートが優先されます。低いノートから高いノートに向かってレガート入力した場合、最も低いノートのみ発音します
  • highest:レガート入力時の最も高いノートが優先されます。高いノートから低いノートに向かってレガート入力した場合、最も高いノートのみ発音します

Accuracy:CPUの消費率とサウンドの品質に密接に関わるオプションです。以下の4種類から選択します

  • draft:CPUに最も優しい設定です。ただしFMやレゾナンスが荒くなります
  • fast:CPUの能力が高くない場合やポリフォニックのボイス数を多く使用する場合に使用します
  • great:CPUの能力に余裕がある場合、サウンドクオリティとボイス数のベストバランスです
  • divine:最高品質です。ただしCPUの処理能力も最も必要となります

Offline Acc:選択したAccuracyによっては、ホストアプリケーションのオーディオレンダリング時に問題が生じる場合があります。このような場合にプラグインのステータスを受け渡すオプションをsameまらはbestから選択します。

Voices:同時発音数を選択します。2から8の各数と12、16から選択可能です

Stack:ユニゾン数を選択します。1から6までで選択可能です。TrimmersのStack Tuneで個別にデチューン可能ですが、高いCPU能力を必要とします

ClockとArpeggiatorメニュー

Mainページ最後はクロックとアルペジエイターです。

ClockとArpeggiatorメニュー

Clock:アルペジエイターで使用するクロックを指定します。1/4、1/8、1/16、1/32から選択可能です

Multiply:Clockで選択した値を増減します。Clockが1/8の時50に設定すると倍の1/4、200に設定すると半分の1/16というように変化します

Swing:アルペジエイターのシャッフルの値を設定します

Arp:ボタンをクリックしてアルペジエイターのOn/Offを切り替えます

Mode:アルペジエイターの動作を選択します。以下の6種類から選択可能です

  • played:ノートを入力した順番に繰り返します
  • up:コード入力時に低いノートから高いノートに向かって順番に演奏します
  • down:コード入力時に高いノートから低いノートに向かって順番に演奏します
  • up+dn1:upとdownを交互に繰り返し演奏します
  • up+dn2:upとdownを交互に繰り返しますが、最も高いノートと最も低いノートをリピートします
  • random:入力したコードの構成音をランダムに演奏します

Octaves:コード入力時に何オクターブ上まで演奏させるかを指定します。設定範囲は1から4オクターブです

Progression:次のオクターブをどのように演奏するか、以下の4種類から選択します

  • Serial:Modeで選択した内容を演奏後次のオクターブに進みます。3オクターブ以上に設定されている場合、最も上のオクターブから初めのオクターブにジャンプします
  • round:Serialと同じですが、最も上のオクターブを演奏後、1つ下のオクターブ、その下のオクターブというように行き来します
  • leap:コードの構成音を下からオクターブを切り替えて演奏します
  • Repeat:入力したコードの構成音を下のノートからオクターブを切り替えて演奏し、次のノートをオクターブを切り替えて演奏し、という動作を選択したモードの法則に従って繰り返します

Restart:選択した数値分演奏を行った後、アルペジエイターをリトリガーします

ProgressionのRepeatは文章ではややこしいですが、Modeをupに、Octaveを3、ProgressionをRepeatに設定して、『ドミソ(C1E1G1)』と入力した場合、ノートナンバーでいうとC1C2C3E1E2E3G1G2G3という順番で発音します。

合わせてRestartを8などの偶数に設定して上の例のようにコード構成音を奇数にした場合、リスタートするタイミングによってグルーブが生まれます。

Divaのアルペジエイターは古典的なものですが、以外と良い感じのフレーズが作れたりして面白ので是非試してみてください。

Divaをお持ちでない方は製品ページからデモバージョンをダウンロード/インストールして試してみてくださいね。

Divaその7ではMODIFICATIONSページの解説をおこなう予定です。

それではまた次回!

Diva

バーチャルアナログ・シンセサイザー