u-he製品をABC順に紹介している本連載。
今回は前回のDivaその5に続いて、Hiveのその4です。
Hiveはこれまでその1でプリセットやシンセエンジンについて、その2でGUIの配置やグローバルセクションについて、その3でグローバルセクションの続きとオシレータについての解説を行ってきました。
今回はフィルターやLFOなどについての解説から始めてみます。
FILTER 1/2
HiveのフィルターはOSCと同じように中央の印象的な六角形のセクションを挟んで左右に分かれて配置されています。
それぞれの機能を順番に紹介します。
プリセット:各フィルターの左上の青い三角ボタンをクリックすることでフィルターのプリセットを表示することができます。
予め用意されたプリセットの他、現在の設定をセーブしたり、コピーしてもう一方のフィルターにペーストしたりという使い方ができます。
Solo:各フィルター名称右のSボタンをクリックして有効にすると、そのフィルターのみをソロ(もう一方のフィルターをミュート)にします。
Input Selector:OSC1、SUB1、FILT1、OSC2、SUB2からフィルターに入力する信号を選択します。FILT1はFilter2にのみ表示されます。
Type:以下の6タイプ7種から選択可能です。
Bypass:フィルターをバイパスして使用しません。
Lowpass:低域を通過させ、高域を取り除きます。24 dB/octaveと12 dB/octaveの2種類から選択できます。
Bandpass:特定のバンドのみ通過させます。303スタイルのレゾナントサウンドに最適。
Highpass:高域を通過させ、低域を取り除きます。
Bandreject:Bandpassとは逆に特定のバンドのみを取り除きます。
Peaking:Bypassと似ていますが、レゾナンスが有効になっています。特定の周波数を強調したい場合に使用します。
Input Gain:NormalとDirtyモードではアナログフィルタの特性のように、ノンリニアディストーション量をコントロールします。Cleanモードでは単純にインプットレベルを上下します。
Cutoff:みんな大好きカットオフ。フィルターのカットオフ周波数をコントロールします。
Resonance:カットオフ周波数を強調させるインターナルフィードバックループの度合いをコントロールします。Normalモードと、特にDirtyモードではInput Gainの影響を強く受けます。
Volume:シンプルなフィルターのアウトプットボリュームです。
LFO:LFO1またはLFO2でカットオフをコントロールします。12時方向でオフ、右に回していくとポジティブ、左に回していくとネガティブで動作します。
MOD Env:MOD Env1または2でカットオフをコントロールします。12時方向でオフ、右に回していくとポジティブ、左に回していくとネガティブで動作します。
KeyTrack:MIDIノートでカットオフをモジュレーションする量を設定します。MIDIノートはE2が中心になります。
LINK:Filter1部分にありますが、FilterのみでなくOSC、Filter、LFO、エンベロープ(AMP/MOD)の値をリンクし、同時にコントロールするように設定します。
コントロールされる側のノブには『L』というマークが表示されます。
LFO/ENVELOPE
2つのLFOはFilterセクションの下、外側に配置されています。
プリセット:各LFOの左上の青い三角ボタンをクリックすることでフィルターのプリセットを表示することができます。
Unipolar:Waveform左の+ボタンをクリックしてPolarityを変更できます。
例)フィルターのカットオフをLFOでモジュレーションする場合で、カットオフを12時、モジュレーション量を100%に設定した場合。
Bipolar(消灯)の場合、カットオフは0%から100%で動作する
Positive(点灯)の場合、カットオフは50%から100%で動作する
Wave:LFOで使用するWaveフォームを8種類の中から選択します。
sine、triangle、saw up、saw down、sqr(square)hi-lo、sqr lo-hi、rand(random)hold、rand glideがあります。
rand holdとglideの違いは、次の値に移動する時に滑らかに移動するか、次の値にジャンプするか、です。
Unipolarwaveフォームの開始位置を変更します。
UnipolarSyncで設定したLFOの周波数のスピードを相対的に上下させます。
Restart:以下の4種類からLFOのリスタートの種類を選択します。
sync:すべてのボイスが同じLFOを共有します。LFOはホストのBPMにシンクします。
gate:ノート毎にLFOを開始します。
single:すべてのボイスが同じLFOを共有します。すべてのボイスがリリースされた後にノートが入力された際にリスタートします。
random:ノート毎にPhaseの位置をランダムにLFOを開始します。
Sync:8/1から1/64までの値の他、1s(1秒)と0.1s(秒)から選択できます。
左右のLFOの内側にはエンベロープがあります。
シンプルなADSRですが、オシレータのボリュームコントロールを行うAMPとフィルターの制御等に使用するMODに分かれています。
AMP、MODそれぞれにプリセット選択が用意されていますが、内容は共通です。
Trigger:以下の4種類からエンベロープのトリガー方法を選択します。
gate:デフォルトスタンダードのトリガー方法です。
one-shot:常にDecayタイムの終わりまでトリガーします。
LFO1/2:LFO1または2の値でエンベロープをリトリガーします。
Velocity:対応AMPまたはMODのエンベロープの掛かり具合をベロシティで制御する量を調整します。
Hiveに興味を持ってくれた方は製品ページからデモバージョンをダウンロード/インストールして試してみてください。
次回はModulation Matrixについての解説を行う予定です。
それではまた次回!
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