u-he製品をABC順に紹介している本連載。
前回Zebra2を解説したので、Aに戻って今回はACEのその4です。
ACEはその1でプリセット(パッチ)の操作方法など、その2でグローバルセクションやエフェクトについて、その3ではバーチャルパッチケーブルの基本とシグナルソースについて紹介してきました。
今回からはSynthページの各モジュールについて解説します。
2つのLFO
ACEのSynthページはこのようになっています。
ACEその2で紹介したトップメニューとその3で紹介したシグナルソースに挟まれて、中央にLFOやADSRなどのモジュールが並んでいます。
順番に見ていきます。
まずはLFOから。
LFO共通メニュー
frequency コントロール:選択したモードを0.00から24.00の範囲で値を調整します。
frequency モード:以下の5種類からモードを選択します。
- semi:最大24セミトーンピッチを上昇させます
- partial:最初の24オーバートーン
- subhrm:最初の24サブハーモニクス
- hertz:0から24ヘルツ。0に設定した場合は信号を出力しません
- sync:ソングのテンポに同期します
modifierアマウント:選択したモードを-50から+50の範囲で調整します。
modifierモード:以下の4種類からモードを選択します。
- Cents:+/-100セントの範囲でデチューン
- 5 Hertz:+/-5ヘルツの範囲でデチューン
- Beats:機能は5 Hertzと同様でホストにシンクする
- Multiply:乗算。-1.00〜-0.01までの間は1.00と解釈される
FMアマウント:FMインプットからのfrequencyモジュレーション量を調整します。
FMレンジ:以下の3種類からレンジを選択します。
- cents:+/- 100セント
- 5 semi:+/- 5セミトーン
- 50 semi:+/- 50セミトーン
FMインプット:FM変調に使用するシグナルを入力します。
オシレータリセット:MIDIノートオン信号でオシレータをリセットします。
LFO 1/2
共通項目以外のLFOの機能を見てみます。
縦に2つ並んだLFOのうち、上が1、下が2です。
LFO 1
s&h:Sample&Holdインプット。シグナルソース(例えばノイズなど)を接続するとSample&Holdモードが有効になります。
phase:リセット後のウェーブフォームのスタートポジションを設定します。
level:LFOの出力レベルを設定します。
pm/pm input:pmノブで直下のphase modulation inputに入力したシグナルの適用量を設定します。
m-wheel:ノブで直下のlevel modulation inputに入力したシグナルのレベルモジュレーション量を調整します。このノブの機能はデフォルトでモジュレーションホイールに割り当てられています。
LFO 2
waveform:sine、tri、saw、square、tap mapの5種類からLFOの波形を選択可能です。各波形の他、tap mapはtweakページ内のmapping generatorを使用します。
adsr2:ノブで直下のlevel modulation inputに入力したシグナルのレベルモジュレーション量を調整します。このノブの機能はデフォルトでADSR2に割り当てられています
Multiples
Multiplesはシンプルなmix/splitデバイスです。
4つのインプットを備え、左側のノブでインプット1/2に接続したシグナルのボリューム、右側のノブでインプット3/4に接続したシグナルのボリュームをコントロールします。
中央のインプットはBalance modulation input。これは接続したシグナルでインプット1/2と3/4のクロスフェードをコントロールします。
例えばADSRのアウトプットをBalance modulation inputに接続すると、ADSRの値で1/2と3/4のバランスを取り、他にもモジュレーションホイールやベロシティやLFOなど、様々な信号でチャンネル同士のバランスをコントロールすることができます。
MultiplesのインプットはVCOを繋いでも良いですし、LFOやADSRなどを繋いでも良いので、自由度が一気に上がります。
例えばLFO 1/2をそれぞれMultipleのinput 1と3に接続し、Balance modulation inputにmo-wheelを接続。
MultipleのアウトプットをVCFのcutoffに接続してみると、モジュレーションホイールを操作することで異なる速度のLFOでカットオフをコントロールできるようになります。
例えばVCO1/2を同じように接続してBalance modulation inputにADSRを接続すれば任意のエンベロープでクロスフェードさせるようなこともできますし、簡単に表現力が増す便利なデバイスです。
ACEに興味を持ってくれた方は製品ページからデモバージョンをダウンロード/インストールして試してみてください。
ACEその5では引き続き各モジュール解説を行います。
それではまた次回!