You are currently viewing 【連載】BITWIG STUDIOで良い感じに音楽を作ろう!【120】

【連載】BITWIG STUDIOで良い感じに音楽を作ろう!【120】

BITWIG STUDIOはバージョン1の時からNote Effectsが豊富でしたが、今回BITWIG STUDIO 2へのバージョンアップで更に6種類のノートエフェクトが追加されました。

ノートエフェクトというのは入力されたMIDIノートに対して効果を与えるもので、アルペジエイターなどもノートエフェクトの一種です。

BITWIG STUDIO 1のノートエフェクトについては以前解説したページがあるので合わせてご参照ください。

Note FXその1、Arpeggiator(アルペジエイター)。オーソドックスながらBITWIG STUDIO的なテクニックも!?

Note FXその2、便利な人には便利。必要ない人には…まったく必要ないかも知れないNote FX。

今回は追加された6種類のノートエフェクトを紹介したいと思います。

追加されたノートエフェクト6種類

Multi-Note
Multi-Note入力されたノートに最大6ノートを加えて7ボイスに変えます。

左から、ノートのOn/Off、ピッチ、ベロシティのオフセットで、縦に7段が各ボイスという仕組みですね。

画像ではすべてのノートがOn、1段目のピッチが0となっているので実際に入力したノートが発音しますが、ルートノートを変更してしまうこともできます。
ピッチは+-48セミトーンの範囲、ベロシティオフセットも+-48の範囲でオフセットされます。

使用するインストゥルメントの同時発音数にも関わるので、例えばモノフォニックのインストゥルメントではもちろん複数のノートは発音しないですし、同時発音数が2や4などの制限がある場合でその制限を超えた数のノートを発音することもできないということになります。

Diatonic Transposerのような、スケールやキーに対して効果がでるというものではないので、2オクターブ下、3オクターブ下などのノートをサブオシレータのように付け加えるというようなシンプルな使い方が合っているかもしれませんね。

Note Echo
Note Echo

入力されたノートに指定した回数、設定でエコーを加えます。

Note Echoは使い方によってかなり面白い効果が出せるのですが、少しややこしいので細かくみてみましょう。

GeneralMute Input Noteをクリックして有効にすると、生成されたエコーのノートのみ発音します。

Beat Sync音符ボタンを有効にするとビートシンク、無効にするとms(ミリセカンド)単位で時間を設定します。
ビートシンク中は1/16という部分を上下にドラッグしてシンクスピードを調整しますが、分母は16に固定なので、2/16が1/8、4/16なら1/4という具合ですね。

下のスライダーは左右にドラッグして設定した時間からのオフセット量を調整し、左方向で速く右方向で遅くなる方向にオフセットします。

RepetitionsRepetitionsのループアイコンをクリックして有効にすると、設定した間隔でノートをリピートし続けます。

ループアイコン右の数字は上下にドラッグしてエコーを繰り返す回数を指定します。
入力したノートは含まないので、ノートを1度入力してピッタリ8回発音させたい場合は7に設定するという具合です。


左側がエコーの音量レベルの上限、右側がフィードバックの音量変化を調整します。

いくつか例を挙げてみます。

例1)左側を100%、右側を0に設定した場合、入力されたベロシティとまったく同じベロシティで指定回数繰り返す
例2)左側を100%以上、右側をマイナスの値に設定した場合、エコーの1ボイス目が入力したベロシティよりも設定した%分大きく鳴ったあと、徐々に小さくなる
例3)例2の右側をプラスの値に設定値た場合はエコーの音量が徐々に大きくなる

上記例はインストゥルメントがベロシティで音量変化するように設定されている場合の説明です。

インジケータ黄色いインジケーターは現在リピート(エコー)中のノートの数に反応します。
ノートが何も入力されていない状態で最左部が点灯し、左から2番目が1になるので、リピート中のノートが4だったなら左から5番目が光ることになります。同時発音数の目安になりますね。

Monoボタンをクリックして有効にするとコード入力が不可になり、ノートリピート中に次のノートを入力した場合はあとから入力されたノートのみリピートします。

Stopボタンをクリックするとリピートを即座に停止します。Repetitionsのループを有効にしている場合はこのボタンを押すまでリピートを繰り返します。

RepetisionsRepetitionsディスプレイで現在のリピート状況を確認できます。
パルスで回数や音量をグラフィカルに表示します。

Time/Randomノートのリピートタイミングについての設定をします。
Timeの値を+方向に設定すると、リピートノートの間隔が徐々に長く(遅く)なり、-方向に設定すると間隔が徐々に短く(速く)なります。

Randamの値は0%から値を上げるとノート入力ごとにタイミングをランダムで変更します。100%でランダマイズ量最大で、間隔は長短含めた結果が発生します。

GateGateでリピートノートの長さを設定します。
値は-100%から+100%の間で設定し、-方向に設定するとノートが短くぶつ切りに、+方向に設定するとノートが長くレガートになります。

PitchPitch右の数値はフィードバックトランスポーズで、0以外に設定した場合、リピートノートのピッチが徐々に変化します。
+方向で上昇、-方向で下降で、数値が1の場合はクロマチック(半音階)で指定回数、2の場合は2セミトーン間隔というように、指定した数値ごとに均等にピッチを変更します。

少しややこしいので簡単な動画を用意しました。

レコーディング済みのインストゥルメントトラックに使用しても面白いですし、効果音の作成などにも重宝しそうなデバイスです。

Note Harmonizer
Note HarmonizerNote Harmonizerはプルダウンメニューで他のトラックのハーモニーソースとしてデバイスを選択して、インプットされたサウンドを元にハーモニーを生成します。

ただし、ハーモニーを自動生成するのではなく、Note Harmonizerをインサートしたトラックに入力するMIDIノートを、設定したPattern Keyとハーモニーソースのサウンドに基づいて変更します。

例えば別のトラックでPolysynthなどを使用してメロディーをレコーディングしてあるトラックがあるとします。

別のトラックでまたシンセをロードしたトラックにNote Harmonizerをロードして、ハーモニーソースにメロディーが入力されているトラックのPolysynthを選択し、Patern keyをメロディーのキーまたは相性の良さそうなキーに設定します。

ここでは仮にCだとして、この状態でメロディのアクセント部分や単調なCのみのホールノートを演奏すると、ノートを入力するごとにNote Harmonizerがノートを変更します。

意図しない面白いコード進行が飛び出したりするのでちょっと面白いデバイスです。

Note Latch
Note Latch3種類からモードを選択して使用します。

Simple:次のノートが入力されるまでノートをサスティン状態にします。
Toggle:一度入力したノートは次にもう一度同じノートを入力した際はサウンドを生成せず、その次に入力した時に発音するという、ノート入力ごとにノートオン/オフを繰り返すトグルモード。
Velocity:Thresholdで設定した付近のベロシティのノートが入力された時のみ発音します。

MonoとStopはNote Echoと同じく、入力ノートをモノフォニック化するスイッチと、Simpleでサステイン状態にあるノートを止めるためにしようします。

Note Length
Note Length入力されたノートの長さを設定した長さに変更します。

Note Echoと同じく音符ボタンを有効にするとビートシンク、無効にするとms(ミリセカンド)単位で時間を設定します。
ビートシンク中は1/16という部分を上下にドラッグしてシンクスピードを調整しますが、分母は16に固定なので、2/16が1/8、4/16なら1/4という具合です。

下のスライダーは左右にドラッグして設定した時間からのオフセット量を調整し、左方向で速く右方向で遅くなる方向にオフセットします。

TriggerはPressに設定するとノートオンで発音し、Releaseに設定するとノートオフ時に発音します。

VelocityのFixedを有効にすると、%で指定したベロシティに固定されます。

すでにレコーディング済みのトラックにインサートして試してみると不思議なフレーズに変わったりして面白いです。

Note Velocity
Note VelocityLow、Mid、Highのポインターを直接ドラッグ、または3つ並んだ対応するノブを操作して自由にベロシティカーブを設定します。

Randomノブを上げるとベロシティの値がランダムに生成されます。

Random右のノブはMidのポイントの左右の位置を調整します。

急激に立ち上がるベロシティカーブや、Mid付近が最も高い値を出力するカーブなど、様々なベロシティカーブをBITWIG STUDIO 2付属のデバイス、3rdパーティ製プラグインを問わず与えることができます。

BITWIG STUDIO 2は製品ページからデモバージョンをダウンロード/インストールできるので、これからDAWをこれから初めてみようと考えている人、乗り換えを検討中の人は試してみてください。

簡単な使い方はHELPメニュー内の日本語マニュアルと、本連載をご参照ください。

BITWIG STUDIOで良い感じに音楽を作ろう!もくじ

といったところで今回はこの辺で。
それではまた次回!!

BITWIG STUDIO 2

音楽制作とパフォーマンス