前回はBITWIG STUDIO 2の新機能、Modulation Systemに含まれるモジュレータを4-StageからClassic LFOまでの機能詳細を紹介しました。
今回も引き続きモジュレータを紹介します。
アルファベット順に紹介しているので今回はEnvelope Followerから。
4-StageからClassic LFOまではこちらを、Modulation Systemの共通メニューはこちらをご参照ください。
Modulation SystemのEnvelope FollowerからMIDIまで
Envelope Follower
オーディオ信号の入力が必須で、入力されたオーディオ信号のエンベロープを取り出します。
コントロールはシンプルで以下の通り。
Drive:上下にドラッグまたはダブルクリックで直接入力してEnvelope Followerに入力されるオーディオレベルを調整します
Attack:オーディオ信号のエンベロープに対するアタックタイムを調整します
Release:オーディオ信号のエンベロープに対するリリースタイムを調整します
Peak/RMS:入力されたオーディオ信号の検知方法をPeakとRMSから選択します
Amount:上下にドラッグしてEnvelope Followerの適用量を調整します
PeakとRMSについてはSLEEP FREAKSさんがとても解りやすい動画を公開されていますので、是非ご参照ください。
EXPRESSIONS
以下の4種の信号でコントロールします。
VEL:Velocity(ベロシティ)
TIMB:Timbre(右クリックメニューでTimbre is Relativeのチェックを外した場合はノートエディタのTimbreの値で動作)
REL:Release Velocity(リリースベロシティ)
PRES:Pressure(プレッシャー/アフタータッチ)
HW CV In
CVアウトを持つ機器からの信号を受けてモジュレータとして使用できます。
Input:プルダウンメニューからCV信号の入力に使用するオーディオI/Fのポートを選択します。
Gain:CVインプットのゲインを+-24dBの範囲で調整します。
Smooth:値を上げると入力された信号の電圧変化をなだらかにします。
Mode:入力するCVインプットに合わせてAC(交流)とDC(直流)からモードを変更できます。
KEYTRACK
AbsoluteとRelativeの2モードから選択可能で、ノートナンバーに応じて出力する値を変化させます。
Absoute
5ポイントのハンドルをドラッグして、出力する値を設定します。
Relative
Rootのポイントを左右にドラッグまたは数値を縦にドラッグして基準値を決め、Spreadのポイントまたは数値をドラッグして最大値と最小値を変更します。
Relativeでは最小と最大の値は固定されていて、キーの位置が相対的に変化します。
LFO
オーソドックスなLFOです。
Rate:プルダウンメニューで周波数の基準を選択し、ノブで調整します。
基準はHz、kHz、bar、2nd、4th、8th、16th、32ndから選択可能で、bar(一小節)を選択している時にノブを2.0に設定した場合2ndに、ノブを4.0に設定した場合は4thになるという具合です。
Shape:Formが12時方向に設定されている場合、Saw(上昇)とSaw(下降)のバランスを調整します
Form:LFOが使用する波形を変更します
Delay:LFOが掛かり始めるまでのタイムラグを設定します。最大8秒まで
Fade-in:LFOのフェードインタイムを設定します。こちらも最大8秒まで
Depth:LFOの効果の深さを変更します
Bipolar:+-ボタンをクリックして、LFOが中心を0として-100から+100%として動作するか、0から100%として動作するかを切り替えます
Retrigger:以下の4種類からLFOのリトリガー条件を選択します
Free:LFOは常に走っています
Note:ノートが入力されるたびにLFOはリトリガーされます
Sync:LFOは常にDAWホストに同期します
Rand:ノートが入力されるたびにリトリガーされますが、スタート位置がランダムで設定されます
Phase:LFOの開始ポイントを変更します
POLY:入力した複数のノートに対して個別にLFOを与えます。モジュレータを右クリックして表示されるメニューのPer Voiceと同じ効果です
Macro
Macroコントロール。
複数のノブをひとつのノブから集中コントロールできるようにします。
右上の+-ボタンはBipolarの切り替えで、0として-100から+100%として動作するか、0から100%として動作するかを切り替えます。
Bipolarの左の辺りをクリックすると名称が入力できます。
半角英数のみ対応の様子です。
Macro-4
ひとつのモジュレータに4つのMacroが含まれています。
それぞれのノブの下の辺りをクリックすると名称が入力できます。
Math
A/B2つのノブの値を計算した結果を出力します。
どのように計算するかをプルダウンメニューで選択します。
MUL:Multiply。AxB。掛け算なのでどちらかの値が0の場合何も起こりません
ADD:A+B
SUB:Subtract。A-B
MIN:AとBそれぞれの最小値
MAX:AとBそれぞれの最大値
Mathは他のモジュレータでそれぞれのノブをコントロールして初めて面白い効果を発揮するように思います。
たとえばA/Bそれぞれを周波数の異なるLFOでコントロールした場合、とても複雑な規則性をもった信号が生まれたりするので、Panやボリュームに使用したりすると一味違う不思議なトレモロ感を出したりできますよ。
MIDI
MIDI CCやプレッシャー(アフタータッチ)、ベンドなどの信号をモジュレータとして使用します。
Chan…:Channel。1から16のMIDIチャンネルを選択します
Mess…:Message。CC、PRESSURE、BENDから使用するMIDIメッセージを選択します。CCを選択した場合は下段のCCナンバーを縦にドラッグして選択します
Modulation Systemは音楽的な使用はもちろんですが、それそのものを触って試して、『どんなことになってしまうんだろう…』というのが楽しかったりワクワクしたりもする面白システムです。
BITWIG STUDIO 2をお持ちでない方は製品ページからデモバージョンがダウンロードできるので、試しにModulation Systemに触れてみてください。
次回Modulation Systemの残りのモジュールの解説をしつつ、引き続きBITWIG STUDIO 2の新機能をどんどん紹介していこうと思います。
といったところで今回はこの辺で。
それではまた次回!!
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