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【連載】READY 2 HUNT YOUR TRACKS! Predator2徹底解説!!Vol.9

RobPapen社最新キラーシンセサイザー、Predator2の解説を行っている本連載。

前回はModulation Matrixの詳細について紹介しました。

9回目の今回はRobPapen社製品ではお馴染みのアルペジエイターについて紹介します。

その前に、これまでの記事は以下のリンク先も合わせてご参照ください。

【連載もくじ】READY 2 HUNT YOUR TRACKS! Predator2徹底解説!!

アルペジエイター詳細

アルペジエイターも画面中央下、Multi-Pageにあります。

ARP

RobPapen製シンセサイザーのユーザーの方にはお馴染みの、アルペジエイター/ステップシーケンサーです。

Predator2でアルペジエイターを使う場合は、Play ModeをArpに設定します。

Play Mode

Arpに設定してノートを入力すると、すぐにアルペジエイター/ステップシーケンサーが走り出します。

アルペジエイターが何かを知らない人のために念のため簡単に説明すると、『ドミソ』とコードを入力し続けてモードがupの場合、アルペジエイターはドミソドミソドミソ…と繰り返します。

入力したコードをアルペジオ化して発音する順番は指定したモードによって変化します

順番に機能を見ていきます。

APRヘッダーメニュー

ACTIVE:アルペジエイターの有効/無効を切り替えます
STEPS:ステップシーケンサーのステップ数を設定します値は1から16まで
SPEED:ステップシーケンサーの1ステップ分の長さを設定します。1xで1/16ノート、2xで1/32ノート、1/2xで1/8ノート分の長さになり、1/4x、1/3x、1/2x、2/3x、1x、3/2x、2x、3x、4xから選択可能です
MODE:以下の13種類からアルペジエイターのモードを選択できます

Up:低いノートから高いノートへ順番に演奏します。最も高い音の次は最も低いノートに戻ります
Down:高いノートから低いノートへ順番に演奏します。最も低い音の次は最も高いノートに戻ります
Up/Down:低いノートから高いノートに向けて演奏し、最も高いノートを演奏後、Downの動作で最も低いサウンドに戻ります
Down/Up:低いノートから高いノートに向けて演奏し、最も高いノートを演奏後、Downの動作で最も低いサウンドに戻ります
Random:入力したコードの構成音の順番をランダムに演奏します
Orderd:入力したコードの構成音を、入力した順番で演奏します
Rev Orderd:入力した順番と逆に演奏します
Ordered Up/Down:入力した順でUP/DOWNの動作を行います
Ordered Down/Up:入力した順でDown/Upの動作を行います
Chord:ステップシーケンスのみ有効になり、入力したコードをリズミカルに演奏します
Mod:ステップシーケンスのFreeとVelocityをModulation Matrixなどでモジュレーションソースとして使用します
Sequencer:ステップシーケンスのデータに従って演奏します。このモードではコードは無視され、最後に入力したノートのみ発音します。ノートをレガート入力する間リトリガーを行いません
Sequencer Reset:Sequencerと同じ動作ですが、このモードではレガート入力した場合にも必ずリトリガーされ、ノートの入力ごとにステップ1から演奏します

OCTAVE:入力したコードの何オクターブ上までを繰り返すか設定します。1で入力したコードのみ、で最大4オクターブまで設定可能です

TIE MODE:シーケンスのステップでTIEが使用された際に、以下の4種類から動作を選択します

Normal:直前のステップの値を通常通り伸ばします(タイ)
Special:TIEを使用しているステップのslide、tune、velocity、freeを有効にし、レガートのようなニュアンスを作ります。
Toggle1/2:SpecialとNormalの動作を交互に繰り返します。数字は順番の違いで、1がNormal→Special、2がSpecial→Normalです

LOCK ARP:現在のアルペジエイターを固定し、プリセットを切り替えた場合も残すように設定します。Offで使用せず、Onで有効、Setを選択すると現在のプリセットにアルペジエイターを保存し、Lockを解除します

続いて下側のメニュー。

フッターメニュー

Predator2のアルペジエイター/ステップシーケンサーは最大16ステップでA/B2パターンを使用できます。A/Bは繋げて演奏することもできるので、最大32ステップとして使用可能です。

PLAYING:演奏するパターンを選択します。Arp A、Arp B、Joinから選択します
ARP A/B:編集するパターンを選択します
STEP LENGTH:ステップのゲートタイムを設定します。SPEEDで設定した1ステップの長さに対してノートの長さを縮めます極端に下げるとパツパツになります
SWING:スウィング(シャッフル)の値を調整します
SLIDE:シーケンスのSLIDEを有効にしたステップにポルタメントを適用する値を調整します。直前のステップとTUNEに差がない場合は効果がありません
LEL/KEY:シーケンスのVEL(Velocy)の値を優先するか、ノートを入力した際のベロシティを優先するかのバランスを調整します
HOST SYNC:DAWホストへのテンポシンクを行います
LATCH:有効にするとサステイン状態になりノートオフを無視します
KEY ENTRY:有効にすると入力したノートでシーケンスのTUNEを設定します。C3が0で1が半音なので、12がオクターブ上、-12がオクターブ下になります

CommandsCOMMANDS:クリックするとシーケンスのリセットやコピー、スワップ(A/B入れ替え)やアルペジエイター設定のセーブ/ロードなどのメニューが表示されます。

同じメニューはシーケンサーを右クリックしても表示できます

ステップシーケンサー詳細

ステップシーケンスは、ステップごとの音程やベロシティ、タイなどを設定して入力したノートにフレーズやリズムを与えます。

Step Sequencer

STEPSTEP:数字をクリックして消灯すると、そのステップはSPEEDで指定した長さの休符になります
すべてのメニューの表示が消えて操作できなくなります。

TIE
TIE:クリックして直前のステップをTIE(伸ばす)します。TIE MODEがNormalの場合はそのステップは何も操作できなくなり、Special、Toggle 1/2の場合は操作が可能になります

SLIDESLIDE:クリックして直前のステップからチェックしたステップへのポルタメントを有効にします

有効になっているステップはXマークが表示されます。

直前のステップとTUNEの値が同一の場合、または下段のメニューのSLIDEノブが上がっていない場合、効果は確認できません。

TUNE

TUNE:入力されたノートのチューニングを相対的にコントロールします

KEY ENTRYでも触れていますが0がルート、1が半音で12がオクターブなので、C2を入力した場合にステップのTUNEが0ならC2のまま、4ならE2、12ならC3ということになります。

TUNEで設定しているのはルートからの高低の数値なので、同じようにG4を入力した場合にステップのTUNEが0ならG4のまま、4ならB4、12ならG5ということになりますね。

調整幅は+-36(3オクターブの範囲)です。

VEL:ステップのベロシティを設定します。調整範囲は0から127で、下段のVEL/KEYをVEL側に振り切るとステップシーケンスのVELの値に従います

FREE:Modulation Matrixでステップシーケンスをソースとして使用する場合に設定します

OFFSET:ステップの発音タイミングを調整します。調整幅は-100から+100で-側に設定すると前方向へ、+側に設定すると後ろ方向にオフセットされます

RobPapen社シンセサイザーのアルペジエイター/ステップシーケンサーは、ひとつ覚えると他のソフトのアルペジエイターも共通点が多くすんなり使えるようになります。

以前RAWを使ってアルペジエイター/ステップシーケンサーを簡単に解説した動画があるのでご覧ください。

他にもKEY ENTRYで適当にTUNEを設定してSPEEDを3xや4xにしてみたり、STEPを2に設定してステップ1のTUNEを0、ステップ2のTUNEを12にしてみたりしても割と実用的で面白い効果が作れたりするので試してみていただきたいです。

Predator2は製品ページからデモバージョンをダウンロード/インストールして自分の環境で試すことができるので、興味を持ってくれた方は是非実際にPredator2を触って試してみてくださいね!

それではまた次回。