RobPapen社最新キラーシンセサイザー、Predator2の解説を行っている本連載。
これまで7回の記事で新機能や改善点を紹介してきました。
これまでの記事は以下のリンク先を合わせてご参照ください。
【連載もくじ】READY 2 HUNT YOUR TRACKS! Predator2徹底解説!!
8回目の今回はPredator1から大きく機能改善されたModulation Matrixの紹介から始めてみます。
Blue2と同等のModulation Matrix
Predator1のモジュレーションはSourceとDestinationと、コントロールする量をコントロールするamount controlのみの簡易的なものが8系統用意されていました。
これはこれで難しいことを考えなくても使いやすくて良かったのですが、Predator2では同じくRobPapen社製シンセサイザーBlue2と同等のModulation Matrixが採用されました。
画面中央下、Multi-PageのMODをクリックして表示します。
Predator2のModulation MatrixにはBasic ModeとAdvanced Modeの2つのモードがあります。
上の画像はデフォルトで開くBasic Modeのものです。
画像では8系統表示されていますが、スクロールすると20系統まで使用できるようになっています。
Basic Modeでは以下の4種類のメニューを設定/操作します。
BYPASS:クリックして有効にしたスロットのモジュレーション効果をバイパスします。
SOURCE:モジュレーション効果を操作するソースを選択します。
ソースはモジュレーションホイールやピッチベンドホイールなどはもちろん、特定のMIDI CCやENV/LFO/Pitch LFOやXYPAD、アルペジエイターのベロシティやFreeの値など、様々なものが使用できます。
DESTINATION:SOURCEで選択した項目で操作したいPredator2の機能を選択します。
メニューはOSCやXYなど、機能ごとに階層分けされているので割り当てたい機能がすぐに見つかります。
AMOUNT:SOURCEで選択したコントローラや機能でDESTINATIONで指定した項目をどのくらい動作させるかの量を決めます。
設定範囲は-100%から+100%までで、マイナス方向の値を設定した場合、コントロール信号が逆転します。
大雑把に例えてみると、SOURCEに割り当てたノブを12時方向にセットしている状態で、DESTINATIONに割り当てた項目も12時方向にセットしているとします。
この状態でAMOUNTを+100%に設定している場合、SOURCEのノブを右に振り切った場合DESTINATIONに割り当てた項目も右に振り切れ、SOURCEのノブを左に振り切った場合はDESTINATIONの項目も左に振り切ります。
逆にAMOUNTを-100%に設定した場合はSOURCEのノブを右に振り切った場合DESTINATIONの項目は左に振り切れ、SOURCEを左に振り切った場合はDESTINATIONは右に振り切るということになります。
DESTINATIONに割り当てる項目の値がどのように設定されていて、SOURCEでどのように操作したいかによって+-の値を使い分けることになります。
また、MODULATION AMOUNTをDESTINATIONに割り当てることもできるので、何かをSOURCEで操作しつつ、別のSOURCEで他のスロットのAMOUNTをコントロールして掛かり具合を変化させるというような設定も簡単に行えます。
Advanced Mode
Advanced Modeボタンをクリックして表示すると、Basic ModeにLOWER THRとUPPER THR、OFFSETの3項目が追加されます。
LOWER / UPPER THR(Threshold):SOURCEの信号でDESTINATIONをモジュレートし始める最小値側と最大値を個別に設定します。
割り当てるSOURCEによって設定する値が変化し、LOWER / UPPERの値が近づくほどコントロール信号の解像度が下がるイメージで、UPPERを100%、LOWERを80や90%などに設定するとSOURCEの信号が最大値付近になってようやく動き始めていきなりDESTINATIONが最大値になるスイッチのような設定もできたりします。
OFFSET:ベースモジュレーションレベルを設定します。
AMOUNTで設定したモジュレーション量の掛かり始めるポイントをずらすイメージです。
OFFSETは選択するSOURCEによっては設定できないものもあります。
Modulation MatrixはPredator2のサウンドを自在に操るために重要な位置を占めるページのひとつです。
例えばSOURCEにピッチベンド、DESTINATIONにエフェクトのMIXなどを割り当てて、ピッチダウンしながらディレイが深くなっていくような演出だったり、SOURCEにアフタータッチ、DESTINATIONにフィルターのカットオフを割り当ててキーボードを押し込むとフィルターが開くというような効果も簡単に設定できます。
Predator2は製品ページからデモバージョンをダウンロード/インストールして自分の環境で試すことができるので、興味を持ってくれた方は是非実際にPredator2を触って試してみてくださいね!
それではまた次回。