クラブミュージックに欠かせない「ファット」サウンド、第六感を刺激するプリセットや多彩な機能を搭載したキラーシンセ、Predatorに待望のバージョン2が登場しました。
Predatorは即戦力の使えるプリセットと多彩な機能で、プロアマ問わず多くのユーザーに使用されていますが、今回のPredator2ではPredatorの機能踏襲はもちろん、新たにパワフルな機能を多数追加されています。
今回から数回に渡って、RobPapen社最新ソフトウェア・シンセサイザーPredator2を徹底的に解説してみたいと思います。
まずは豊富なプリセットでPredator2を体感しましょう!
まずPredator2とPredatorのGUI(見た目)を見比べてみましょう。
Predator2
Predator
Predatorのイメージを引き継ぎつつ、パッと見て同じくRobPapen社のBLADEやRAWにも搭載されているXYパッドや、各オシレータのウェーブフォームの表示などの変更点に目が止まります。
他にもPredatorでは右下に位置していたプリセットメニューが、最近のRobPapenプラグインと同様にGUI上部にまとめられていますね。
RobPapen製プラグイン・シンセは即戦力なプリセットが豊富という定評をいただいているので、初めにプリセットセクションと、その流れでグローバルセクションについて触れておきます。
GUI上部左から。
オーディションボタン:押し続けている間、現在のプリセットのサウンドを視聴できます。
PRESET/BANK:Predator2はBANKという入れ物の中にプリセットが収録されているので、BANKを切り替えることでPRESETの中身が切り替わります。
PRESET/BANKそれぞれの名称部の左右の三角ボタンをクリックして順送り逆送りが可能で、名称をクリックすることでプルダウンメニューが表示されます。
PRESETプルダウンメニューはこのようになっています。
PRESET:現在選択されているBANKのプリセットが50個単位でカラム表示(カーソルを合わせると右に展開)されますが、すべてのバンクに256個のプリセットがある訳ではなく、プリセットが入っていないカラムは『———』のように表示されます。
Quick Browse:すべてのBANKが一覧できるので、任意のBANKからプリセットをカラム表示して選択できます。
Recently Browsed:Predator2を起動してからロードしたプリセットの一覧が表示されます。Predator2を終了すると消去されます。
Favoritesはお気に入りフォルダです。
以下のメニューが含まれます。
Add Current To Favorites:現在のプリセットをFavoritesに追加します。
Remove Current From Favorites:現在のプリセットをFavoritesから取り除きます。
Clear Favorites:Favoritesに追加したすべてのプリセットを消去します。
続いてSave/Loadメニュー。
Save Preset:現在のプリセットに加えた変更を上書き保存します。
Save Preset As:現在のプリセットに名前をつけて保存します。
Save Preset In Folder:現在のプリセットを場所を指定して保存します。
Rename Preset:現在のプリセットの名称を変更します。
New Preset:プリセットを新規作成します。
Load Preset:プリセットをフォルダからロードします。
セーブ/ロードの次はRevertメニュー。
Revert to Original Preset:プリセットのノブやスイッチを操作した後に、オリジナルの設定(保存されている状態)に戻します。
Revert to Edited Preset:オリジナルの設定に戻した後、エディットされた状態に戻します。
Default Preset:プリセットを保存されている状態に戻します。
Predator2にはPredatorのプリセットの引き継がれていますが、以前Predatorで作成したオリジナルのバンクやプリセットがある場合はコンバートメニューを使用します。
Convert Predator 1 Bank:Predatorで作成したバンクをPredator 2で使用できるようにコンバートします。
Convert Predator 1 Preset:Predatorで作成したプリセットをPredator 2で使用できるようにコンバートします。
Normal ScreenとBig Screenについては、Predator 2はバックパネルを操作してGUIの大きさや色を変更できますが、Predator 2はバックパネルを表示せずにBANK/PRESETプルダウンメニューからも操作できるようになっています。
バックパネルについては後述します。
PRESET/BANKメニュー右には4つのボタンがあります。
EDIT/ORIG:プリセットプルダウンメニュー内にあったRevertメニューと同じ機能で、プリセットをロード後にノブやボタンなどを操作するとEDITが点灯します。
ロード直後のサウンドと比較する場合にはORIGをクリックし、再度エディットしたサウンドを聴く場合はEDITをクリックします。
ECS:External Controller Setupの略で、クリックするとSave ECS、Load ECS、Clear MIDIのメニューが選択できます。
ノブなどを右クリックまたはPresetメニューからMIDIアサインしている場合にSave ECSを実行すると現在のMIDI割り当てがファイル化しておくことができます。
Load ECSではECSファイルをロードするので、異なる環境にインストールしたPredator2のMIDIコントロール情報を統一することができます。
Clear MIDIを選択すると、現在のMIDI割り当てがすべて消去されます。
4つのボタン右には縦2段のディスプレイがあります。
Predator2上でノブやメニューにカーソルを合わせた場合に、上のディスプレイに機能名称、下のディスプレイに値が表示されます。
ディスプレイ右にはMANAGER、EASY PAGE2つのページを表示するボタンがあります。
Managerを表示するとPredator2のGUIはこのように変化します。
このページではバンクやプリセットを一覧表示して、プリセットをまとめて他のバンクにコピーしたりセーブしたりロードしたりすることができます。
Easy PageをクリックするとこのようにGUIが変化します。
必要最低限の機能を見やすく使い易いようにレイアウトしたページですね。
Manager、Easy Pageの詳細はいずれ別の機会に解説します。
Globalメニューとチューニング指定
他のRobPapenソフトウェアと同じくPredator2もPredator2ロゴをクリックするとバックパネルが表示されます。
バックパネルではGLOBAL SETTINGSとPRESET TUNINGの設定が行えます。
GLOBAL SETTINGS
ここではPredator2全体に関わる設定やデザインについての設定を行います。
MIDI CHANNEL:Predator2のMIDIチャンネルを指定します。値は1〜16とOmni。
MIDI PROGRAM CHANGE:プログラムチェンジ信号を受けるよう設定します。
MIDI BANK CHANGE:バンクセレクト信号を受けるよう設定します。
EXTERNAL MIDI CONTROL CAPTURE MODE:有効にした場合、ラッチを掛けられるMIDIコントローラの信号を無視し、意図しない値のジャンプを防ぎます。
COMPUTER KEYBOARD UP/DOWN:MANAGERページでコンピュータのカーソルキーでプリセットを選択できるようにします。
PRESET CHANGED WARNING:エディットされているプリセットを別のプリセットに変更しようとした場合に警告を表示します。
BIG SCREEN:クリックしてPredator2を再起動すると、Predator2のGUIを拡大表示します。
ただし、Predator2は標準で1440 x 900の解像度が必要ですので、これより小さい解像度の環境でBIG SCREENを使用した場合、画面内にGUIが収まらなくなってしまいます。
この場合、再度バックパネルを表示してもBIG SCREENのチェックが画面外にあってクリックできないということになるので注意が必要です。
そのような場合はPresetプルダウンメニュー内のNORMAL SCREENをクリックしてPredator2を再起動することで復旧します。
WHITE SCREEN:クリックしてPredator2を再起動すると、GUIをホワイトバージョンに変更します。
デフォルト、ホワイトバージョンそれぞれは見た目の違いだけなので、好みで設定するようにしてください。
PRESET TUNINGSはPredator2全体のチューニングを行います。
デフォルトではA=440Hzに設定されていますが、クリックして直接数値を入力することで変更可能です。
TUNING SCALEはクリックして開くフォルダからArabicやIndianなど、チューニングスケールを変更できます。
RESETボタンをクリックするとデフォルトチューニングに戻ります。
キリのいいところで今回はここまで。
次回は強力に進化したオシレータについての解説を行いたいと思います。
Predator2に興味を持ってくれた方は製品ページからデモバージョンをダウンロード/インストールして試してみてくださいね!
それではまた次回。