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ハードウェアシンセサイザーを活用するためのMIDI知識 vol.8

前回に引き続きDAWベースの制作環境でM4U eX / M8U eXを使用する際の設定ポイントを紹介します。

今回はPro Toolsの場合について解説したいと思います。

Pro Toolsにおける設定のポイント(基本編)

最初にM4U eX / M8U eX(今回もM4U eXを使用)を使用するMacとUSBケーブルで接続したらPro Tools(バージョンは2020.3.0を使用)を起動します。基本的にPro ToolsにおいてもOS標準機能の「Audio MIDI設定」の設定が反映されます。ポートに接続されているシンセや他のMIDI楽器の台数の増減や接続変更などがあった場合には「Audio MIDI設定」を開いて修正を行なうと良いでしょう。Audio MIDI設定については前々回のDPの設定で解説した通りですので、そちらを参考にしてください。

さて、新規セッションをテンプレートを使用しないで作成した場合、編集ウインドウ上には何もトラックが用意されていませんので、まずはMIDIトラックを作成しましょう。メニューバーのトラック → 新規 と選択すると新規トラック作成のダイアログが開きます。

新規トラック作成を行なうメニューの位置。キーボードショートカットはシフトキー + コマンドキー + Nキーでも実行可能。

ここで、MIDIトラックを指定し、適宜トラック名を入力したら作成ボタンをクリックします。

作成するトラックの種類や詳細を設定するダイアログ。必要に応じて作成するトラック数などもここで設定可能。

編集ウインドウ上にMIDIトラックが作成されていますので、I/Oの部分でMIDIの入出力ポートとMIDIチャンネルを指定すればオーケーです。

MIDIトラックが作成された状態。黄色の枠線で囲んだ部分がMIDIのI/O設定部分となる。

ここでの設定は上がMIDI IN(入力元)、下がMIDI OUT(出力先)になっていますので、使用するデバイスのポートとMIDIチャンネルを設定しましょう。

MIDI OUTのポートを設定している状態。

MIDI INのポートを設定している状態。

それぞれポートを指定するとこのように表示される。

尚、Pro ToolsにおけるMIDIの設定は、比較的容易に行なえますが、Audio MIDI設定の状態を確認したい場合なども生じる可能性があります。その場合はメニューバーの設定 → MIDI → MIDIスタジオ と選びましょう。

MIDIスタジオを表示させるメニューの位置。

すると、直接Pro Toolsのメニューから直接呼び出すことが可能です。

表示させたAudio MIDIスタジオの状態。

仮にMIDIスタジオ画面が非表示状態だった場合には、Audio MIDI設定のメニューバーのウインドウ → MIDIスタジオを表示 と選べば表示されます。

Audio MIDIスタジオ画面が非表示の場合は、メニューバーのこの位置から選択すればオーケーだ。


内藤朗

キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIの様々なプロジェクトでのレコーディング、ライブなどに関わるなど、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。MIDIやDTM関連の分野では黎明期から今日に至るまで長きに渡り関わっており、多様な経歴を持つ。また、音楽制作系のライターとしても広く知られ、近著に「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ 音作り大全」(技術評論社刊)、共著「ミュージッククリエイターハンドブック 2023年改訂版」(ヤマハミュージックエンターテインメントホールディングス刊)などがある。有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会会員。