You are currently viewing ハードウェアシンセサイザーを活用するためのMIDI知識 vol.10

ハードウェアシンセサイザーを活用するためのMIDI知識 vol.10

今回はWindows環境におけるBitwig Studioを中心とした制作環境においてM4U eX / M8U eXを使用する際の設定ポイントを紹介したいと思います。

Bitwig Studio上のMIDI設定を覚えておくことのメリットとは?

Bitwig Studioは、どちらかというとループ素材やプラグインのインストゥルメントを使用して楽曲を組み立てていくのに特化したDAWですので、ハードウェア音源などの外部MIDI機器を使用する機会も少ないかもしれません。

しかしながら、ハードウェアのグルーヴマシンやハードウェアのシンセなどを採り入れるなど、環境を拡張していくことや映像機器などと演奏を同期させたい場合などもあると思います。

そのような場合にBitwig Studio上ではどのように設定を行なえば良いのかをこの機会に覚えておくと良いでしょう。

Bitwig StudioにおけるMIDI入力設定のポイント

最初にM4U eX / M8U eX(今回もM4U eXを使用)を使用するPCとUSBケーブルで接続したらBitwig Studio(バージョンは3.2.1)を起動します。

GUI上部中央にあるSHOW DASHBOARDボタンをクリックし、SETTINGSタブをクリックして選択します。

SHOW DASHBOARDボタンはここに配置されている。
DASHBOARDが表示された状態。表示させるには黄色の枠線で囲んだ部分を選ぶ。

以下の図のように

コントローラの設定を行なうためには黄色の枠線で囲んだ部分をクリックする。

左に並んでいる設定項目の中の“Controllers”を選んだら、“Add Controller”をクリックすると設定項目が表示されますので、適宜設定を行なったら“Add”をクリックします。

黄色の枠線で囲んだ部分をクリックするとコントローラが追加される。

続いてMIDIの入力ポートを指定します。

MIDIキーボードの入力ポートを設定するには黄色の枠線で囲んだ部分をクリックする。

図示した部分をクリックするとMIDIポートがリスト表示されますので、この中から使用するMIDIキーボードが接続されているポートを指定します。

MIDIキーボードの入力ポートを設定している状態。

ちなみに、MIDI入力にはRolandのA-49というMIDIキーボードを使用するのですが、A-49のUSB端子を使用してM4U eXの本体に装備しているUSBハブ端子に接続しています。

これによってM4U eXのMIDIポートを消費することなく、入力用のMIDIキーボード設定ができるワケです。

8ポートを全てMIDI OUTポートとして使いたい人はもちろんですが、今後MIDIポートを使用したい音源やコントローラが増えてくる予定のある人であれば、空きポート数に余裕があるとセッティングもスムースに行なえますので、USBハブの活用はオススメです。

尚、参考までにメイン画面左部のインスペクタ内では、図示した部分でMIDI入力ポートの設定を行ないます。

インスペクタ部分でMIDI入力ポートを設定するには黄色の枠線で囲んだ部分で行なう。
インスペクタ部分でMIDI入力ポートを設定している状態。

Bitwig StudioにおけるMIDI出力設定のポイント

実はワタクシも最初はMIDI出力をどのように設定して良いのかがわからずに、問題解決に至るまでにかなり時間がかかってしまいました。

設定方法がわかってしまえば、至ってシンプルに解決できるので、Bitwig Studioの作法として予め知っておくと良いでしょう。

Bitwig StudioではMIDI出力をInstrumentトラックから直接データを外部に出力することができないため、“HW INSTRUMENT”というデバイスを割り当てたトラックを作成し、そのデバイス上で出力するMIDIポート設定などを行います。

手順としてはメイン画面右にあるブラウザのDevicesからHW INSTRUMENTを選びトラックに割り当てます。

HW INSTRUMENTを割り当てたトラックは、ブラウザのDevicesからHW INSTRUMENTを選び、トラックのエリア、あるいはデバイスパネル上にドラッグ&ドロップすることで作成できる。

そのデバイスの中央上部にMIDI OUTのデスティネーションを選択する箇所があるので、図のように使用するMIDIポートを選択すればオーケーです。

作成したHW INSTRUMENTのデバイス上でMIDI入力ポートを設定している状態。


内藤朗

キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIの様々なプロジェクトでのレコーディング、ライブなどに関わるなど、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。MIDIやDTM関連の分野では黎明期から今日に至るまで長きに渡り関わっており、多様な経歴を持つ。また、音楽制作系のライターとしても広く知られ、近著に「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ 音作り大全」(技術評論社刊)、共著「ミュージッククリエイターハンドブック 2023年改訂版」(ヤマハミュージックエンターテインメントホールディングス刊)などがある。有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会会員。