(2015/02/03)
BITWIG STUDIOには特徴的なデバイス(インストゥルメントやエフェクトの総称)が多数含まれますが、先日BITWIG STUDIOユーザーさんとお話しする機会がありまして、XY Instrumentがイマイチどういうものか判らない、と。
マニュアルを確認したところ、XY Instrumentの項目は以下のように記載されています。
XY Instrument(XYインストゥルメント):(ノート入力、オーディオ出 力)最大4基のインストゥルメントを並列にロードでき、それらの出力をクロ スフェードできるコンテナです。
確かに。
これから始めようとする人には何が何やら判らない上に、説明短っ!!ということで、以前この連載を始める前、BITWIG STUDIO正式リリース前にも触れていますが、改めてXY Instrumentを噛み砕いて解説したいと思います。
■ 記事一覧/もくじ:BITWIG STUDIOで良い感じに音楽を作ろう!
4つの入れ物と4つをひとまとめにしたフェーダーです。
Devices and Presets / ContainersからXY Instrumentを起動します。
XY Instrumentはこのような見た目のデバイスです。
XYとは座標を表す言葉で、横軸がX、縦軸がYです。
XY Instrumentは平たくいうとABCD4つの入れ物を持っていて、入れ物の中には好きなインストゥルメントをブラウザからドラッグ&ドロップでロードすることができます。
好きなインストゥルメントをロードしたら、どのインストゥルメントをどのように出力するかを決めます。
それを行うのがこれ。
なんとこれ、ミキサーです。
仮に4つのトラックにそれぞれ異なるインストゥルメントをロードしたとします。
それぞれのトラックに同じフレーズのクリップを並べたとすると、4つのサウンドがレイヤー(重なって同時に発音)されていることになりますね。
それぞれの音量バランスを調整するためには4本のフェーダーを操作しなくてはなりません。
これをひとつのトラック、ひとつのフェーダーで操作できるようにしたものがXY Instrumentです。
上のXYミキサーの画像では中央にオレンジ色のドット(点)があるのが見えると思います。
このドットが中央にある場合はABCDそれぞれの音色は均等にブレンドされて出力されます。
ミキサー内の四隅にはそれぞれ丸印がありますが、ここにドットを振り切るとそのインストゥルメントのみが出力されます。
例えば左下に振り切ったならAのインストゥルメントが、右上に振り切ったならDのインストゥルメントが出力されるということですね。
ということは、左上に振り切ってCのインストゥルメントが出力されているところから、左の際を垂直にAの角までドットを移動したとすると、CのインストゥルメントからAのインストゥルメントにクロスフェード(徐々に切り替わる)していきますし、左上に振り切ってCのインストゥルメントが出力されているところからBの角にドットを斜めに移動した場合、CからABCDが均等に混ざった音を経由してBのインストゥルメントに徐々に変わることになります。
フレーズを再生しながらXYミキサー内を適当にグリグリと動かしてみると面白い効果に出会えて面白いと思いますよ!
それぞれの微調整ももちろんできます!
XY InstrumentのABCDそれぞれの入れ物にはインストゥルメントの後にエフェクトをロードすることもできます。
インストゥルメントと同じようにブラウザからドラッグ&ドロップで追加できます。
ABCDそれぞれにロードしたインストゥルメントやエフェクトの設定を変更する場合は入れ物(画像赤枠)をクリックすることでデバイスパネル内に対応した入れ物内のデバイスが表示されるので、各種設定を行います。
画像ではDをクリックしてDにロードしたPOLYSYNTHが表示されています。
Dの入れ物内を見ると小さい四角が3つあるのが見えますが、これはこの入れ物の中に3つのデバイスがロードされているという目安になります。
ということは、上の画像の残りABCにはインストゥルメントとエフェクトが各ひとつずつロードされているというように判断できます。
毎度のことながら文章では判りづらいので、以前簡単に紹介した時の動画を載せておきます。
ご覧下さい。
いかがでしょうか。
4つの音色を4つのフェーダーで操作しても似たような効果が出せますが、ひとつのドットで直感的に操作することで想像以上の効果に出会えますし、サウンドを操ってる感が楽しいXY Instrumentを活用してBITWIG STUDIOで良い感じに音楽制作を楽しんでください!
それではまた次回!!