(2015/01/27)
前回BITWIG STUDIOの特徴のひとつ、ヒストグラムを使ったランダマイズのような数値入力についてお伝えしました。
前回は主にインストゥルメントのパンやピッチに適用してみましたが、もちろんオーディオ素材にも使うことができます。
ヒストグラムは複数の値を同時にランダマイズするという性質上オーディオ素材に使用する場合にはちょっとした注意が必要です。
今回はそんな注意点についてのお話しです。
■ 記事一覧/もくじ:BITWIG STUDIOで良い感じに音楽を作ろう!
例えばループはひとつの素材
こんなループ素材があるとします。
この素材に対して前回インストゥルメントに行ったような、ピッチをヒストグラムでランダマイズする操作を行おうと思ったとします。
すると前回のインストゥルメントに対して行ったのと同じように、対象のクリップを選択した状態でインスペクターのピッチやパンの項目にヒストグラムを起動するプレイボタンのようなアイコンを押したいところですが、このままではアイコンが表示されていません。(画像赤枠)
これは冒頭の『ヒストグラムは複数の値を同時にランダマイズする』という性質によって発生している状況で、オーディオ素材をクリップランチャーやタイムラインにロードするとそれそのものをひとつのファイルとして認識しているのでヒストグラムを使用する状況ではないと判断されるわけです。
ということは、逆にひとつのファイルとして認識している素材をバラバラにしてしまえばヒストグラムを使えるっていうことになりますね。
オーディオ素材の切り分け
オディオ素材をバラバラにしてヒストグラムを使おうということでですね、その方法はいくつか考えられます。
パッと思い浮かぶのはナイフツールで切る。
ナイフツールを選択して任意のポイントをクリックするとクリップないの素材が分割されます。
画像赤枠のタイトル部分が切り離されて、複数のオーディオイベント化されているのがパッと見て判りますね。
ナイフツールを使用する際にグリッドに沿って切り離されては困る場合が良くありますが、そのような時は右下のスナップアイコン(画像青枠)をクリックしてスナップを解除しておきます。
オーディオ素材には自動的にオンセットという情報が与えられています。
37回目に書いたように、このオンセット情報を元にプロジェクトと素材のBPMを合わせるのですが、インフォメーションパネルの中のSplit at Onsetsという機能が便利です。
このボタンを押すと、オンセット部分でオーディオイベントを分割してくれます。
ビートのハッキリしないファイルの場合やBITWIG STUDIOの解析が正確でないような場合にも任意の場所にオンセットを追加できるので、実はヒストグラムのために使う以外にも便利な機能だったりします。
今回の内容を動画でまとめてみました。
インストゥルメントの時とは少し違って微妙にややこしいところもありますが、ヒストグラムは使ってみると面白い機能なのでいろんな素材で試しつつBITWIG STUDIOで良い感じに音楽制作を楽しんでください!
それではまた次回!!