前回Divaのオシレータ解説を開始しました。
u-he製品のタイトルをABC順に紹介している本連載ですが、今回は前回に引き続きDivaその3。
Divaは往年のアナログシンセをモデリングした5種類のオシレータを持っています。
前回紹介したTriple VCO、Dual VCO、DCOの3種類については前回の記事をご参照いただくとして、今回は残り2種類のオシレータ解説から始めます。
Dual VCO Eco
前回も書きましたが、Divaのオシレータの画面左下のプルダウンメニューをクリックすることでオシレータを変更できます。
Dual VCO Eco
基本的なハードウェアをモデリングし、PWMやFMも搭載していないその名の通りエコなオシレータ。
5種類のオシレータ中最もCPU負荷が低いです。
TUNE MOD
ピッチモジュレーション量を調整します。
2種類のモジュレーションソースでピッチをモジュレーション可能。
名称をクリック(画像ではENV 2とLFO 2)することで、変更可能。
選択可能なモジュレーションソース一覧
2つのオシレータのWAVEFORM(波形)を選択してOCTAVEでレンジを設定、独立した2つのVOUMEノブで各オシレータのボリュームを設定します。
OSC1のPLUSEWIDTHノブは、OSC1のWAVEFORMを右から2番目に設定した場合のパルス幅を設定します。
OSC2のDETUNEはOSC2のOCTAVEと連動していて、調整幅は5回転。
デチューンノブを+6以上に上げると、ノブの数値は-6に移動して、OCTAVEノブは1段階上がる。
逆にデチューンノブを-6からさらに下げるとノブの数値は+6に移動してOCTAVEノブは1段階下がる。
DIGITAL
初期のDivaには含まれていなかったモデル。
アップデートによって追加された。
DIGITAL
左右に分かれて2つのオシレータと、中央に3つのモジュレーションソースがあります。
名称をクリック(画像ではLFO2)することでソースの変更が可能で、使用可能なソースはDual VCO EcoのTUNE MODと同一。
左右のスイッチでOSC1/2それぞれの対応する機能をモジュレーションすることができます。
OSC1のOCTAVEは上下2オクターブでレンジ切替、OSC2のTUNEノブは上下30セミトーンの範囲で調整可能です。
それ以外のノブの機能は選択するWAVEFORMによって変化します。
Multisaw
7スタックのsawtooth。
DETUNE
スプレッドのチューニングを調整します。
MULTI
オリジナル波形とデチューン波形のバランスを調整します。
MULTIが0に設定されている場合はDETUNEは機能しません。
TriWrap
三角波のピークが逆方向に出現します。
WRAP
ピークに影響するスレッショルドを調整します。
BEND
水平方向の対称を調整します。
Noise
レゾナント・ローパスフィルター付きデジタルノイズ。
TUNE
ローパスフィルターのカットオフを調整します。
Q
ローパスフィルターのレゾナンスを調整します。
Feedback
sawtoothをベースに出力をフィードバックさせ、エレキギターのようなトーンを作り出す。
TUNE
ディレイの長さを調整します。
FEEDBACK
フィードバック量を調整し、デジタルディストーションを追加します。
Pulse
矩形波とパルスのミクスチャ。
PW
波形のパルス幅を調整します。
SPIKE UP
波形にsawtoothを追加する量を調整します。
Saw
sawtoothにsynchronized sineを足したもの。
HARMONICS
sine波のブレンド量と極性を調整します。
50.00に設定するとsine波をブレンドせずsawtoothのみになります。
BEND
HARMONICSで調整したsine波の立ち上がりポイントをシフトします。
Triangle
三角波のオクターブ上にsynchronized sineを足したもの。
HARMONICS
sine波のレベルを調整します。
BEND
水平方向の対称を調整します。
現在のWAVEFORMがどのような形になっているかは、ロワーパネルの最下部のSCOPEを表示することで確認できます。
必要に応じてFrequencyとScaleのノブを操作して、表示を調整してみてください。
OSC1とモジュレーションセクションの下には3つのノブとひとつのスイッチがあります。
TUNE MOD
2つのオシレータに対して作用するピッチモジュレーション量を調整します。
名称をクリック(画像ではENV 2とLFO 2)することで、変更可能で、使用可能なソースはDual VCO EcoのTUNE MODと同一。
CROSS
クロスモジュレーション。
OSC1でOSC2をフリケンシー・モジュレートします。
MIX
OSC1/2のレベルをミックスします。
RING
クリックして有効にすると2つのオシレータ間でリングモジュレートを有効にします。
DIGITAL右下にはHIGH QUALITYのOn/Offスイッチがあります。
aliasing artifactsを軽減させサウンドクオリティを向上させますが、CPUの処理能力も多く消費します。
high-pass filters / feedback
前回の解説にあった通り、Triple VCO以外のDivaのオシレータは、独立したミキサーを持っていません。
Triple VCO以外のオシレータを選択した場合、Triple VCOのミキサーが表示されていた場所にはFEEDBACKまたは3種類のハイパスフィルターから選択した機能を表示します。
それぞれのモジュールはオシレータ同様に下部のプルダウンメニューをクリックして変更可能です。
FEEDBACK
フィルターを通った信号をもう一度ミキサーに戻す量を調整します。
HPF | POST
メインフィルターの後に入るハイパスフィルター。
メインフィルターのトーンには大きく影響しません。
3段階のリムーブまたはブーストから選択します。
HPF | PRE
メインフィルターの前に入るハイパスフィルター。
メインフィルターの前のシグナルを操作するため、サウンドにも大きく影響します。
HPF | BITE
カットオフ/レゾナンスコントロール付きハイパスフィルター。シグナルはメインフィルターの前。
3つのハイパスフィルターのうち最もCPUパワーが必要
CUTOFFでフィルターカットオフ、PEAKでレゾナンスをコントロール。
3番目のノブはカットオフモジュレーションで、ソースは名称をクリック(画像ではENV2)することでモジュレーションソースを変更できます。
選択可能なソースはDual VCO EcoのTUNE MODと同一です。
REVは2種類の異なるキャラクターを選択できます。
以上でDivaのオシレータセクションの解説は終了、Divaその4ではフィルター解説を行う予定です。
次回はHiveの2回目をお送りする予定です。
それではまた次回!