シンセサイザーは、それはもう様々な方法で様々なサウンドを作り出すことができる魔法のような楽器ですが、奏法も含めて再現するとなると難しいサウンドもあります。
そのようなサウンドの中にギターやベースも含まれると思いますが、Sugar Bytes社製バーチャルインストゥルメントの中にはGuitaristという、ハイクオリティなギターサウンドを提供するソフトウェアがあります。
Guitaristのおおまかな使用方法については本連載4回目に紹介しました。
今回はパターンを作成後、ソングとして構築する方法について紹介したいと思います。
Guitaristのソング構築はスタンドアロン起動している場合とプラグイン起動している場合で2通りの方法があります。
ソングシーケンサーの1ステップの定義
楽曲内で使用するパターンを作成したら、GuitaristのGUI中央にあるコントロールセクションに並んでいるタブからSONGをクリックし、ソングシーケンサーを表示します。
ソングシーケンサー内の右上、Enableのチェックを入れるとソングシーケンサーの機能が有効になります。
シーケンサーはPattern Keysを縦に並べて横方向の時間軸に沿ってどのパターンを再生するかをクリックして指定します。
パターンシーケンサーと似ている部分もありますが、TempoとRepeatの考え方が若干異なります。
パターンシーケンサーのTempoはインターナルまたはホストのテンポに対して1ステップの長さを設定しますが、ソングシーケンサーのTempoはパターンシーケンサーのTempoを何倍したものをソングシーケンサーの1ステップ分にするかを設定します。
パターンとソングシーケンサーそれぞれのテンポの組み合わせの例をいくつか挙げてみます。
※パターンシーケンサーのテンポ=PT、ソングシーケンサーのテンポ=ST、ソングのリピート=R、ソングステップ=SS
PT=1/4に設定、ST=x1、R=1の場合SS=1拍
PT=1/4に設定、ST=x4、R=1の場合SS=4拍
PT=1/16に設定、ST=x4、R=1の場合SS=1拍
PT=1/16に設定、ST=x4、R=4の場合SS=4拍
PTを1/16に設定してLoop範囲を16ステップでパターンを作成した場合、STをx4、R=4に設定するとパターン全体を1度再生してから次のソングステップに進み、STをx8のR=4、またはSTをx4のR=8などに設定するとパターン全体を2回再生してから次のソングステップに進むという具合です。
逆にSTをx2のR=4やSTをx4のR=2などに設定するとパターンを半分再生した時点で次のステップに進むので、フレーズによってはパターン数を節約するような設定も可能ですね。
パターンシーケンサーと同じく、Loopバーの左右をドラッグしてループ範囲を指定することもできます。
GuitaristをMIDIノートで制御する
GuitaristをDAWのプラグインとして起動している場合、Chord BoardとPattern KeysはMIDIノートでトリガーすることができます。
この場合はChord Boardの1番がC1のノートに割り振られ、そこから順番に2オクターブ分Chord Board、C3がPattern Keysの1で、順番に2オクターブ分、B4までがPattern Keysに設定されます。
この場合はソングシーケンサーを使用せず、直接MIDIキーボードから演奏したり、ホストのクリップにMIDIノートを記録しておくことで作成したパターンを演奏できるのでとても便利です。
Chord BoardとPattern Keysを同時に入力することで、Chord Boardで指定しているコードで選択したパターンを演奏できるので、Guitarist単体ではその分作らなければならないパターンも、楽できてしまったりします。
ただし、Chord BoardとPattern Keysを併用した場合、Chord Boardで指定したキーでChord BoardとPatternのリズムのみを演奏し、完全に移調するわけではないので、入力方法に少し慣れが必要かもしれません。
この辺りは触れてみるとすぐに馴染むと思います。
それでは今回はこの辺で。
また次回!