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【連載】FabFilterでグイグイ行きましょう!vol.13

FabFilter製品の解説をジワジワと行なっている本連載。

Mixing and MasteringラインProシリーズの解説に移ってからはPro-MB、Pro-C2と紹介してきました。

暫くコンプレッサーが続いたので今回はディエッサー・プラグインのPro-DSを紹介してみたいと思います。

ディエッサーは歯擦音と言われるSの発音、日本語ではさ行の発音の耳に当たる部分を取り除くというニュアンスのエフェクターで、ボーカルトラックに使用されることが多いですが、Pro-DSはモードによってはドラムなどのトラックでも良い仕事をします。

ボーカルトラックにはベーシックだけで問題ないです

Pro-DSはこのような見た目のエフェクターです。

fab_pro-ds_01

シンプルですね。

他のProシリーズと同じように、ディスプレイ上で波形が走りつつ、効果もリアルタイムで視覚的に確認することができます。

上の画像では、THRESHOLDノブの上辺りに波形に重なって緑色になっている部分が、実際に歯擦音を取り除いている部分です。

各ノブとボタンの機能は以下の通りです。

THRESHOLD:スレッショルド・レベルを調整します。左上のヘッドフォンマークはオーディションボタンでディエッサーの掛かり具合をオーディションできます。
RANGE:ディエッサーの適用量を調整します。右に回すほど歯擦音が小さくなります。
High Pass/Lo Pass Filter:Threshold/Range下のスライダはハイパス/ローパスフィルターです。左右の三角アイコンで調整します。
Audition:サイドチェイン信号がオーディションできます。
MODE:ボーカルトラックなどの声のみが含まれるトラックに使用する場合はSINGLE VOLCALモードが最適です。ドラムトラックなどボーカルトラック以外で使用する場合はALLROUNDに変更し、ThresholdとHP/LPフィルターを組み合わせて高音域のみのリミッターのように使用することができます。

ここまでがBasicコントロールセクションです。

ドラムや2ミックスなどに使用するならアドバンス!

ここからはAdvancedコントロールと呼ばれている機能を紹介します。

WIDE BAND/SPLIT BAND:WIDE BANDが選択されている場合、すべての帯域に対してディエッサーが有効。SPLIT BANDが選択されている場合、高周波に対してのみディエッサーを適用します。通過させる帯域はPro-DSが自動的に設定を行ないます。

In/Ext:サイドチェインに使用するオーディオをインターナルかエクスターナルかで選択します。 インターナルの場合はPro-C2がインサートされているトラックのオーディオをソースに使用、エクスターナルの場合は別のトラックからサイドチェイン入力されているオーディオをソースに使用します。

STEREO LINK:ステレオソースに使用する場合にMIDまたはSIDE掛けるような設定ができます。MID/SIDEはそれぞれボタンをクリックして選択します。

LOOKAHEAD:Threshold適用前に最大15ms分先読みを行ないます。

Pro-DSの画面上と下にも他のProシリーズと同じようにA/B比較やプリセット選択、MIDIラーニングなどのメニューがあります。

Pro-DSの場合は画面下にグローバル・バイパス・ボタンがあります。

グローバル・バイパス
グローバル・バイパスボタン

オーディションボタンでディエッサーの効果の量を見つつ、バイパスして全体の雰囲気を確認しながら使うと良いですね。

Pro-DSはメーカーのビデオが面白いので下に紹介しておきます。

説明は英語ですが、いじっている場所と音で言葉がわからなくても大丈夫だと思います。

Pro-DSに興味を持ってくれた方は是非デモ版を試してみてくださいね。

それではまた次回!

Pro-DS

賢く明瞭なディエッサー