2015年6月末、ディリゲントはミキシングやマスタリングのプラグインとしては言わずと知れたFabFilter製品の取り扱いを開始しました。
FabFilterといえば、これまでも国内外のエンジニアやクリエイターの皆さんから絶大な支持を受けてきたミキシング/マスタリング製品のProシリーズが最も有名ですが、Proシリーズと比べて見た目や操作感もポップなエフェクトやインストゥルメントなどはあまり知られていないかも知れません。
知らない人以外は皆さんご存知の通り、FabFilter製品はミキシング/マスタリングに最適なツールやフィルター以外のエフェクト、果てはインストゥルメントまで実は幅広いラインナップを持つメーカーです。
今回から数回に渡ってFabFilter製品を紹介していこうと思いますが、やはりProラインナップよりもあまり知られていないラインナップから紹介したいな、と。
そんな風に考えております。
Microの機能解説
まずはMicro。
メーカーが『FabFilterの原点ともいえるサウンド』と言っているくらいなので、まずはMicroですよ。
とてもシンプルで使いやすいハイパス/ローパスフィルターで、見た目もシンプルです。
さっそくマニュアル代わりに機能紹介をしてみたいと思います。
まずはヘッダー。
左からアンドゥ/リドゥ。
左回りの矢印がアンドゥで、右回りの矢印がリドゥです。
アンドゥ=直前の操作を取り消し
リドゥ=アンドゥの取り消し(直前の操作の取り消しを取り消し)
意図しない操作を取り消す場合や、A/B比較のように使ったりもできます。
続いてプリセットセクション。
画像で『Beats Only』と表示されている部分ですね。
名称をクリックしてプリセットを直接選択したり、左右の三角ボタンで順送り/逆送りします。
一番右はヘルプ。
英語マニュアルを開いたり、カーソルを合わせると表示されるポップアップテキストの表示/非表示を切り替えたり、オーソライズしたりデオーソライズしたりします。
画面中央下にはフィルター・コントロール
RESPONSEでハイパスとローパスを切替。
PEAKノブでピークレベル、FREQUENCYで周波数を設定します。
更に左にはEFセクション。
これはモジュレーションセクションで、EFはEnvelope Followerの略です。
LEVELが中央12時の方向でモジュレーション量0。
右側がポジティブ側、左側でネガティブ側のレベル調整をします。
SPEEDはエンヴェロープの適用スピードの調整をします。
この辺りは文章では判りづらいと思いますので最後にまとめて動画で!
EF LEVELノブにのみリセットボタンがあります。
このボタンをクリックするとEF LEVELは瞬時に+-0に戻ります。
画面中央部にはインタラクティブ・フィルター・ディスプレイ
フィルター・コントロールのRESPONSEでハイパスが選択されている時はHP、ローパスが選択されている時はLPと表示され、この丸いアイコンを直接ドラッグして設定することもできます。
アイコンをWinの場合はCtrl+クリック、Macの場合はCommand+クリックで直接HP/LPを切り替えることもできます。
最後にフッター。
左側にMIDI Learnセクション。
MIDI LearnボタンをクリックするとMIDIコントローラのラーニングモードに入ります。
コントローラを割り当てたいノブをクリックすると赤枠が表示されるので、その状態でMIDIコントローラを操作してMIDI信号を送るとラーニングされます。
画像ではFREQUENCYにMIDI CC18が割り当てられています。
設定が終了したら右上のCloseをクリックするか、左下のMIDI Learnボタンをクリックします。
MIDI Learnボタン右の三角ボタンをクリックして設定をクリアしたりセーブしたりできます。
フッター右側にはInput/Outputセクション。
In/Outそれぞれをクリックすると隠れているノブが表示されます。
Inputを突っ込んで歪ませてみたり、フィルターの設定を補うためにOutputを盛ってみたり使い方はいろいろです。
ノブは表示しなくてもIn/Outを直接上下にドラッグしても調整可能です。
各ノブの操作テクニック
FabFilter Microのノブを操作する時に覚えておきたいテクニックをいくつか紹介します。
ドラッグする場所
ノブをドラッグする場所で動作が微妙に変わります。
ノブの中央付近では上下にドラッグして値が変化し、ノブのArrowと呼ばれる部分をドラッグした場合はコントローラを操作するように円で反応します。
値の初期化
コマンド(Windowsの場合はコントロール)+クリックで値を初期化します。
値の微調整
Shift+ドラッグで値を細かく調整することができます。
In/Outputの値の連動
Option(Windowsの場合はAlt)+ドラッグで、InputとOutputを連動させることができます。
例えばOptionを押しながらInputを+12dBに上げた場合、Outputは自動的に-12dBに下がります。
値の直接指定
各ノブをダブルクリックすることでテキストフィールドが表示されます。
直接数値を入力して値を指定することができます。
他にもホイール付きマウスを接続している場合には任意のノブの上でホイールを操作することでノブの値を調整することもできます。
いかがでしょうか。
シンプルな操作とサウンドのみで勝負するMicro。
難しいことを考えずに直感で使用できて、隠し味的にも気軽に使えるちょこっとフィルター。
もし興味が湧いたならまずは30日間無料のトライアル版を試してみてくださいね!