世の中には様々なプラグインエフェクトがありますね。
王道なものはもちろんメーカー毎に特徴的なものや、ハードウェアを再現したソフトウェア、製品として販売しているものや無償配布されているものなど、本当に数え切れないほどのエフェクトがあります。
BITWIG STUDIOにも標準搭載のエフェクトが多数含まれますが、今回はその中からディレイについてのお話しです。
実はすごいぞDelay-4!!
BITWIG STUDIOに標準搭載のディレイエフェクトはDelay-1、Delay-2、Delay-4の3種類があります。
Delay-4はリリース後のアップデートによって追加されたエフェクトですので、初期のインストーラーディスクからインストール後、アップデートを実行していないというような場合は表示されません。
今日現在の最新バージョンは1.3.13です。
Help / Aboutからバージョンをご確認いただいて、これ以前のバージョンがインストールされている場合はBITWIG社ウェブサイトにログインの上、ダウンロード/インストールを実行してください。
さて、画像を見ると一目瞭然ですが、Delay-1はとてもシンプルなディレイエフェクトで、ディレイタイムの設定とハイパス/ローパスフィルター、フィードバック量とミックスレベルがあります。
Delay-2はそれを2台組み込んだようなもので、こちらもシンプルなステレオディレイですね。
今回の本題はDelay-4についてです。
パッと見は何やらゴチャゴチャしていて分かりづらいように思ってしまいますが、縦に4台のディレイが重なっていると思って見てもらうとスッキリするのではないかと思います。
Delay-4のチャンネル1を抜き出してみるとこのようになります。
これがひとつのディレイで、縦に4台重なってマスターのFeedbackとMixノブがあるという具合ですね。
各機能は以下のようになっています。
IN/FX
Send Preノブを上げて各チャンネルへの原音のセンド量を調整。
4チャンネルそれぞれに個別のエフェクトを適用可能です。
FEEDBACK
各ディレイチャンネルから別のチャンネルにシグナルをセンドすることができます。
例えばチャンネル1のFEEDBACKノブ2を上げたなら、チャンネル1のディレイ音がチャンネル2に送られ、チャンネル2のディレイタイムで更にディレイ音を発生させることになります。
この機能を使用することで、正確に4回繰り返すディレイなどが簡単に作成できます。
詳細は最後にまとめて動画で確認します。
TIME
チャンネルのディレイタイムを設定します。
音符マークが有効になっている場合はテンポシンク、無効の場合は秒数指定で10.00msから5.00s(0.01秒から5秒)まで。
テンポシンクの場合は1/16から16/16で、16分音符1個分から16個分の長さを指定します。
タイム下のスライダーは指定したタイムからのオフセット量で、中央から左でタイミングを早め、右方向で遅らせます。
FILTER
バンドパスフィルター。
上下のスライダーを操作して、各チャンネル毎に通過させる周波数帯を指定します。
FB FX
FEEDBACK FX。
IN FXがディレイチャンネルにエフェクトを適用するのに対して、FB FXはフィードバック信号にのみエフェクトを適用します。
仮にINのノブはチャンネル1のみが上がっている状態で、FEEDBACKのセンドで他のチャンネルにシグナルをセンドした場合、別のチャンネルではINに適用されているエフェクトはかからずに、FB FXのみがかかった状態のサウンドが出力されます。
これも最後に動画確認します。
OUT/PAN
チャンネルのボリュームを設定します。
ボリューム下のスライダーでチャンネルのパンニングを調整します。
各チャンネルからのアウトプットがグローバルのフィードバックとミックスに送られます。
それぞれのFXとFEEDBACKセンドがカギ!
FEEDBACKとIN/FBそれぞれにエフェクトがロードできるという辺りはDelay-4を特徴付けていると思いますが、この機能が信号のルーティングの考え方を少しややこしくしているようにも思います。
図解すると大変なことになるので逆に平たく考えてみると、原音から4つのディレイに分配された信号それぞれにディレイをかけたい場合はIN/FX。
チャンネルにかかっているのでSend Preノブが上がっていない場合はチャンネルのエフェクト効果は確認できません。
FEEDBACKノブで別のチャンネルにシグナルを送った場合、各チャンネルのSend Preノブがゼロの場合にもディレイは発音し、FB FXの効果も確認できるという感じです。
幾つかの例を動画で確認してみます。
Delay-4はシンプルなエフェクトですが、ルーティングの自由度とリズミックな使い方にはかなりアドバンテージがあると思います。
今回はシンプルなFEEDBACKの例を挙げましたが、かなり複雑なルーティングも可能なのでいろいろと試してみるととても面白いエフェクトですよ!
といったところで引き続き、BITWIG STUDIOで良い感じに音楽制作を楽しんでください!
それではまた次回!
記事一覧/もくじ:
BITWIG STUDIOで良い感じに音楽を作ろう!
前回記事:
スナップモードとビートグリッド設定