2016年3月25日より、ディリゲントでは新たにu-he製品の取り扱いを開始しました。
u-heは良い意味で奇をてらわず王道なプラグインを作るメーカーというイメージで、プラグインシンセサイザーとプラグインエフェクトをリリースしていますが、ディリゲントでは一足先にシンセサイザーラインのみ国内販売を開始しました。
エフェクトラインも近日中に取り扱い開始予定ですが、今回からu-he製品を紹介する連載を開始するに当たって、こちらでもやはりシンセサイザーラインの紹介から始めようと思います。
u-he製のシンセサイザーはどれもビックリするパワーがあって、それぞれ特徴的な製品ばかりなのでどこから紹介したものかと悩んだのですが、もうこの際アルファベット順で参ります。
まずはAny Cable Everywhere!バーチャル・パッチング・シンセサイザーのACE!その1です!
パッチング・シンセ??モジュラー・シンセ??
ACEはこのような見た目のソフトウェアです。
バーチャル・パッチング・シンセサイザーということでですね、いたるところでケーブルがプランプランしています。
パッチング・シンセサイザーやモジュラーシンセというと、ここ数年アナログデバイスがまた人気を取り戻して来ている印象ですが、平たく言うとオシレータやフィルターなどのモジュールをパッチケーブルで繋いで自分好みのシンセサイザーを作っちゃいますよ!というものですね…というと平た過ぎるでしょうか。
ACEはそのモジュラーシンセをバーチャルで再現した製品で、予め内部ルーティングされているので、何もパッチケーブルを接続しなくても音が出ますし、様々なパッチのセッティングでプリセットもたくさん用意されているので初めてモジュラーシンセを使ってみようという場合にも敷居が低いと思います。
その上u-he製プラグインシンセ5種類の中で価格も最もお求めやすい!
さて、ACEを紹介するに当たって、もちろん最も特徴的なのはバーチャルパッチケーブルを接続して音作りをするというところだと思うのですが、今回は初回ということでまずACEのサウンドを楽しんでもらうために、基本的なところを紹介したいと思います。
モジュラーシンセについて詳しい人にはもはや説明不要だと思いますので、この連載ではモジュラーシンセを知らなかった人や、知っていてもあまり興味がなかった人向けに、まずはACEのサウンドを体験してもらうという点から重点的に開始します。
まずはプリセットでACEのサウンドを体感しましょう!
なにやら難しそうな話しをする前に、まずはACEでどんなサウンドが出せるのかを知ってもらいたいと思いつつ、プリセットの選択方法を紹介しておきたいと思います。
ACEの画面再上部を見るとこのような表示があります。
画面中央の名称部分(画像ではeX Rubberyとある部分)は現在選択されているプリセットで、名称をクリックしてプルダウンメニューからプリセットを選択できます。
左右の三角ボタンで選択中バンク内のプリセットを順送り/逆送りします。
その右の右回り/左回りの矢印はアンドゥ(直前の操作を取り消し)とリドゥ(直前のアンドゥを取り消し)、左のsaveボタンで現在のプリセットを別名保存します。
右側にあるmulticoreを有効にすると、マルチコアCPUでの動作に最適化されます。
multicoreはIntel Core i5/i7などのCPUで快適に動作しますが、これ以前の古いCPUを搭載したコンピュータでは逆にパフォーマンスが低下するかも知れません。使用する場合は少し注意が必要です。
一番右のu-heロゴをクリックするとu-heウェブサイトやTwitter、Facebookなどへのリンクが表示されます。
プリセットに関する部分では、左の表示切り替えのボタンに注目してください。
ACEの起動時にはsynthが選択されていますが、このメニューでpatchを選択すると、シンセのインターフェイスが表示されていた部分がプリセット選択画面に切り替わります。
先に『左右の三角ボタンで選択中バンク内のプリセットを順送り/逆送りします』と書きましたが、バンクはこの画面の左側で選択することになるのですね。
左でバンク名称をクリック/選択すると中央部のプリセット表示が変わり、プリセット名称をシングルクリックで選択するか、コンピュータのカーソルキーで選択すると音色が即座に変化するので試聴もスムーズです。
ダブルクリックでプリセットを選択します。
プリセット選択画面の一番右の列にはちょっとした特徴があります。
例えばこの画像のプリセットではこのような表示があります。
これはプリセットの保存時に入力した内容が反映されているのですが、Searing leadというタイプのサウンドで、モジュレーションホイールでワウとビブラートが掛かり、プレッシャーでsub(オシレータ)の値をコントロールする音色だと判ります。
プリセットをたくさん選択してみると判りますが、かなり細かく入力されているものもあって、ベロシティでフィルターをコントロールするのか…、とか、ピッチホイールでデチューンが変化するんだな…といったことがパパっと判るようになっています。
何気にプリセットを試聴する際に役立つちょっとした気遣いですね。
ACE製品ページからデモバージョンがダウンロードできますので、興味を持ってもらえたら試してみてくださいね!
今回はこの辺で。
ACE紹介記事第2回に続きます!