【連載】SYNAPSE AUDIOでシナプス接続:Episode 4 – Obsession
今回はビンテージ・ポリフォニック・シンセサイザーをエミュレートした“ Obsession ”を紹介しましょう。
Obsessionとはどんなシンセ?
Obsessionは、オシレーター×2基、切替可能な2/4極ローパスフィルター、エンベロープ・ジェネレーター(ADSR型)×2基、LFO×2基で構成されたビンテージシンセサイザーの名機を実機に忠実なモデリングでエミュレートしたソフトウェアシンセサイザーです。オリジナルの実機の大きな特徴でもあったモジュレーション・マトリックスが再現されているだけでなく、2基のLFOの変調機能を大きく拡張するLFO STEPS、エフェクトに加え実機のコンディションの再現を行なうための設定など実機以上の多彩なサウンドメイクが行なえます。Obsessionでは、8ボイス、16ボイスいずれかの同時発音数モードの選択に加え、シングル / デュアル / スプリットの各モードとの組み合わせによって用途に合わせた設定が行なえます。また、MIDI Polyphonic Expression(MPE)対応、Native Kontrol Standard(NKS)がサポートされているなど、様々な連携による活用も考慮されている製品です。
Obsessionの細部をチェック
Obsessionでは、“ VOICE ADJUSTMENT ”による個々のボイスコントロールが行なえることもこの製品の大きな特長となっています。
この機能は、各ボイスごとにオシレータースケーリングやフィルタースケーリングなどが行なえる他、あるボイスにおいてカットオフ周波数やアンプEGのリリースなどのパラメーター調整のポットを左右に動かし任意の値に設定することで、各パラメーターで設定している状態に対して偏差を加えた状態で動作します。例えばカットオフ周波数の場合であれば、トリムポットを左に回した場合、設定されたボイスのカットオフ周波数は低く、右に回すと高くなります。
また、バックパネルに用意されている“ LFO STEPS ”は、ほとんどのパラメーターにおいてテンポ同期したモジュレーションを作成でき、フリーハンド・ドローイングで最大128ステップ数の複雑なLFOシェイプも作ることが可能です。
LFO STEPSと同様にバックパネルに用意されているエフェクトも要注目です。
Obsessionにはリバーブ、ディレイ、コーラスの各エフェクトが用意されていますが、リバーブはMirko Ruta氏によってコーディングされた高品質リバーブであり、シマー効果も追加されているのが特徴です。
ステレオディレイとコーラス / アンサンブルエフェクトも適用できるため、それらのエフェクトを活用したサウンドメイクによる多彩な空間演出が行なえます。
「オーガニック」ノブを使用すると、温度に依存する揺らぎをシミュレートでき、表現力と音質を新たなレベルに引き上げることができます。