【連載】SYNAPSE AUDIOでシナプス接続:Episode 3 – The Legend HZ
今回は本年5月にリリースされたThe Legend HZを紹介したいと思います。
The Legend HZとはどんなシンセ?
The Legend HZは、本製品の前身であるThe Legendを継承したアナログモデリング音源のソフトウェアシンセサイザーです。
図1:GUI全体像。
映画音楽界の巨匠ハンス・ジマー氏とSynapse Audio Software社のコラボレーションによって開発されただけあって、今日の映画音楽制作での使用に最適であることは言うまでもなく、様々な音楽制作における用途においても活用できる製品に仕上がっています。
The Legend HZは、VST®、AAX、Audio Unit対応で、MIDI Polyphonic Expression(MPE)とNative Kontrol Standard(NKS)をサポートしています。また、ハンス・ジマー氏の所有する非常にレアなビンテージモジュール“ Vintage 914 Fixed Filter Bank ”をモデルにした固定フィルター・バンクが搭載されている他、オリジナルハードウェアのサウンド特性を忠実に再現した精密な回路シミュレーションが行なわれている点などが主な特徴になっています。更にThe Legend HZには、サウンドデザイナーのケビン・シュローダー氏とハンス・ジマー氏が実際に自身で使用しているツールにもなっている映画的サウンドのファクトリープリセット音色が200種類追加されている点も本製品の大きな特徴となっています。
なお、The Legend HZと前バージョンであるThe Legendとの相違点は以下のとおりです。
- ポリフォニー(ユニゾン、モノ、4、8、12ボイス)設定可能な6基のオシレーターを装備(※The Legendではオシレーターは3基)
- モジュレーション・マトリックス機能
- 32ステップ・シーケンサー
- モジュレーションコントロールのためのMSEG
- エフェクト・セクションの拡張、など
The Legend HZの細部をチェック
それではThe Legend HZの細部を見ていきましょう。
メイン画面では、6基のオシレーターで構成されるオシレーターセクションを始め、フィルター、アンプリファイアといったサウンドメイクの核となるシンセサイザーのモジュールセクションが配置され、GUI下部には各種変調の設定を行なうためのモジュレーションマトリックスが用意されています。
図2:図中の①がコントローラー、アウトプットなどの設定を行なうエリア、②が各シンセサイザーのモジュールセクション、③がモジュレーションマトリックスの設定を行なうエリアとなる。
GUI上部のモデル名の部分、あるいは右上コーナーにあるアイコン部分をクリックすると、
図3:黄色の枠線で囲んだ部分をクリックする。
リアパネルのGUIが表示されます。
図4:リアパネルのGUI全体像。
上部にはThe Legend HZ全体の設定を行なうGLOBAL設定の他、オシレーターやフィルターセクションなどの動作コンディションが細かく設定できるようになっています。
その下段には前述の“ Vintage 914 Fixed Filter Bank ”を始め、フェイザー、コーラス、リバーブ、ディレイ、コンプレッサーといった各種エフェクトが配置されています。
図5:黄色の枠線で囲んだ部分が Vintage 914 Fixed Filter Bank となる。
また、最下段のモジュレーションマトリックス部分は切替表示によってアルペジエーター/シーケンサーの設定画面に変更できます。
図6:黄色の枠線で囲んだ部分をクリックするとアルペジエーター/シーケンサーの設定状態に切り替えられる。
なお、プリセットを選択する際に便利なパッチ・ブラウザーは、図示した部分をクリックすると表示されます。


図7、8:黄色の枠線で囲んだ部分をクリックすると(図7)、パッチ・ブラウザーが表示される(図8)。