The Legend HZ:プリセットから作るサウンドトラック
The Legend HZに収録されているプリセットを使って実際にサウンドトラック的作品を作ってみましょう。
今回はSF映画の冒頭部分で流れるような雰囲気をイメージして作ってみました。早速、その制作プロセスを見ていきましょう。
使用したプリセットと作成したトラックについて
では始めに今回制作したトラックが実際にどのようなトラックになったのか、デモ音源 “The Legend HZ demo 02.mp3” を聴いてみてください。
このトラックではLegend HZ Factoryバンクのプリセットを4音色使用して作成しましたが、使用したプリセットはSequencesカテゴリーの “Dark Master KS HZ“、Texturesカテゴリーの “Certainty KS HZ” と “We start it KS HZ“、”Copper Crystals KS HZ” です。
各プリセット音色を単体で演奏させると次のようなサウンドになります。
- Dark Master KS HZ プリセットデモサウンド:
- Certainty KS HZ プリセットデモサウンド:
- We start it KS HZ プリセットデモサウンド:
- Copper Crystals KS HZ プリセットデモサウンド:
トラック制作の流れとポイント
The Legend HZのプリセットのパラメーター設定をチェックしてみると、内蔵のアルペジエーター/シーケンサーを使用したものが多く収録されています。これらのプリセットを演奏してみると、音色自体はもちろんですが、フレーズの持つグルーヴ感などによって曲のイメージやアイディアが浮かびやすくなります。
ゼロから作る際には、アルペジエーター/シーケンサーの設定が組まれているプリセットを選んできっかけになるフレーズを考えてみるのも一つの方法として試してみると良いでしょう。
まずはSequencesカテゴリーの “Dark Master KS HZ” を選んで、低音域で鳴らしているとSF映画の冒頭部分のような風景が浮かんできました。
今回はこのイメージが浮かんできたと同時に幻想的で意味深長なシンセパッドと高音域のシーケンスフレーズを加えたいという全体の大枠的なアレンジのアイディアも出てきました。
それぞれイメージに一番近いプリセットを選んでいったところ、シーケンスフレーズは “We start it KS HZ“、シンセパッドは “Certainty KS HZ” に落ち着きました。
これで概ねトラックの骨格はできましたが、シンセパッドの高音域が少しバランス的に聴こえ辛かったので、図のように各オシレーターのミックスバランスをエディットして整えています。
全体を聴いてみて、ちょっとしたアクセントになるフレーズを足してみようと思い、”Copper Crystals KS HZ” を加えてデモトラックの完成となります。
トラック構成は4パートですので、少々物足りなさが少なからず感じられますが、パートを足しすぎるとシンセパッド “Certainty KS HZ” のフレーズ感やサウンド変化の良さが活きてこないため、装飾的なフレーズは盛り込み過ぎないように極力控えると良いでしょう。