Spireでゼロからのサウンドメイク vol.39

Spireでゼロからのサウンドメイク vol.39

今回がパーカッシブなエスニック系の音色の作成方法とアルペジエーターの設定のまとめとなります。

最後にアルペジエーターとエフェクトの設定について解説したいと思います。

今回作成した音色の設定を表示した全体像。

<デモサウンド>

今回の音色はアルペジエーター機能をStepモードで使用してシーケンスを演奏させています。フレーズは7/8拍子、1小節のループフレーズで、実用音域内でオクターブを上下してフレーズが聴き比べられるようにしました。

また、より演奏感がわかるように、フレーズに合わせてSpireのファクトリーバンク8番のドラム音色のプリセットにあるキック、スネア、ハイハットを組み合わせてドラムループのトラックを併せて作成しています。

アルペジエーターの設定

アルペジエーターはコードの分散和音ではなく、エスニック的なフレーズ感を出すためにStepモードで使用し、各ステップで演奏させるピッチを指定しています。

アルペジエーター設定の全体像。

また、4/4拍子だと一般的なポップ系の雰囲気になってしまうので、7/8拍子のビートに合うように設定してイレギュラーなビート感を表現しました。フレーズ自体は16分音符単位で設定していますので、Endステップ値を14に設定し、1小節の長さでループするようになっています。

アルペジエーターのステップを設定する部分。

現状ではtimeで1/16で設定しているので16分音符単位のフレージングになりますが、設定を1/8にすると同じテンポであれば倍の速度になるので、2小節で1サイクルとなります。このようにtimeの設定次第では同じフレーズでもテンポ感を変えることができます。
また、アルペジエーターのベロシティ設定をStepにすると画面上で設定したベロシティ値でフレーズの演奏ができるため、ベロシティ値=0にすることでフレーズにおける休符的な表現を行なっています。

各ステップのベロシティ設定は中央の青い棒グラフ部分で行ない、0にすると発音しない状態となる。ここでは黄色の枠線で囲んだ部分が実質的に休符の演奏となる。

エフェクトの設定

エフェクトはコーラス、ディレイを図のような設定で空間処理を行ない、

上からそれぞれコーラス、ディレイの設定状態。

x-compとEQで最終的な出音調整を行なっています。
ポイントとしては、x-compでアタック感を強調していますが、

x-compの設定状態。

前回解説したENV 3のディケイの設定によってはあまり効果が感じられない場合があります。コンプをかけてもアタック感がしっくりこない場合は今一度ENV 3の調整をオススメします。
EQはLowとMidのみを図のように調整していますが、

上からそれぞれ、EQのLow、EQのMidの設定状態。

これは中低域をファットな質感に仕上げるためです。Highの設定は特に行なっていませんが、オケに混ざった段階でヌケが悪いようであれば、調整してみると良いでしょう。

<音色データ>

今回作成してるサウンドのプリセット・データ(音色データ)です。
以下のリンクをクリックしてダウンロードされる「EthnicTunedPercussion01.spf_.zip」ファイルを解凍後、現れた「Ethnic Tuned Percussion 01.spf」ファイルを、SpireのLoad Presetから読み込みます。

Reveal Sound SPIRE

Spire

ポリフォニック・シンセサイザー

内藤朗

キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIの様々なプロジェクトでのレコーディング、ライブなどに参加の他、バンド「島へ行くボート」で活動中。黎明期からMIDIやDTMとの関わりは長く、音楽制作系のライターとしても広く知られており、近著に「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ 音作り大全」(技術評論社刊)などがある。有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会会員。