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Spireのプリセットサウンドを更に良くするチョイ足しエディット術 vol.24

さて、前回に引き続きLFOの活用例を紹介しましょう。今回はLFOを使用したオートパン効果です。

LFOを使用してオートパン効果を得る

オートパンとは周期的に定位が変化する効果のことです。DAWには専用のプラグインエフェクトなどでも用意されている場合があり、ソフト音源でも内蔵エフェクトとして装備されている場合がありますが、Spireの内蔵エフェクトには残念ながらオートパンがありません。

しかしながら、MIXセクションのパンをLFOで変調することでオートパン効果を得ることができます。

今回もイニシャライズ状態から3オシレータを使用したシンセパッドを作成して、オートパン効果を付加しました。

今回作成したシンセパッド音色でイニシャライズ状態から変更したパラメータ部分は上図4枚の部分を変更した。

設定方法は、前回同様にLFOの変調先でオシレータのパンを選び、LFO1のamp(アンプ)とamt(アマウント)でオートパンのかかり具合を設定します。

LFO1セクションの設定でポイントとなるパラメータは黄色の枠線で囲んだ部分。オシレータ3にはオートパン効果を付加していないため、今回の場合は1基のLFOでオートパン効果を作成できた。

また、よりオートパン効果を高めるために使用しているMIXセクションのwideノブをオシレータごとに最大にしておくとより変化がわかりやすくなります。

今回の設定ではMIXセクションのwideの設定が重要。オートパン効果を付加したいオシレータごとに個別に調整しよう。

尚、複数のオシレータを使用して作成した音色の場合には、センター定位のままのオシレータがあると音色内でセンターに固定された音とパンで動く音のコントラストが出て、より立体感が出せる場合がありますので、お好みで調整すると良いでしょう。

<デモサウンド>
3オシレータを使用して作成したシンセパッドにオートパン効果を加えた音色のデモサウンドです。オシレータ1と2のパンをLFOで変調しています。


Reveal Sound SPIRE

Spire

ポリフォニック・シンセサイザー

内藤朗

キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIの様々なプロジェクトでのレコーディング、ライブなどに関わるなど、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。MIDIやDTM関連の分野では黎明期から今日に至るまで長きに渡り関わっており、多様な経歴を持つ。また、音楽制作系のライターとしても広く知られ、近著に「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ 音作り大全」(技術評論社刊)、共著「ミュージッククリエイターハンドブック 2023年改訂版」(ヤマハミュージックエンターテインメントホールディングス刊)などがある。有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会会員。