▶ ヘッドフォン特集
先月のSound & Recordingで、ヘッドフォン特集が組まれていました。アーティスト/エンジニアが愛用しているヘッドフォンを知ることができ、とてもおもしろい内容でした。
それぞれのインタビューを読んでいくと、共通して多くみられる意見がありました。それは、「音色を決める段階や定位を確認するときはヘッドフォンを使い、基本的にはスピーカーで確認する」といったものです。
レコーディング・スタジオでは当たり前ですが、アマチュアの自宅スタジオでも、左右にスピーカーを設置している方は非常に多いです。そのため、自宅で楽曲制作を行っている方が、ハードウェア機材のアップグレードを考えたときに、まず頭に浮かぶ機材がスピーカーかと思います。しかし、今やスピーカーは星の数ほどあります。楽器屋さんへ行くと、壁一面にスピーカーが置いてあり、どれがいいかなんて、見当もつきませんよね。
今回は、そんなみなさんに向けて、弊社一押しのスピーカー「WAVEシリーズ」をご紹介します! このWAVEシリーズ、一押しするだけの充分な魅力を兼ね備えています。WAVEシリーズの魅力を伝えつつ、正しいスピーカー設置の方法などもご紹介しますので、最後までゆっくりご覧ください。
スピーカーとモニター・スピーカーの違い
▶ モニター・スピーカー「WAVE 5 / 8」
まず始めにお伝えしたいこととして、
「リスニング用のスピーカーではミックス・ダウンはできません!」
と言い切ってしまうと語弊があるかもしれませんが、プロの方であれば、楽曲制作にはモニター・スピーカーを必ず使っています。
リスニング用のスピーカーでは、低域もしくは高域が持ち上げられていて、迫力ある音が再生されます。音楽を楽しく、心地よく、リスニングするためのスピーカーです。
しかし、客観性が必要とされるミックス・ダウンでは、スピーカーによって作られた心地よさは、正確なモニタリングを邪魔してしまいます。例えそのスピーカーで迫力ある楽曲に仕上げても、「別のスピーカーでは低音がスカスカになってしまった」というのは、よくある話です。
ミックス・ダウンの基本は、どんな環境で聴いても、同じように聴こえるよう仕上げること!
そのためには、原音を忠実に再生するモニター・スピーカーがどうしても必要になってきます。そしてWAVEシリーズは、モニター・スピーカーの中でも原音に忠実なモニター・スピーカーです!
WAVEシリーズの音色の特徴
「モニター・スピーカーは原音に忠実である必要がある」ということをご説明しましたが、モニター・スピーカーは音が見えなければなりません。
これはどういうことかというと、もし音が目に見えるものならばミックス・ダウンは簡単になりますよね。ミックス・ダウンを行っている、トラック同士の音量、定位、周波数のぶつかり合い、リバーブによる奥行きなどのバランス調整も、目で確認を行い、EQやフェーダーで調整すればいいだけになりますから。
WAVEシリーズなら、音が目に見えるかのごとく出音がクリアです! 周波数のぶつかり合い、左右の定位はもちろんのこと、奥行きまで把握できてしまいます! これは、周波数特性がフラットなためです。中低域の周波数にピークが存在すれば、スピーカーの出音がこもってしまう可能性があり、「ミックス・ダウンで低域を削りすぎた」なんてことにも、つながりかねません。
▶ ACOUSTIC SPACE
そしてWAVEシリーズは、奥行きの定位を把握するにあたってACOUSTIC SPACEという秘密兵器を持っています。
EQスイッチの1つですが、通常のEQスイッチは特定の周波数が持ち上がるのに対し、ACOUSTIC SPACEをONにすると、中低域の空間が奥まります。部屋の特性により、「低音が前に出過ぎてしまう」なんてときは、ACOUSTIC SPACEの出番です! 空間をコントロールできるスイッチなんてほぼないので、これはすごい!
正しいモニター・スピーカーの設置方法
部屋の特性という言葉を出しましたが、モニター・スピーカーは周りの環境に大きく左右されてしまいます。空気を振動させ、人の鼓膜を震わせるという音を伝える原理は、何百万円もするモニター・スピーカーも例外ではありません。そのため正しくモニター・スピーカーを設置する必要があります。いくつか挙げますので、1つずつ確認しましょう!
▶ 奇数分割法
スピーカーの置き場所
室内の場合、スピーカーから出る音と壁に反射した音が共鳴を行い、特定の周波数が強調・打ち消しあうという問題が起こってしまいます。これを回避するためには、部屋の長さと幅を3等分した箇所にスピーカーを設置する奇数分割法を基本に考えましょう。
▶ スピーカーは机に置かない
スピーカーは壁から離す
奇数分割法に関わってきますが、スピーカーを壁に近づけると、低音が壁にまわりこんでしまい、原音より低音が増して聞こえてしまいます。これは、低音に指向性がないためです。スピーカーの後ろには何もない状態が理想です。
スピーカーは机に置かない
スピーカーを直接机に置くと、振動が机に伝わってしまい、スピーカーの出音に影響をあたえてしまいますこれは、音のこもりに繋がります。
対処方法は、スピーカー専用スタンドがあればそこに設置するのがベストですが、スタンドはとても高価です。スタンドなんて手が出せないという方は、ブロックやレンガを使いましょう。
▶ インシュレータの使い方
机のうえに、ブロックを置き、ブロックにインシュレータ、スピーカーという順番で設置します。インシュレータがなければ、消しゴムや10円玉でも代用可能です。
インシュレータは3点支持、4点支持とありますので、いろいろ試してみてください! 振動を机に伝えないことがポイントです!
▶ リスニングポイントの設定
スピーカーは耳の高さで、内側に!
スピーカーは、以下の図のように、リスニングポイントと三角形になるように設置します。スピーカー同士の間隔幅は1.5mを基準にし、ステレオ感を出したいときは幅を広げ、スピーカーのセンターを捉えたい場合は、幅を狭めて調整してください。また、スピーカーのツィーターが、耳の高さで!
これらを行っていれば、ひとまずまず安心です!
音質をアップさせる方法はまだまだあります。いろいろ試して、よりよいリスニング環境を作り上げてください。
DJ機器ブランドならではの音質配慮
▶ Reloopのモニター・スピーカー
WAVEシリーズは、ヨーロッパのDJ機器ブランド Reloopが開発しました。その背景から、WAVEシリーズはモニター・スピーカーとしての用途とあわせて、クラブでの使用も考えられています。
そのため、長時間による大音量の使用でも、充分な耐久性が備わっています。耐久性だけではなく、長時間のリスニングでも耳が疲れない音というのもWAVEシリーズの特徴の1つ! これは、DTMでの長時間作業でも耳が疲れないことにつながるため、目には見えない重要な特徴です。また、WAVEシリーズの出音はとてもハッキリしているため、近年の「バキバキ」と表現されるクラブ・ミュージックにも最適です。
クラブ・ミュージックといえば、重要になってくるのが低音ですね。WAVE 5、WAVE 8の再生周波数特性は、WAVE 5が32Hz – 20kHz、WAVE 8が20Hz – 20kHzとなっており、いわゆるお腹にくる低音域の50Hz以下に対応しています。
50Hzという周波数は、1秒間に50回空気を振動させていますが、高音になるほど、振動回数が多くなります。低音は振動回数が少なく、大きな振幅量のため、スピーカーの口径(お皿の部分)が大きくなければ対応できません。高い音はどんなに安いスピーカーでも聞こえますが、低い音が聞こえないのはこのためです。
正確なモニタリングが可能なWAVEシリーズ!
WAVEシリーズは、正確なモニタリングを行うために必要な要素を数多く兼ね備えています。レコーディング、ミックス・ダウン、マスタリング、どれをとっても、正確なモニタリングは必要不可欠です。自身の楽曲のクオリティーを向上させるために見直す点は、高価なプラグインでも、マイクでもありません。
モニター・スピーカーです!
出音が変われば、生まれてくる楽曲も大きく変わります。正確なモニタリングは、自身の楽曲の弱点が見えやすくなるためです。
ここまでご紹介したように、正確なモニタリングに関して、WAVEシリーズは非常に優れています。WAVEシリーズなら、あなたの楽曲を次のステップに引き上げてくれますよ!