【連載】Mixcraft 6で音と映像をミックス2 Vol.8!

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(2014/07/04)

Mixcraftの魅力をお伝えしている本連載。連載を一新してからは、マスタリングを取り上げています。

ここ数回は、EQ(イコライザー)やコンプレッサーを使って、音圧を稼ぐ方法についてご紹介してきました。

今回は少し趣向を変えて、サンプリングレート(サンプリング周波数とも呼ばれる)、ビットレートについて解説してみたいと思います。


サンプリングレート、ビットレートってどこにあるの?

まずは、これらの名前を初めて聞く方もいるかと思います。

サンプリングレート、ビットレートは、コンピュータで楽曲を作るにあたり、必ず設定を行わなければなりません。

Mixcraftでいうと、サウンド・デバイスにて変更可能です。

サンプリングレート設定

では、これらの意味を解説していきます。
そうすると、マスタリングとどのように関係してくるかも見えてきます。

サンプリングレート

サンプリングレートを理解する前に、まず音のデジタル信号とアナログ信号について把握する必要があります。

これらについて、ものすごく大きく分けると

  • アナログ信号 = スピーカーやヘッドフォンから流れてくるような、実際に聞くことができる音のこと
  • デジタル信号 = アナログ信号の音を、アナログ・デジタルコンバーターという電子装置を使い、変換した信号。実際に聞くことはできないが、コンピュータなどで取り扱いが可能

ということになります。

例えば、マイクを使ってボーカルを録音する際、人がマイクに歌う声はもちろんアナログ信号です。しかし、Mixcraftのオーディオ・トラックに録音されたボーカルは、デジタル信号に変換されています。

ちなみに、Mixcraftの再生ボタンを押すと、先ほど録音したボーカルがスピーカーやヘッドフォンから流れていますが、これは人間の耳に聞こえるためアナログ信号です。

このように、Mixcraftで音を取り扱うために、アナログ信号からデジタル信号への変換が行われています。

ここで考えていただきたいのが、「アナログ信号からデジタル信号への変換って、どのくらい正確に行われているの?精度が悪いと、音が変わってしまうんじゃないの?」と、いうことです。

このアナログ信号からデジタル信号へ変換の際に、関わってくるのがサンプリングレート、ビットレートです。

アナログ信号は、連続した信号のことです。そのためアナログ音声は、以下のように連続した曲線で表示されます。

アナログ波形図

アナログ信号とはうってかわり、デジタル信号は連続していません。そのため、上図で表した波形(アナログ信号)をデジタル信号に変換する場合、アナログ信号の状態を数値化していきます。この作業を、サンプリング(標本化)といいます。

サンプリング図1

アナログ信号からデジタル信号への変換の際、なるだけ音質に変化を与えたくありません。

そのためには、なるだけたくさんの場所をサンプリングする必要があります。たくさんサンプリングを行えば、デジタル信号からアナログ信号への変換の際、元の波形に近い状態で再現できる=つまり、たくさんサンプリングを行うほと、元の音に近い音を鳴らすことができるということです。

サンプリング図2

では、どれだけサンプリングを行っているのでしょうか。市販されている一般のCDの場合、1秒間に44100回サンプリングを行っています。このことを、「サンプリングレートは44.1kHz(44100Hz)」と表すことができます。

サンプリングレートとは、1秒間に行うサンプリング回数を表しています。

サンプリングレートが44.1kHzの理由

ちなみに、一般のCDのサンプリングレートが44.1kHzに設定されていることには、理由があります。

理論的にはサンプリングを行ったデータからは、その半分の周波数までしか再現できないことになっています。そのため、サンプリングレートが44.1kHzになっている場合、そのデータの最大周波数は22.05kHzです。

ここで思い出していただきたいのが、人間の最大可聴周波数域は20kHzでしたね。そのため、「サンプリングレートが44.1kHzであれば、人間の最大可聴周波数域を全てカバーしている」ということになります。

続いて、ビットレートについて解説したいところですが、例によってサンプリングレートだけで説明が長くなってしまったので、ビットレートの解説は次週行います。また、これらサンプリングレートとビットレートが、マスタリングにどのようにかかわってくるかも説明します。

それでは!