第3回:初期状態から音作りを始めるには?
今回は前回解説したSledgeのパラメーターの初期状態から音色を作成していく際の最初のパラメーター設定について解説しましょう。
初期状態からの音色作成
前回はシンセの電源を入れる前に各パラメーターは最小値、あるいは±0の位置に設定する、というところまで説明しました。
プリセット音色のエディットの際にはパラメーター変更が把握しやすくなるものの、1から音色を作成する場合この状態では音を出すことができません。そこで最初にどのような設定にすると良いのかを解説しましょう。
オシレーターの設定
オーソドックスなアナログシンセサイザーの場合であれば、まず1つのオシレーターを使用して音域は8’を選び、ノコギリ波などの波形を選んだら、出力ボリュームを8割程度に設定して出音を確認しつつ進めていきます。
Sledgeの場合であれば、OCTAVEを8’、WAVEFORMをノコギリ波、ミキサーセクションでOSC1のボリュームを100~127となります。また、作成したい音色によってはOCTAVEを16’や4’、WAVEFORMを他のシンセ波形やPCM波形を選んでも良いでしょう。
フィルターの設定
フィルターの設定においてもアナログシンセサイザーでの場合と同じようにまずはローパスフィルターを選び、フィルターカットオフをフルに開いた状態に設定します。レゾナンスは0、フィルターエンベロープを音色が一定の状態で保持されるようにアタックタイム:最速、ディケイタイム:最長、サスティンレベル:最大、リリースタイム:なし、に設定します。
Sledgeの場合であれば、TYPEをLP(ローパスフィルター)、CUTOFFを18k、RESONANCEを0、FILTER ENVをATTACK=0、DECAY=127、SUSTAIN=127、RELEASE=0となります。
また、カットオフの効き具合を設定するSLOPEの12dB、24dB切替や音域に応じてカットオフをコントロールするKEYTRACK、フィルターエンベロープのかかり具合を設定するAMOUNTは任意に設定して良いでしょう。参考までに私の場合は、SLOPE:24dB、KEYTRACK:127、AMOUNT:+63に設定することが多いです。
アンプの設定
SledgeのアンプセクションはAMPLIFIER ENVとVELOCITYが設定できますが、AMPLIFIER ENVをATTACK=0、DECAY=127、SUSTAIN=127、RELEASE=0、VELOCITYを0にしておくと良いでしょう。
最初はフィルターエンベロープの設定と同様に音量も一定の状態で変化しないようにしておくと、エディット後の変化がわかりやすくなります。VELOCITY値を0にしているのもタッチの強弱によってサウンドが変化してしまうと基準となる音色が決めづらいため、ベロシティによる変化を避けることが理由です。
その他の注意点
前述のように各セクションを設定すると基本的にシンプルな波形出力によるオルガンのような持続音が発音する状態となります。しかし、MODULATIONやGLIDE、エフェクトなどの設定が以前の設定のままになっていたり初期値への戻しもれなどがあると、ピッチが変化したり、リバーブがかかった状態になっていることがあります。音色作りに慣れている人であれば、そのまま作業を進めても差し支えないと思いますが、そうでない場合には、念のためそれらの設定がオフ、あるいは無効な状態になっているかどうか確認しましょう。