第2回:ハードウェアシンセを使用する前に知っておきたいこととは?
ハードウェアシンセを使用する前に押さえておきたいこと
1:電源のオンオフとボリューム設定について
ハードウェアシンセを使用する際には注意すべき点がいくつかありますので、最初の心得として知っておくと良いでしょう。
まずは本体の電源のオンオフとボリューム設定についてです。
ハードウェアシンセをアンプやスピーカーを使用して音を出す際や、ヘッドフォンを使用して音をモニターする際には当然シンセ本体や周辺機器の電源を入れたり、ボリュームを調整するワケですが、一般的に電源を入れる際には音の出元となる機器から電源を入れます。例えばハードウェアシンセをミキサーやアンプに接続し、そこからパワードタイプのモニタースピーカーに接続する場合であれば、最初にハードウェアシンセの電源を入れ、続いてミキサー、アンプ、モニタースピーカーの順番に電源を入れます。その際、各機器のボリュームは0になっているかどうか確認しましょう。これによって各機器の電源を入れた時に生じる過大出力で機器が損傷しないようにする上で重要です。全ての機器の電源がオンになったら、音の出元となる機器の方からボリュームを上げて、各機器で適切な音量になるように調整していきます。逆に電源を切る際には音の出口となっているモニタースピーカーの方からそれぞれのボリュームを0にして各機器の電源をオフにしていきます。
また、ハードウェアシンセの本体にヘッドフォンを接続して音をモニターする際には、本体の電源を入れてからヘッドフォンを接続して、音を聴きながら適切なボリュームに設定します。逆に電源を切る際には本体のボリュームを0にしてヘッドフォンを外してから電源をオフにするとヘッドフォンへの負荷を軽減できます。
2:パラメーター調整と初期設定
最近のハードシンセは、ほとんどのモデルにプリセット音色が工場出荷時から用意されており、特に本体の設定を行なわなくても一通りの音色が揃っています。そのため、最初にパラメーターを自分で調整して音を出すということはしなくても大丈夫ですが、プリセット音色を少しだけエディットする際や白紙の状態から音色を作成する際などには各パラメーターの初期値や調整可能な値の範囲を知っておくと効率的に作業が行なえます。
例えばパラメーターをあちこち変更した状態のまま、電源をオフにすると、次に立ち上げて音色エディットなどを行なう際に、どこをエディットしたのかがわかりづらくなります。
レッスンやセミナーを受講された方や生徒さんから音色作りがよくわからない、という質問を多く受けますが、悩まれている原因の一つが実はこのことである場合が多いようです。
参考までですが、自分の場合はハードシンセを使用する際には自分なりの初期状態に設定しておいて、電源を入れていきます。Sledgeの場合であれば以下のように設定しています。
この状態にしておくことでプリセットをエディットする際に、どのパラメーターを変更したのかが把握しやすくなりますので、サウンドメイクのスキルアップを目指している方は試してみることをオススメします。
次回はこの初期状態から音色を作成していく際のパラメーター設定について解説したいと思います。