前回KR-Spaceの概要解説を行いました。
KR-Spaceは2つのモジュールを組み合わせて、ハイクオリティ・リバーブプラグインとしてだけでなく、エフェクティブなサウンドメイクにも使用できる個性的なプラグインです。
今回は各機能詳細を紹介します。
ANIMATED OBJECT SPACE EMULATOR(AOSE)モジュール
KR-SpaceにはAOSEとSpace(Reverb)の2つのモジュールがあります。
AOSEは空間に多くの球形のオブジェクトを配置して、その球形の表面にサウンドが反射した効果を数学的にエミュレートします。
まずはAOSEパラメータについて。
上の3つの球形のアイコンがグラフィック・アニメーション・ディスプレイ、下がAOSEパラメータパネルで、パラメータパネルで変更した値の状態を丸いオブジェクトの色や大きさで表しています。
パネルの各パラメータは以下の通り。
Freq (Frequency):オブジェクトのレゾナンス・フリケンシーを調整します
Freq Var (Frequency Variation):レゾナンス・フリケンシーのバリエーションを調整します
Size:フリケンシー帯域幅全体のサイズを調整します
Size Var (Size Variation):Sizeのバリエーションを調整します
Res (Resonance):レゾナンス量を調整します
Res Var (Resonance Variation):レゾナンスのバリエーションを調整します
LFO Freq (LFO Frequency):LFOフリケンシーの値を調整します
Ampl (Amplitude):オブジェクトのサイズを調整します
Distance:AOSEの仮想ルーム全体の大きさを調整します
Dist Var (Distance Variation):Distanceのバリエーションを調整します
Rate Dist (Rate Distance):仮想ルーム内でオブジェクトが前後に動作する速度を調整します
Dist Ampl (Distance Amplitude):Rate Distanceの移動幅を調整します
続いてASYMMETRY/DIFFUSIONグラフ&パラメータ。
Diffusion:AOSEの仮想ルーム内での反響量を調整します
Asymmetry:隣接するオブジェクトの水平方向の対称性を調整します
ASYMMETRY/DIFFUSIONの右にはFEEDBACKグラフ&パラメータ。
Feedbackは個々の球形オブジェクト間の反射量を調整します
ASYMMETRY/DIFFUSIONとFEEDBACKの下にはLPF/LIMITERグラフ&パラメータ。
LPF:ローパス・フィルタのカットオフフリケンシーを調整します
Threshold:オーディオシグナルの最大レベルを調整します
LPF/LIMITERは個別にOn/Offすることができます。
AOSEのPowerボタン下にあるLink内をクリックすると、AOSEとSpaceの接続方法を変更できます。
Linkがオフの状態ではAOSEからSpaceは直列に接続されているものが、Linkを有効にするとSpaceのPre Delayの後にAOSEが挿入される形に変更されます。
Linkの下にはAOSEミキサーセクション。
ここではエフェクトのDry/WetバランスとAOSEのレベルを設定します。
SPACEモジュール
SpaceモジュールにはEARLY/LATEの2種類のリクレクションサブモジュールがあります。
Powerボタン下のスイッチで切り替えます。
共通するメニューは以下の通り。
Size:リバーブのルームサイズを調整します。Sizeを0%に設定した場合、Eary Reflectionsのサブモジュールのスイッチはオフになります
Balance:左右のオーディオチャンネル間のディレイを調整する
Diffusion:ルーム内のサウンドの拡散値を調整する
Asymmetry:隣接するリフレクションの対称値を調整する
Low/High:ロー/ハイカットフィルターのフリケンシーを調整する
Low/High Gain:ロー/ハイカットフィルターのゲインを調整する
加えてLateリフレクションには以下のメニューが追加されます。
Decay:リバーブ効果が消えるレベルを調整する
Mod Freq (Modulation Frequency):オーディオをモジュレートするLFOのフリケンシーを調整する
Ampl (Amplitude):モジュレーションの適用量を調整する
EARLY/LATEリフレクションの切り替えスイッチの下はPre Delayサブモジュールセクションがあります。
Balanceで左右のオーディオチャンネル間のディレイを調整、Delayでプリディレイの値を調整します。
EARLY/LATEリフレクションモジュールの下にはMASTER EQ/MIXERサブモジュールセクション
マスターEQセクションはHigh/Lowそれぞれのフリケンシーとゲイン。ゲインは-12dbから+12dbまで。
MIXERセクションの機能は以下のものです。
Listener pos: リスナーポジション。スピーカーに対してリスナーがどの位置でリスニングしているかを調整します
Dry/Wet:SpaceモジュールのDry/Wetバランスを調整します
Level:Spaceモジュールのアウトプットレベルを調整します
以上の機能を使用して、エフェクトコントロールします。
GUIをドラッグして調整するのではなく、スライダーやノブを調整するとGUIに反映されるというところがKResearch製プラグインの癖というか特徴だと思いますが、それ以外はリバーブ系プラグインとしてはシンプルな部類だと思います。
製品ページにデモ版ダウンロードリンクとデモビデオを用意しているので是非試してみてください。
それでは今回はこの辺で!
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