「PUNCH(パンチ)」という名前から、どんな製品であるかを想像しても、なかなかイメージが浮かばないかもしれませんが、Rob PapenのPUNCHはシンセ・ドラム・サウンドを素早く生成し、演奏することができるソフトウェア・インストゥルメントです。リズムセクションはDAWソフトウェアで音楽を作成するのに欠かせない要素の1つですので、この作業を素早くできるというのは本当にうれしいことですね。
■ モードの確認
PUNCHをDAWソフトウェアで使用する場合、以下の2つのモードがあります。
- シングル・チャンネルモード
- マルチ・チャンネルモード
この「シングル・チャンネルモードとマルチ・チャンネルモードの大きな違いは何?」と疑問に思う方もいると思うので、まずはふたつの違いを説明してみます。
- シングル・チャンネルモードは1つのOutput(アウトプット)でPUNCHの音声を出力
- マルチ・チャンネルモードは最大8つのOutput(アウトプット)を使用してPUNCHの音声を出力
※それぞれの方法でPUNCHを起動した場合でもインターフェイス(画面)は同一
DAWソフトウェアで作成した曲のミックスをしている方には馴染み深いかと思いますが、もっと噛み砕いて言うと、マルチ・チャンネルモードではドラム・キットのハイハットやスネア・ドラム、キックなどの音声をDAWソフトウェアの別々のトラックに出力することができるので、ミックス作業の効率がグーンとあがるということです。
■ PUNCHのインターフェイス
前置きはこのあたりまでにしておいて、PUNCHのインターフェイスを覗いてみましょう。
PUNCHはドラム音源を初めて利用される方でもスムーズな操作ができるよう、シンプルなインターフェイスに設計されています。
まずは以下の画像を確認していきましょう。ブロックごとで見ていくと、PUNCHはすごくシンプルであることが確認できると思います。
赤枠部分の「DYN SELECT」はドラムパッドです。このドラムパッドをクリックするだけでサウンドを視聴することができます。青枠部分の「SEQUENCER」はステップシーケンスセクションです。「SEQUENCER」セクションの白枠の「GROOVE」「BREAK」を選択し、黄色枠の「ON」の部分で発音させるノートを1つずつ入力、各パターンを組み合わせて「GROOVE」「BREAK」を再生させることができます。「SEQUENCER」は16個のステップで作成していきます。この考え方は1小節に16個の音を入力できるということです。
上記画像の場合、1小節に4つ入力しているので、ちょうど4分音符のタイミングで発音しているということを表しています。もちろん、予めPUNCHに用意されている「SEQUENCER」のパターンや、BANK / PRESETを組み合わせ使用することで、円滑に作業を進めることもできます。そして、以下の画像の赤枠部分でPATTERNを選択すると、ロードされたパターンのTRACKは黄色枠の部分で確認することができます。
※黄色枠の音色はロードされたあとにでも、音色を変更することができます
それでは「DYN SELECT」と「SEQUENCER」を組み合わせたドラムパターンを聴いてみましょう。最初の3小節間はDAWソフトウェアに直接MIDIノートを入力しています。4?5小節目はPUNCHで用意されている「PATTERN」をベースに「SEQUENSER」でステップ入力しています。
PUNCH Dry
上記4?5小節目のサウンドは以下の画像のように入力しています。「SEQUENSER」の赤枠の4つのTRACKのパターンを一覧する場合、黄色枠の「TRACK VIEW」を有効にします。
ここまでの流れでシンプルにドラム・サウンドを素早く生成することができました。このドラム・サウンドに対してPUNCH内蔵のエフェクトをかけることにより、また違ったドラムサウンドを作成することができます。
「DYN SELECT」のドラムパッドのそれぞれをFXへルーディングしてみましょう。マルチ・チャンネルの場合、ステレオチャンネル1からステレオチャンネル8にアウトプットを送ることができます。
- 黄色枠の「PADS」をクリックします。
- DYN SELECT内のエフェクトをかけたいドラムパッドを選択します(ここではBD 1を使用)
- 赤枠部分のBD 1を選択し、Out項目をクリックすることで、各FXへルーディングすることができます(ここではOutをFX 1に設定)
Kit 全体の音色にFXをかけたサウンドを聴いてみましょう。
- Kick:コンプレッサー
- Sunre:リバーブ
- Hi-Hat:Wah Wah Delay
Punch FX
■ PRESET / SEQUENCER MANAGER
続いてPRESET / SEQUENCER MANAGERを覗いてみましょう。
PRESET / SEQUENCER MANAGERには多数のBANKやPRESET / PATTERNが用意されているので、これだけでも即戦力になるかと思います。BANKやPRESET / PATTERN 各々の名称をクリックすることで変更ができますので、色々試聴してみましょう。
- 赤枠部分:選択しているPRESET名称/PRESETリスト
- 黄枠部分:選択しているBank名称/Banksリスト
なお、DAWソフトウェアのMIDIトラックにNOTEファイルを入力しなくても、以下の画像赤枠部分の「PREVIEW」をクリックすることでPRESETのSEQUENCERパターンを視聴することができますので、任意のBANKやPRESET / PATTERNを選択してロードしてみましょう。
SEQUENSERセクションのPRESETやDRUM?PRESET(音色)の変更も行えます。以下の画像赤枠部分では、SEQUENSERセクションの「GROOVE1-4」および「Break1-4」のいずれかを選択することができます。
「GROOVE1-4」または「Break1-4」のいずれかを選択することで、SEQUENSERセクションの「GROOVE1-4」または「Break1-4」の音色やパターンを決めて変更することができます。
「DYN SELECT」部分のパッドの音色を変更したい場合は、赤枠内から変更したいパッドを選択し、黄枠内から音色を選びます。
お気に入りのパターン選択完了後、PRESET / SEQUENCER MANAGER右上の「CLOSE」をクリックします。
それでは、上記の流れでステップ入力やエフェクトをかけていただき、オリジナルのドラムパターン、サウンドをどんどん作成していきましょう!