You are currently viewing FabFilter Tips vol.70

FabFilter Tips vol.70

いよいよ大詰め

今年は11月になっても半袖で過ごせる陽気って良いのか悪いのか…。さすがに半袖でバイクは乗れませんが、昼間に街中を歩く程度ならTシャツでもいけますね。

毎年書いていますが、秋は楽器業界イベントのシーズンです。東京楽器博、Inter BEEなど大き目のイベントがありますし、ブラックフライデー、サイバーマンデーなどオンラインでのセールも目白押しです。

ここ数年、リアルなイベントに大手を振って行けない状態だったので、こういったイベントを待ちかねていたユーザーさんがたくさん訪れることでしょう。

最終的に諸々の確認

ここまでSeekersの「WAy」を題材にミックスをしてきました。

まぁ細かいことはいろいろありますが、ミックスがある程度完成したと仮定しましょう。全体的な仕上がりをチェックしていて「もうちょっとどうにかしたい」とか足りない部分があるけどどうしたらいいか解決策が見えないとき… リファレンスになる音源があると比べながら音作りを進めていけるので、あらかじめ用意しておけるといいですね。 また、比較しながら進めていくと道標があるのでブレないで済みますね。

もし、リファレンスで聴いている楽曲と同じようなサウンドにできたら…。 コンプ、ディレイやリバーブなどの設定はできませんが、トータルのEQは少しだけ近づけるかもしれません。 ということで、Pro-Q 3をマスターEQに使って音を仕上げてみましょう。

全体のサウンドを何かに寄せたいとき

FabFilter 製品にAI機能は搭載されていないので、手軽に何かのサウンドに近づけるなんてことはできませんが、EQ MATCHという機能をつかってリファレンスとなる楽曲のサウンドをEQで解析して、そのセッティングをEQに反映させてマスターEQで使ってみるという実験をしてみます。

EQ Matchとは?

リファレンスとなるトラックの特性と入力されているトラックの特性を比較してリファレンストラックのようなサウンドにすることです。

さぁやってみよう

リアルタイムにかける方法もあるのですが、より確実な分析>微調整>プリセット保存>プリセット適用というコースにしようと思います。

まずは、リファレンスとなる楽曲のデータを用意して、ミックスを仕上げたいセッションにインポートしてそのトラックをソロにしておきます。マスターにPro-Q 3をインサートしてEQ MatchボタンをクリックしてEQ Matchの画面を開きます。

デフォルトの状態だと入力されているサウンドの分析をしています。この場合はソロで聴いているリファレンスの音になりますね。中央のプルダウンメニューをクリックして参照先をインプットにするとアナライザー画面が動き出します。

この機能は、時間の経過とともに平均化され、Matchボタンを押せるようになります。

いいころ合いを見計らってMatchボタンを押してください。するとMatchボタンの部分がスライダーに変わります。

スライダーを右に移動させるとより詳細にバンドが作られます。

この作成されたバンドをあとで好みに応じて微調整することができるのですが、あまり精度を上げ過ぎると微調整するときにどこをどう動かせばいいのか迷うようになってしまうし、粗すぎても再現性が低くなってしまうので、ちょうどいい値を見つけるのがコツかもしれませんね。

丁度いいところでFinishをクリックするとこのようにEQセッティングが出来上がります。

ここから各バンドをチェックして必要無さそうなバンドを消したり、ゲインを調整するなどして好みの音に仕上げましょう。

そして、これをプリセットとして保存するにはプリセット欄をクリックしてプルダウンメニューを表示させ、下方にある「Save As…」を選択することで名前を付けて保存できるようになります。

※ リファレンスに使用しているトラックは著作権の関係で聴いていただくことはできません。

だいぶ雰囲気が変わりましたね。こういう使い方が合っているかどうかわかりませんが、好みの音に近づける近道になりそうです。

使用している楽曲:

Seekers

” WAy “

Instagram:https://www.instagram.com/seekers_official01/