(2015/03/25)
RobPapen社最新シンセサイザー『RAW』。
ディストーション・シンセ・サウンドを謳い文句にしているだけあって、既にご購入いただいた方はもちろん、デモバージョンをお試しいただいた方にもかなりぶっ飛んだサウンドが襲いかかっていることと思います。
RAWはダブステップなどの電気ビリビリミュージックにはもちろんですが、ハードなバンドサウンドなどにも相性抜群だったり、広いジャンルで取り入れていただきたいなと、そんな風に思っております。
オシレータ概要
RAWの2つのオシレータはこのようになっています。
それぞれのオシレータの機能はほぼ同じですが、ちょっとした違いはOSC1には信号をフィルターに送るボタンがあるのと、OSC2にはFM変調のボタンと適応量のスライダがあるところとSYNCのボタンがあるところ。
このSYNCを有効にするとOSC1の音程にOSC2を同期させます。
各オシレータの上側1/3ほどは、他のRobPapenシンセサイザのオシレータ部と同じようなパラメータが並んでいます。
飛び抜けて珍しいものでもないので以下に駆け足で解説します。
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VOLUME:各オシレータのボリュームを調整
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WAVEFORM:オシレータで使用する波形を8種類から選択
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FREE:ノートオフ時にオシレータをリセットするかを選択
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TRK:キーボードトラッキングの有効/無効の切り替え
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OCTAVE:上下2オクターブの範囲でオシレータのオクターブ調整
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SEMI:上下2オクターブの範囲内で半音単位の調整
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FINE:セント単位の調整
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Spread:オシレータのサウンドにわずかに高い音と低い音を加えてサウンドに厚みを加える
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SUB:オシレータのサウンドの1オクターブ下のサウンドを加える。左回りで正弦波右回りで矩形波、中央でオフ
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PAN:オシレータの定位を調整
サウンドをこねくりまわす
続いてPWM、AMP、PITCHの項目があります。
この3種類はボタンで表示を切り替えて調整します。
この辺りはWAVEFORMで波形を選択してオクターブやボリュームなどの基本的なサウンドを決定したら、次にサウンドに変化を与える部分ですね。
まずPWM。パルス・ワイズ・モジュレーションです。
操作するのは3種類のノブのみ。
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SYM:WAVEFORMで選択した波形のシンメトリーを変更
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PWM:PWMの変調量を設定
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SPEED:PWMの変調スピードを変更
次にAMP。アンプ・エンベロープです。
設定した時間軸に沿って音量変化をつけようというわけですね。
AMTで適用量を決めて、アタック、ディケイ、サスティン、リリースで制御します。
平たく言うと、以下のようになります。
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アタック:ノート入力から最大音量になるまでの時間
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ディケイ:アタックで設定した最大値に到達してからサスティンで指定した値に変化するまでの時間
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サスティン:ディケイを通過した後の最大ボリュームを指定
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リリース:ノートオフから音量ゼロに戻るまでの時間
実際には全体のアンプ部との兼ね合いもあるので、リリースの値は指定した通りに聴こえない場合もあります。
2つのオシレータのアンプエンベロープを設定することで、例えばオシレータ1はアタックの速い音、オシレータ2はアタックの遅い音が後からフェードインしてくるというようなサウンドが作成できるんですね。
最後にPITCH。これもAMPと同じくピッチ・エンベロープです。
設定した時間軸に沿って音程に変化をつけます。
操作方法はAMPと同じなので、AMPの説明の音量を音程に置き換えて読んでください。
この辺り、文章で読んでも判りづらいと思うので動画でご確認ください。
いかがでしょうか。
サウンド自体に動きをつけることで表情がずいぶん変わるのが面白いですね。
次回はRAWのサウンドの核心のひとつ、オシレータ部最後のRAWコントロールについてお伝えしたいと思います。
それではまた次回!